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ひらいてみたら / 道山れいん【七月堂書籍・新本】
¥1,980
予約商品
はじめまして、エッセイ詩。 れいんさんは、オトナのニンゲンなのに、いつも世界に向かってほ ほえんでいる。どうしてそんなことができるんだろう。詩のような エッセイのような、べつに最初からどっちだっていいような言葉の つらなりに、そのひみつが隠れている。 ―― 向坂くじら(詩人) いろいろとむずかしい時代、でも時代のせいにはしたくない。 むしろ今まででいちばん自由に。 ぼくなりに、人生のすべてを書きました。 道山れいん このエッセイ詩『ひらいてみたら』には、道山れいんのことばに宿るぬくもりの秘密が隠されている。 どんな人や、風景、ものごととの出会い、どんな風に感じ取って熟成させているのか。 コの字カウンターの居酒屋で、偶然となり合わせたれいんさんから、少しずつ、ゆっくりと話を聞かせてもらうような、そんなエッセイ集です。 できるだけネガティブをポジティブに変換しようとする。でもそれにはちょっとしたコツが必要なのだ。 れいんさんが持っているそんなコツが育まれた場所には、家族や友人、仲間、尊敬する人、会ったことのない祖父や猫。ぬくもりに溢れる存在がある。 大切なものを大切にする。 そんな、シンプルで一番むずかしいことのコツを、このエッセイ詩はお裾分けしてくれる。 たいせつな毎日と、それぞれの愛すべき人生のために。 時に怖いときもあるかもしれないけれど、ひらいてみたら、あなたも思わぬ出会いやぬくもりと触れ合えるかもしれない。 あかり バイバイ、を返したら 生き生きと「おっしゃー」という顔になった 通りすがりの一歳くらいの赤ちゃん。 橋から船に手を振る人。 観光列車に手を振ってくれる沿線の人。 人と別れたあと、 振り向いた後も笑顔の女性。 人間は不機嫌である必要がない。 だれだかわからないゆきすがりのひとに、 手を振りたくなるのはみんな一歳の頃から同じ。 そしてその余韻でにこにこしてしまうことは宝石のように ぼくにはあかるく見える。 そんなひとりひとりが 暗い宇宙のこの星の こころをあかるく照らしている。 著者 道山れいん 装画 カトウトモカ 発行所 七月堂 発行日 2026年4月19日 110×178mm 並製 166ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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飛ぶ練習 / 一海槙【七月堂書籍・新本】
¥2,090
一海槙 第2詩集 ああ いってしまった もう いってしまった 【作品紹介】 祖父 大空を鳥がゆくのを見ると 僕も 鳥であればよかったと思う ちいさな子どもが街の角をまがるのを見ると 僕も あの角であればよかったと思う 誰かがいっしんに本を読んで ときおり涙をうかべているのを見ると 僕はこの身体が 文字であればよかったと思う くちびるを閉じて つよい心で道を歩く祖父のように もうこの世にはなくても しずかに思いをつたえている あたたかい無名のものに 僕は なりたいと思う 著者 一海槙 発行所 七月堂 発行日 2026年3月11日 A5判 並製 91ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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葬世記 / インカレポエトリ叢書33【新本】
¥1,430
やけに星が輝く 認められなくても存在は続く 【作品紹介】 友達になれなくてごめんなさい(普通になれなくてごめんなさい) 友達になれなくてごめんなさい(普通になれなくてごめんなさい) 要するに、ぼくは嘘つきなのです(一つでも本当なら助けてくれますか) きみとは三年間同じクラスで、教室の中では親友同士を演じていましたが、ぼくが卒業式前日に飲んでいた水筒の中に、きみの唾液が満杯に入っていたことを知っていた人は、あの学校に誰もいなかったことでしょう。きみにとっては朗報なのでしょうが、きみがぼくに掘った無数の穴は令和□年になっても空洞のままです。あの時と同じく、ぼくの穴にはきみが入れたいものなら何でも入るに違いありません。というより、まだぼくはきみが望むままに入れてみせるのでしょう。まずは試しにポケットの消しゴムでも入れてみますか。 あの頃の男子校の閉塞感と言えば、生と性が交錯したゴルディアスの結び目で、自分が男性であることを証明すべく快速電車に飛び込んだ隣町の真性包茎の男子高生には同情してもし切れません(ぼくも証明が苦手だったので)。ぼくは教室を多頭飼育崩壊させた教員達を責め立てましたが、その時にはもう既に、PTAが育児放棄してしまう程に、絶えず臀部を揺らす猛禽類の吐瀉物と精液で教室の床は常に濡れていて、全校生徒全員が互いの首輪を自慢し合っていました(もちろんぼくも含まれます)。そして「座ってて良いよ」と言われて座る側の人生を呪いながらも謳歌してきたぼくは、きみに首輪を力尽くで引っ張られ、強引に立たされた時に一変したのです。きみの刹那的な等しい暴力性に魅了されたとでも言えばいいのでしょうか。その日の六限目が終わった後の掃除時間に、きみの胸鎖乳突筋が映えた太い首を、雑巾絞りみたいにしてやりたいと思いました(ただ、きみの首が象徴する男性という生き地獄を破壊したかっただけなのかもしれませんが)。 ――「溺死」より一部抜粋 著者 花房歩夢 発行所 七月堂 発行日 2026年2月28日 四六判 96ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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(特典付)『星のゆらぎに火を焚べて』刊行一周年記念対談 時里二郎×星野灯【七月堂・新本】
¥1,100
星野灯『星のゆらぎに火を焚べて』(七月堂)の刊行一周年を記念した時里二郎×星野灯による対談冊子。 対談後の余韻の中で綴られた書き下ろし詩を一篇ずつ収録。 冊子購入特典として対談動画のQRコード付。 <対談内容> 詩の中の「私」と書いている「私」/授かったもの/詩に関わる活動について/詩を書き始めた頃のこと/詩の伴走者/移りゆく詩の書き方/詩が書けない、そんな時は/詩の中に残り続けるもの 判型┆B6 頁数┆40頁 発行┆1月17日
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あなたをかく / インカレポエトリ叢書32【新本】
¥990
あなたのことを書こうとして わたしの指がとまる 【作品紹介】 保湿 あなたの肌は乾いている 鋭い冬の風に永く曝されても 柔らかい肉の体温を守るために また重い鞄を抱えても 獣の尖った爪が食い込んでも 痛みに耐え、それらを抱き続けるために あなたの唇は乾いている 唇の内側を知らせまいとして 外側の脱水された優しい言葉を語るために また濡れた言葉を与えるために 善きことのために、遍く与えるために 無意識に唾液で湿された あなたの唇は渇いている 何度でも潤そう あたたかいわたしの部屋で わたしの両の手であなたの背を 胸を 腹を 腰を 腕と脚を 手足の先を 首を 顔を もちろん唇を 衣で隠されるところ 顕になるところ 何度でも潤そう あなたの内から溢れる水を あなたの肌に守られていた水を ただ広げてやるだけでよい わたしの部屋はあなたのあってあたたかく あなたの水で湿度が保たれる それであなたはすでに潤う しかしわたしはさらに油を擦りこもう あなたはじきにこの部屋から出ねばならないから あなたはすぐ冷たい風に当たらねばならないから あなたはまた乾いた言葉を言わねばならないから うるおいが少しでも保たれるよう 念入りに塗りこもう 甘く芳しい香油を 潤ったあなたは新生児のように去る 誰かにまた水を与えるために 次にあなたが訪れる時まで 乾いた肌と唇を携えて来る時まで あなたの体温と湿度を 何度も追憶する この部屋は保たれる 著者 草野海子 発行所 七月堂 発行日 2026年1月25日 四六判 96ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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白い火、ともして / 西尾勝彦【七月堂・新本】
¥1,300
本作『白い火、ともして』は、芸術方面に進もうとする若い人たちに「創作基礎」の話をする機会があって、その講座の内容を随筆詩の形をとってまとめたものです。 創作に携わって生きている人、生きようとしている人、またその家族や友人の方へ。また、自分らしく創造的に生きるすべての人へ贈ります。 【作品紹介】 縁あって芸術方面に進もうとしている若い人たちに「創作基礎」の話をする機会がありました。創作そのものを教えることはむずかしいですが、創作をつづけていくにあたって知っておいた方がよいことなら少しは伝えられるとおもい、講座を担当しました。 その内容をより非実用的な方向にあらためて、随筆詩のようなかたちにまとめたのがこの小冊子です。ほとんど役に立つものではありませんが、創作を志すひとのささやかな支えになるかもしれません。本棚の片隅にそっと置いていただき、ときおりまぼろしをかんじるように読みかえしていただけたらうれしいです。 2026年1月 西尾勝彦 創造する、生きること 創造する 生きること その永遠のゆらぎに やすらかな つながりをかんじます しなやかで ほのかなものが まばたきのあいだに ゆれています 創造することは 無からなにかを生みだすこと まぼろしをうつつにすること ゆさぶられるあわい記憶 ひらめきの春風 小鳥のはばたく光 天使の裳裾にふれている 無限のなつかしさ そのけはい 生まれた日のかけら 倒れている人に手をさしだす ながれる水のゆらりゆらり 夢のしっぽを追いかけている 台所でのびゆく豆苗 あのひとに伝えそこねたおもい 自分を見失うことができる場所 霊感の理想郷 生きることそのもの 著者 西尾勝彦 発行所 七月堂 発行日 2026年1月30日 105mm×135mm 74ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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藤井稔詩集 / インカレポエトリ叢書別冊【新本】
¥1,650
藤井さんが書きつけた言葉の奥に、わたしは時々、あー、うー、おおーと、人間であることを超越した生きものの鳴き声を聞く。胸がかきむしられる。そして、わたしも人間をやめて、いっしょに鳴きたくなるのだった。 ――小池昌代 【作品紹介】 わずらう 恋人よ あの音を聞いているか 僕という織布がよれていく音を 有線のインディーズ JR大阪駅裏のラブホテル シルクのシャツは雨に弱いから ぬれた右腕はもう動かない その火照り、及び齟齬を返せ 恋人よ 僕たちの恋は ワンタイムパスワードでもよかった その意味を決めつけるには あまりにも早すぎた 僕がずぶずぶと泥を漕いでいたとき きみは初恋をしていたのだろう すべてを知ることができればよいと思う もしくは、何も知らずにいられたら きみがおかしならば食べてしまいたいくらいですという のっぺりとした言葉を口にしたとき コソヴォでは悲鳴と空爆が絶えなかったらしい その火照り、及び齟齬を返せ 街では小さな蜂が何匹も 僕らの知らぬ記号をはこぶ 僕もまた、黄色い羽を揺らしつづけて とにかくへとへとだった 何もかもが 千切れた蜂の涙だ きみが僕の手を握り返す感覚が確かにしたが 隣町では、路地裏で犯されるきみを見た奴が バケツいっぱいのねばついた絵の具を振り蒔き きみはそれを『きらきらひかる』にはさみ、みにくい押し花にした! 恋人よ、僕らの生活は 十六才の耳鳴りのせいで破裂しそうな あのかがやきが全てだったか 黒々とした光に照らされたあのあぜ道で ふたりは立ち尽くしたはずだ 「復讐は済みましたか?」 荒々しく それでいてさわやかな ギターの音 著者 藤井稔 発行所 七月堂 発行日 2026年1月10日 四六判 124ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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INDIAN SUMMER / 平山昭一【七月堂・新本】
¥2,200
余命宣告の極限で編まれた魂の詩篇 【作品紹介】 第三詩集として準備されていた遺稿詩集。彼が遺した詩に描かれた美しい海、八丈島の自然。詩人の魂は今もそこに遊ぶだろう。 穹と海 まぐわう/ひかりとやみの はざまに/浜万年青 かげろい/蝶 ひとひら/たは とひ/とは たひ/あたしは 羽化の/悦楽に 酔い/しおかぜ まかせ/まひるの銀河 さすらい/日輪 オーロラ/氷河 珊瑚礁 めぐる/ひと夏の 恋うる/あつき ことの葉/せいひつの 水ぎわを/さやかにわたる/碧い翅音 美しく/たは とひ/とは たひ/短命なので/ことさら はなやかに/きららめき (「蝶」) 著者 平山昭一 発行所 七月堂 発行日 2014年12月26日 A5判 並製 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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こころの底荷 / 原章二【七月堂・新本】
¥1,650
とめどなくあふれる言葉 「『喪服』と同じく、これも妻に捧げるほかはない。「お馬鹿さん」とまた言われることだろう」(あとがきより)著者第二詩集。悲しみの先に進むには、美しい思い出と寄り添って行くしかない。二人の出逢い、その輝きは今も続いている。 ぼくたちはいつまでも/この生活がつづくと思っていた/だって/ぼくたちの愛がつづくのだから/この生活はつづくに決まっている/愛ってなんだろう?/そんな定義はいらない/愛の定義など/スポーツのルールよりも劣弱だ/文字通り劣って弱い/それなのに愛を抑圧している/ぼくたちは恋人時代/ある休日の昼下がり/近所の空地でバドミントンをした/いつまでもいつまでも/ラリーがつづいた/青空を羽根が舞った/ぼくたちがそうしようと/意志したからだ/愛とはその意志のようなもの/宙を舞う羽根を見たいのだ/ラリーを百回まで数えて/「首が疲れたからやめようか」と/ぼくが言って/きみが笑った/そう 疲労が襲って/僅かなヘマで/羽根が地に落ちることもあるのだ/いや それはいずれ必ず地に戻るのだ/だがこころに残るものもある/宙を舞う羽根のたのしさ/空に描かれた愛のかたち (「愛のかたち」) 著者 原章二 発行所 七月堂 発行日 2017年11月30日 四六判 並製 カバー付 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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アルケースの話 / 松原立子【七月堂書籍・新本】
¥1,650
【内容紹介】 さあ、広いところへ出る。 さりげない瞬間に、人間の感情を、不思議を、人生の奥深さを端整に描く。著者がふと気付いたように、この詩集を読むと今の自分を少し離れた場所から見ることができる。菅原克己から受けた大いなる遺産であるかもしれない。 起き抜けに、朝の冷たい風になぶられて/赤児に戻ったように、ぼんやりしていると/ふと、忘れていた/なんでもない光景がよみがえった/三年前の夏、田舎道をどこまでも歩き/数本の丈高い向日葵を見たことを そのとき、私は幸せだったわけではない/不幸せだったわけでもない/ただ何も考えずに歩いていた/またあの道を歩きたいのでもない/ただ向日葵の見える道を歩いた そのことを思い出しただけで/今、生きていることの不思議な幸福感が湧いてきた/冷たい風に当たった/肌は、私を違う季節に追いやったけれど/今しばらくは、ここに座っていよう それにしても/あの数本の向日葵は/三年前の私を知っていたのだろうか/私も気がつかなかった私のことを(「秋の向日葵」) 著者 松原立子 発行所 七月堂 発行日 2017年12月10日 A5判 80ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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言語宝石群 あるいは星座群 / 大沢青生【七月堂・新本】
¥2,200
現職の牧師である大沢青生の紡ぎだす耽美な言語空間。それは徹底した美への奉仕である。 ルビや当て字の多用によって構築される重層的な言語空間。それは単なる言葉遊びではなく、軽やかに絡み合う主旋律と副旋律のような宝石のきらめきである。 著者 大沢青生 発行所 七月堂 発行日 2020年11月24日 B5判 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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半濁音に咲く花を / ケイトウ夏子(サイン入り)【七月堂・新本】
¥2,090
ケイトウ夏子詩集 行きつ戻りつする季節―― 痕跡の記憶に花びらを降らすように 【作品紹介】 揺籃期 踏切を待つ間に夜を洗う風が吹く 通り過ぎる電車に浮かぶ 方々へ別れる予定の人々は 灯台の顔をして揺れている 遮断機があがると道が生まれた 真っ直ぐに進むことをこばむ足は 敷き詰められた小石に触れる それは 未完の寄り道 いつか水底で ねむっていた時間に繋ぐ 渡れる川を横断する 遠景にころがる果実に映された、いくつもの呼びかけ 皮を剥くように 拡がるとばり 手招きする一歩手前で止めて 転写される系譜を追う 見ない人の分まで空をみている ※2026年3月18日の毎日新聞夕刊にて蜂飼耳さんによる書評が掲載されました。 著者 ケイトウ夏子 発行所 七月堂 発行日 2025年12月15日 四六判 68ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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幻視録 / 秋元炯【新本・七月堂書籍】
¥2,200
秋元炯第七詩集 ガレキの上を ゆっくりと浮遊していく。 【作品紹介】 キツツキ 死は キツツキの顔をして 男の肩に ちんまりと坐っていた 男はそれでも 背筋をのばし 病室の窓の方に顔を向けつづけていた 男にはもう 話をする気力が 尽きているのかもしれないと思った 昔 世話をしてもらい有難かった さっきも言ったことを 言葉を変えて話しかけた 急に 男の身体がぐらりと揺れた 手で口を抑え 空咳を堪えているような仕草 そのまま 二度 大きく頭をさげた 帰ってくれということのようだ 病室を出ようとして振り返ると キツツキは まだ男の肩の上にいて 灰色の目で 遠くを見つめつづけていた 著者 秋元炯 発行所 七月堂 発行日 2025年11月16日 A5判 134ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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未来形で死んでいた / 栗原ミライ【七月堂・新本】
¥1,870
栗原ミライ第一詩集 たいていのものは 肌を 通り過ぎていた 【作品紹介】 彗星 交差点を抜けるとビルの隙間から 夜が見えた 死にそうな地上を 眠りながら歩いている 彗星 誰も知らなかった 空を切り開き 溺れていく自覚もなく 目的地のあなたを目指す 空気を揺らし すべてを燃やして あなたの背骨を鳴らす 尾がひかって消えた これほど明るいのに わたしはこの星に着地できない 著者 栗原ミライ 発行所 七月堂 発行日 2025年11月30日 四六判 110ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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散文の連なりについて / 髙塚謙太郎(サイン入り)【七月堂・新本】
¥2,530
これが小説なのだとしたら、時代への完全なる抵抗だと思う。 ファストな時代のファストな読書への回答として。 人生はカタルシスのための物語ではないことの表明として。 そして、詩的なるものへの復権として。 ――梅﨑実奈 髙塚謙太郎『散文の連なりについて』は詩だ。 散文の連なりではあるものの、詩の水がひとしずく滴り落ち、やがてしとしとと連なっていくように、ここにある言葉ははじまり、つづいていく。 髙塚謙太郎の行分け詩は、語りの構造が裁断され細分化、複数化され緻密に再構成されていく極めて高度な書法に到達したが、ここの歩みは水の滴りのようにしとしとと進みやがて読者を詩の歩み、詩の呼吸そのものに同化させていく。 いつまでも。詩に終わりはない。 ――朝吹亮二 詩とは韻律だ。では散文は? 髙塚謙太郎は、ありふれた物語も愛も信じてはいない。信じるのは、書くという情熱と虚無とともに流れる言葉だけだ。 雨や光や人や文字に初めて触れ、離れて思うようなこまやかさと緩やかさで言葉はたゆたい、流れ、記されたどの瞬間も互いに似ていない個別の愛しさとなり瞬く。やがて日常の方がこの言葉の瞬きを写し、生き直すだろう。 比類ない詩の書き手による、散文という時間との本気の戯れ。その連なりは切ないほどに美しい。 ――峯澤典子 そういえば机上の時計が動かなくなって久しい。電池は、どこかにあったかな。それでも時針や秒針がいつかの時を刻んだ瞬間のままだということに、私は新たに驚いてもよかっただろう。そしてたぶん、そのときの私は時計の前にはいなかった。私だけがその瞬間を生きていないような、逆説的だけれど、そのくらい愛しい時間というものの深さを喩として書いていることが多いように思う。その証拠のように動きやめた時計だとしたら、この部屋はそれだけで完璧ではないか。 (本書より) ※2026年2月28日の図書新聞にて寺田操さんによる書評が掲載されました。 著者 髙塚謙太郎 発行所 七月堂 発行日 2025年12月1日 四六判 140ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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花魂〈ソウル〉 / 橋本由紀子【新本・七月堂書籍】
¥2,750
橋本由紀子幻想コラージュ詩集 花は恋する 花は生殖する 永遠を求めて 【作品紹介】 庭の時間 ダリアの匂いは 消えた庭の夏の匂い 囲われた土庭で繰り返し花は咲いた 不思議ないのちのにおいを 新聞紙に包んで 幼稚園にはこんだ 夏風と秋風の日 吸い上げる時間 消化されていく時間 去っていったにおい もう手にいれられない 記憶の中の 若い父と母の庭の時間 誰もいなくなっても ダリアは球根を育てている 新聞紙に包まれた ことのある 生命の匂い 著者 橋本由紀子 発行所 七月堂 発行日 2025年11月10日 135×220mm 150ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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人の森 / 関中子【新本・七月堂書籍】
¥1,980
関中子詩集 席を立つ前に 人は何を大切にしたいだろう 退屈と快楽か 人である優しさか 【作品紹介】 水縁(みずえん) 池に礫を投げ入れる 人は縁をめぐって 礫は沈んで 生まれる波 円を描けばそれぞれに 尽きるまで 水は 遠い旅に出る 視線がたどって重なっても その旅は暑くやわらかに遠い 今度は礫を池で走らせる 希望を置く知恵を 時をすり抜けるだまし絵を 水の縁に水の円 著者 関中子 発行所 七月堂 発行日 2025年10月20日 四六判 78ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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詩なのかもしれない / 大島健夫(サイン入り)【七月堂・新本】
¥2,200
大島健夫詩集 小さな声を探す 聴こえない声に耳を澄ます そんなときの自分の声は いつもだんだん大きくなってしまう 【作品紹介】 今日で地球は滅びるけれど 今日で地球は滅びるけれど 明日は久しぶりに外食しようか 今日で地球は滅びるけれど 今年の夏こそ、西表島に行こうよ 今日で地球は滅びるけれど 次の車検のタイミングで、新車を買おうと思うんだけどどうかな? 今日で地球は滅びるけれど お母さんの誕生日プレゼント、何をあげたら喜ぶかな? 今日で地球は滅びるけれど 受験生、がんばれ 今日で地球は滅びるけれど 空手の稽古に行く時間だよ 今日で地球は滅びるけれど ちょっと資源ごみ出してくるね 今日で地球は滅びるけれど 洗濯物たたんでくれてありがとう 今日で地球は滅びるけれど おやすみ、また明日ね 著者 大島健夫 発行所 七月堂 発行日 2025年10月10日 A5判 80ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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唇に磁石 / 渡辺八畳【七月堂・新本】
¥2,200
渡辺八畳詩集 渡辺は「そのものへと、成って」いくことを、 言葉で彫刻するかのように、 独特の大胆さと繊細さで、 彫刻の刀ならぬ筆を鋭く振るっている。 ―― 和合亮一 【作品紹介】 皿が溶ける日 頭上にある点滅灯が さして主張せずに独立を果たすから 今日はその下を無毒の鉛が流れていく 正午前の日差しはいい感じに焼いてきて 一歩 二歩 夜には雨が降ることをまだ知らない 少し前まで全世界は静止していたのに それを全く感じさせない正常な日だ 見ない見なーい 見ない 腹を擦って道を作る 陶器が土に戻らぬまま溶けて 上へ上へと垂れ流れて 絶妙な硬さを視覚から感じさせて 最後のひと液は 量が足りなくてかすれ残った 途端全てが緋色に変わり重力が増す ※2025年11月18日の沖縄タイムスにて渡辺八畳『唇に磁石』の書評が掲載されました。 著者 渡辺八畳 発行所 七月堂 発行日 2025年10月3日 A5判 120ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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七月堂の詩集アンソロジーZINE(vol.1~)【新本】
¥880
【七月堂詩集アンソロジーvol.1 『やさしくてらす』】 このたび七月堂刊行書籍より、西尾勝彦、海老名絢、佐々木蒼馬、佐野豊、古溝真一郎5人の詩を一篇ずつ、『やさしくてらす』のテーマに収録した七月堂初めてのスペシャルオムニバスZINEを刊行いたします! 七月堂スタッフ手作業、印刷と糸綴じ製本で限定部数を発行。 今後もテーマを変えて発行してまいりますので楽しみにお待ちください。 発行日 2024年8月23日 ―――――――――――――――――――――――――――― 【七月堂詩集アンソロジーvol.2 『音』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第二弾のテーマは「音」。ふだん耳でしか聞くことのできない『音』をポケットサイズの詩集のかたちにしてお届けいたします。著者は、髙塚謙太郎、萩野なつみ、尾形亀之助、うるし山千尋、小島日和、黒田夜雨。 発行日 2024年10月5日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.3 『暮らし』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第三弾のテーマは「暮らし」。さまざまな事が変動する日々のなか、選択し、取捨することもふえてきたように感じます。そんななかでも変わらずにある暮らしの光景。営みのなかで生まれたアンソロジーをぜひご覧くださいませ。 著者は、一方井亜稀、佐々木蒼馬、江戸雪、國松絵梨、川上亜紀。 発行日 2024年11月1日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.4 『花』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第四弾のテーマは「花」。 今回は、峯澤典子、菊石明、西尾勝彦、星野灯、暁方ミセイ、梁川梨里 6人の詩を『花』をテーマに収録しました。 珠玉の詩編との新たなる出会いをお楽しみください。 発行日 2025年9月18日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.5 『幽か』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第五弾のテーマは「幽か」。 今回は、西尾勝彦、たかすかまさゆき、一方井亜稀、デイヴィッド・イグナトー、高嶋樹壱、小川三郎 6人の詩を『幽か』をテーマに収録しました。 それぞれの詩や詩集との新たなる出会いとなることを願い制作しています。 発行日 2025年10月5日 印刷・製本・発行 七月堂 ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ズボンを穿いて消える / 藤井晴美【七月堂・新本】
¥1,650
藤井晴美詩集 【作品紹介】 案山子の曲率 分析と称して破裂音。 ptkbdg シラミの行列で夜な夜な街はまぶしい。 人はいなかったかもしれないし、ある時いなくなったのかもしれない。殺されたのか、病死なのか。事実性は時間とともにもの凄い破裂音で変身する。それが未来だ。しっかりしろ他者。 虫や鳥が裏返っている。不正でもしているように泳いでいる魚のようだ。 黒体の仏頂面禿げた宇宙の総天然色がべら棒。が並ぶおもちゃ屋の食卓。クラゲの作り笑い。 ぼくは歯も生えて、肉を齧れるようになりました。 著者 藤井晴美 発行所 七月堂 発行日 2025年9月15日 四六判 88ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ひかりさくかえりみち / 都圭晴【七月堂・新本】
¥1,870
都圭晴第一詩集 第39回福田正夫賞受賞! 確固とした抒情の世界をもつ作者の、 これは新たな道行きのための力強い第一歩だ。 ――細見和之 【作品紹介】 でこぼこ道の帰りに 透明傘は雨に降られている 僕に似たでこぼことした道路には 水たまりがあり 届きそうで 手の届かない白い朝と 傘をもった僕が ふるえて ゆられている 意味なんて忘れて 雨音のなか 生まれては消える波紋の時をみつめている 白い光が包み込んでいる どうしてだろう 僕や白い朝が そっと拾われていく そして 沈むことなく 抱きとられている この道は 子どもたちが登下校する それが なんだかうれしく 抱かれることがわからなくても 白い空が広がっていればいいのだと思う 理由なんてない景色に 生きてていいよと言われているような 繰り返し続いていく時間 白い空の続くでこぼこ道を 靴を濡らして帰っている ※2025年10月15日の毎日新聞夕刊にて蜂飼耳さんによる書評が、 2025年12月1日の京都新聞朝刊にて河津聖恵さんによる書評が、 神戸新聞にて細見和之さんによる書評が掲載されました。 著者 都圭晴 発行所 七月堂 発行日 2025年8月19日 四六判 104ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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【2刷】カステーラのような明るい夜 / 尾形亀之助,西尾勝彦 編集【七月堂書籍・新本】
¥2,200
月あかりの静かな夜る ― 私は とぎれた夢の前に立ちどまっている 「この詩集を、未知の読者、未来の人びとに捧げます。」 ──編者 西尾勝彦 尾形亀之助や天野忠に影響されて詩を書き始めたという、奈良在住の詩人西尾勝彦さんに編集していただき、尾形亀之助の新詩集を発行いたしました。 装画に、版画家でイラストレーターの保光敏将さんをお迎えし、装幀をクラフト・エヴィング商會さんにご担当いただき、これ以上なく素朴で贅沢な詩集の誕生です。 校正は航星舎の高松正樹さんがご担当くださり、本文はすべて原典をあたって、旧仮名遣いを新仮名遣いに改めました。 今なお、鮮やかにくり広げられる亀之助の詩を、どうぞご堪能ください。 定 価 本体 ¥2000+税 本 文 154ページ 製 本 仮フランス装 四六判変形 編 集 西尾勝彦 校 正 航星舎 装 画 保光敏将 装 幀 クラフト・エヴィング商會 発行所 七月堂 発 行 2021年10月17日 二 刷 2025年7月27日 ISBN 978-4-87944-466-0 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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半夏生 / 松井ひろか【七月堂・新本】
¥2,200
松井ひろか詩集 花の首を薙ぐように 殺めたくなってもなお愛し続けたい あなたに告ぐ ヒッチコックの映画『マーニー』の現代版を目指して書き始めたわけだが、或る「女掏摸」、或る「女ストーカー」の告白となってしまった。しかしこれは、罪に満ち溢れたアクチュアリティをどうにか生き切ろうとする私たちにとって必然の流れだったと思っている。一方で、この詩集を不器用でツンデレな半生を捧げた一途な想いの丈を語り出したひとりの女の裸像に迫る「永遠の愛」のドキュメントとして読んでいただけたら幸いである。私は青空の下にその咎をさらす覚悟だ。 【作品紹介】 つぎのベンチまで こがね色に輝く白樺林 心奥にちろちろと炎が燻る暮れ方に 小雪が舞う 母親が鍋に火を入れ 子どもたちが家々に帰り着く刻だ 野犬の遠吠え 朽ちかけたベンチに わたしたちは腰かける 祖国を追われた小説家 その透き徹る眼 のぞきこむと映っている 極寒の強制収容所で赤むらさき色に腫れたしもやけの足先 がん病棟で最期のちからをふりしぼり微笑む男のくちもと しろい息を吐く 手のひらにのった粉雪を 舌で掬う わたしはここで待っています 二度と会うことはないひとを わたしを笑って 笑って やさしく頰をつねって ねえ あまやかに首を絞めて 眼を醒させて 東京が薄明を迎えるころに突きつけられた現実 もう一度 死ねと言われるまで 待っていますから 北の街 郊外の夕べ なぜ ひとりでここまで来たのだろう つまらないひとに囚われたまま わたしはいつまで生きるのだろう こがね色に輝く白樺林 いずれ散ってしまうのに どうして美しく色づくの いま眼前にいる小説家の 清んだ瞳にわたしの眉間は射抜かれる ながれる沈黙を どちらからともなく破った もう少し歩きますか あなたが望むなら つぎのベンチまで *アレクサンドル・ソクーロフ監督ドキュメンタリー作品『ソルジェニーツィンとの対話』参照 著者 松井ひろか 発行所 七月堂 発行日 2025年7月1日 130×200mm 102ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ヤカモチ / 三井喬子【七月堂・新本】
¥2,750
三井喬子詩集 殺された生き物たちが光っている 生きるか死ぬか、 もちろん わたしは食べるのだ。 【作品紹介】 白い牝牛 暮れつかた、家の内でも外でもないところ、境界としも言うべきか、繰り返し繰り返す波、風音、痛みかも知れない違和感の、差し迫った呼吸、濡れた、温かい感触の、水かも知れない揺らぎを反芻する、月夜の、 月夜の牝牛。 軒下で生まれたててなし児、目ばかり黒々大きくて、本当に牛の子かな、白いあたしの子供かな、あれ一人、あれふたぁりと、あたしのお乳呑んで、争うこともない消耗の、月光のせいばかりとは言えますまいに、しらじらと月夜の、 月夜の子供。 連れ立って、延々と、粛々と、しらじらと、お乳飲むのは何の為やら誰の為やら、張った乳房は痛くって、光燦々、昔話の笛すすり泣き、訳を尋ねれば裂けた傷跡、十三の、不信の宵は寒々と、空など見たくないと言いまして、月夜の、 月夜の軒下。 詮方ない理由がありまして、木の葉一枚の捨て状つけて、牛の子供差し上げますドンと持ってけぇ、切るなと煮るなと勝手だと、思うだけなら罪でも何でもありますまいに、黙って連れて行くとは、風の、自分だって育てられない風の、月夜の、 月夜の錯乱。 ※2025年9月15日に公明新聞にて野村喜和夫さんによる三井喬子『ヤカモチ』の書評が掲載されました。 著者 三井喬子 発行所 七月堂 発行日 2025年6月30日 四六判 110ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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かけらを掬う / 春本あづさ【七月堂・新本】
¥2,750
春本あづさ詩集 誰もが経験するようなさりげない場面、日々にまぎれてすぐ見失いがちな一瞬の光を春本さんはやわらかくて強い手のひらに似た詩の言葉で掬い取って差し出してくれる ユーモラスで、味わい深くて、いつのまにかちょっと泣きそうになりながら こんなふうに見つめていい、書いていい、こんなふうに生きているんだから、と 私自身が解き放たれて励まされる気持ちになっていた ーー川口晴美 【作品紹介】 青い空の中 歩き続ける仕事に疲れて 公園のベンチにあおむけに横になった 青い空しか見えなくなった 足にじーんと血が通いはじめる 荷物をしょっていた背中の重さが ベンチにすいこまれていく このままずっとあおむけのまま 重さのない体になって 青い空の中に ゆらゆらとただよっていたい ※2025年10月4日の読売新聞夕刊にてカニエ・ナハさんによる春本あづさ『かけらを掬う』の書評が掲載されました。 著者 春本あづさ 発行所 七月堂 発行日 2025年6月30日 四六判 188ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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星を抱く、子どもたち / 神泉薫【七月堂・新本】
¥1,760
神泉薫詩集 人類のページは まっさらな 余白 読み解けないほど まぶしいまま 【作品紹介】 緑葉の 今朝 あなたを縁取っていたものを 数える ひとつぶひとつぶの 透き通った滴たち 丸い宮殿には 日々の澱を潜りぬけた 循環という名の営みだけが 映し出されている 傘を打つ 雨音を慈しむ 弾けるリズムは あの空からの伝言 遠い血の 積み重ねられた息のひとつを 覚えている 行と行の狭間に落とされた鳩の足跡 確かな飛翔が 地球の回転の わずかな傾きに寄り添っていたことを わたくしたちの眼裏に 刻まれてゆく緑葉の 指折り数える四季 いくつ巡ったか 幻の 幼い指は いつまでも折れることに戸惑い 山梔子の香りに満ちた あてどない永遠に 焦がれたまま 著者 神泉薫 発行所 七月堂 発行日 2025年6月25日 176×128mm 82ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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生の丈 / 神長善次【七月堂・新本】
¥2,750
神長善次詩集 今歩いている人生とは、いったい何だろうか? 直に伸びゆく青少年、深みを増す壮年、年と共に高みに向かって変化成長する人生の「生の丈」をいかに生きるか!? 【作品紹介】 平安 書斎のテラスの揺り椅子に 身を深々と沈めつつ 何思うともなく見る空は コバルトブルー一色の ただそればかりの青さなり アラブに流れる祈りの前の 時は青さに吸われゆき 心は青さに癒されて 静かな安らぎ一色の ただそればかりの世界なり 著者 神長善次 発行所 七月堂 発行日 2025年6月18日 A5判 188ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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箱庭 / 神山紗良【七月堂・新本】
¥1,980
神山紗良詩集 ずっと先の未来は 選んだものでなくてもいい 【作品紹介】 第七児童遊園 砂の地面に いくつかの足跡がついていた しばらくぶりに 上のほうを見た プラタナスの葉が とても高いところで揺れていた 音もさせずに柔らかく揺れていた 雨が降った後は こんなふうに完全な均衡が 訪れることがある 著者 神山紗良 発行所 七月堂 発行日 2025年6月15日 四六判 120ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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光るリム / 千石英世【七月堂・新本】
¥1,980
千石英世詩集 詩の舌よ 憶えよ あの空は この空と 【作品紹介】 波の記憶 船に乗ったことがないのに 波の記憶がある 大きな海を船で渡ったことがないのに 海の深さをしっている 快晴の空の下だった もう陸の影は見えない 水平線がゆれている 私はここまで波の上を歩いてきたのだ 垂らした手が波のしぶきでぬれている 私は波の上に立っている 足もとで波が盛りあがる 鼻先にせりあがり 沈みはじめる 足もとが割れて 海が割れてゆく くずれる くずれてゆく海が くずれてゆく海にのみこまれて 海のなかを流れる川になる 巨大な川だ 大河になって 流れてゆく 海をひきずりながら流れてゆく 水平線に向かって 流れてゆく その先は ナイアガラだ ナイアガラの水しぶきが見えてくる 水しぶきのむこうは 奈落だ 巨大な川がしぶきのくらがりへ落ちてゆく 銀河になって 落ちてゆく 落ちてゆくさきは 奈落だ 銀河が傾く 奈落の底を照らしだす 傾いたまま奈落の底にゆっくり落ちてゆく とおくでしぶきがあがった 底が割れたのだ 割れて 底が裏返しになっている また裏返る 大きくゆれている 割れた底なのに ひかる底になっている 沈んでゆく 割れたのに 上へ 上へ 上へ 大きな川が 海のなかをゆったりと流れていた 海を割って広がりつづけていた 川が海の広がりになって流れている 水平線に届くところまで海になっている どこまでもつづく快晴の空の下だった 私は大きなひかりの底を見上げていたのだ ひかりの底はゆれていた 割れていた 割れたまま広がってゆく 水平線を越えたむこうまで もう何もない空のむこうまで ひかりが割れてゆく 銀河の轟音が耳の上で渦巻いているのだ 著者 千石英世 発行所 七月堂 発行日 2025年5月5日 150×130mm 120ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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四行集 / 西原大輔【七月堂・新本】
¥3,300
四行詩は歌う、過去も未来も自由自在に 本詩集は7章に分かれている。 追憶詩篇、諦念詩篇、広島詩篇、大学詩篇、時間詩篇、生活詩篇、父母詩篇となっている。 広島詩篇は17年間過ごした広島の街の人々や情景が描かれている。 潮の満ち引きによって変わる川の水位のように、詩人は日々を紡いでいく。 その後東京へ移り両親を看取ることになる。 まさに「人」の日常の世界へ「四行」が導いてくれる。 【作品紹介】 切ない記憶 小学五年の春の日に クラスのかわいい女の子 小学五年の春の日よ 遠くに転校していった 時に及んで それほど励んだ学問も 大した成果は出なかった 売れない著書を手にとって 我が身の非才をただ嘆く 流川十景 其七 身を沈める日 キャリーバッグを引きずって 若い女が店に着く 「ここだ、ここだ」とつぶやいて 扉に半分身を入れる 書斎にて 平凡な講義を終えて 夜遅く机に向かう 広大な学問の野で 僕は心に火を放つ 三十代で脳死した臓器提供者の女性を思う さぞかし無念だったでしょう あなたの最期の贈り物 尊いあなたの腎臓は 私の体で生きています 老人ホーム入居日 またすぐ帰る気安さで 母は素直に家を出た 僕らは秘かに知っていた これが最後になることを 著者 西原大輔 ブックデザイン 水野愛 発行所 七月堂 発行日 2025年5月1日 四六判 162ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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素描画誌 第二号 ほどける手【新本】
¥1,100
SOLD OUT
このたび七月堂は、古井フラの詩画集「素描画誌」第二号「ほどける手」を刊行いたします。 ↓詳細はこちらnoteにて↓ https://note.com/shichigatsudo/n/n346f6dffa245 ↓「素描画誌」創刊号の詳細はこちら↓ https://note.com/shichigatsudo/n/nc1e2633ba9ca 創刊号「色のない花」お買い物はこちらから https://shichigatsud.buyshop.jp/items/97349523 「描くこと」や「空白」について、深く思索し実践した、画詩文一体の作品集。3ヶ月ごとに全10回の刊行を予定しております。 第2号のテーマは「ほどける手」。 本作は詩と素描画とエッセイで構成されています。 「わたし」というたった一つのものを握りしめて生きること、緩やかにほどき広がっていくこと。 ゆっくりとお楽しみいただけましたら幸いです。 手といえば、「素描画誌」は七月堂社内で印刷し、一冊一冊スタッフの手によって糸綴じ製本をしております。 ほどける・握りしめる、といった、手の動きのような心の往来は、生きる上でとても大切なことです。そしてわたしたちが特に心がけた方がよいのは、ゆるめてほどけることではないでしょうか。握りしめることは充分すぎるほど、幼いころからやってきたのですから。 ーーー素描画誌「ほどける手」より引用 著者┆古井フラ 絵・装幀・組版┆著者 印刷・製本・発行┆七月堂 A5判・糸綴じ 32ページ 価格 1,000円+税 発行 4月22日 発売 4月20日 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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放生会 / インカレポエトリ叢書31【新本】
¥990
緒方水花里詩集 はなの蜜すわせてください 【作品紹介】 おもいはかるくなかった 肉だ肉だと触って 袋を丸くならせ にくい詰まりにただ 手を加えないで まとめないで来ないで しまって 毎朝平に 棒にならして 129gのタンパク質 200gの野菜 71gの玄米 を腫らした 呑み込んだ 四角い箱の後で 動くいや蹲る憂く 止めないで マシュマロとチョコレート 足を引きたい からだ しただって したって涙が 満ちて のこしはあって だけどもうはいって 要らないって 凝っていた 本当だね。 笑えた そうそこに やっとはいって あいが やっと いて 著者 緒方水花里 発行所 七月堂 発行日 2025年4月10日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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Melody / 朝妻誠【七月堂・新本】
¥2,750
不在のあなたの生が燦く一瞬、夏の雨のように詩は生まれる。 ――河津聖恵 朝妻誠は彷徨う人だ。 インドを彷徨い、地球を彷徨う。 いや、あの世も彷徨っているのかもしれない。 鳴り止まない孤独なメロディはこの詩集から旅立ってゆく。 Rainy 「レイニー!」とあなたは言った。雨が降り出したのだ と思う。昼間の強くて短い雨の時間が終ると、空に薄い 半円の虹が出て、僕たちはそれをしばらく眺めていた。 それから僕はあなたと何か冷たいものを買いに出かけた はずだ。太陽はまた元に戻っていて、僕たちは歩きなが ら汗をかいていた。夏の陽射しは強い。真夏は太陽の光 の加減で、木立の葉陰が洞窟のように見えてしまうこと がある。僕はその日、その洞窟の中で何かが見えたよう な気がした。そしてそのときなぜか僕は、あなたが僕と 同じものを見たのではないかと思ったのだ。あなたはこ の国に生まれた人ではないのに。 あなたに初めて会ったのはひどい風で朝から雪の降り 続く寒い冬の日だった。夜になると風は治まったけれど、 街は本当に真っ白になった。僕の街の小さな駅の待合室 にいたあなたは、誰かを探している様子だったのだが、 僕の顔を見るなり、「スノー!」と言ったのだ。僕は傘 を持っていたから、あなたを街の小さなホテルまで送っ て行った。湿った雪が僕の傘にひどく重く降り積った。 あなたからの手紙が届いたのは、春になって日差しが暖 かくなってきた日の午後だった。なんだか僕に何を伝え たいのかよくわからない手紙だった。それからしばらく して、あなたは突然僕の街に現れたのだ。 あなたと暮らしたのは何年間だったのだろうか。もう、 はっきり憶えていない。誰にも言わなかったけれど、僕 たちは僕たちにしか見えないものが見えたから、よく二 人でくすくす笑いながら囁き合ったりした。あの人、本 当は小さな女の子と暮らしていたんだよね、とか、本当 にどうでもいいようなことばかりを。僕たちはなんだか おかしな二人に見えたのかもしれないね。いや、僕たち のことなんて、この街の人たちはそんなに興味がなかっ たのかもしれないけれど。 あなたに一度だけ触れたことがある。あなたの白い服 を脱がすと、あなたの温かい乳房はとても柔らかくて、 僕はなんだか安心してしまった。そして熱くて濡れてい て、なんだか懐かしいやさしい性器だった。でも僕たち は性交なんて一度で飽きてしまって、二人でベッドの中 でふざけながら、昨日や一昨日の夢で見た場所や現実に 行った場所のことなど、長い時間をかけて語り合うこと の方が多かったのだ。 あれから何度も夏が来て、何度も秋が来て、季節は変 わり続けて、時間はどんどん経っていった。あなたから 来た手紙はテーブルの上に重なり続けた。最後の手紙に は写真が入っていた。まるであなたの心だけが身体から 抜け出して同封されて僕の街に届いたみたいだった。あ なたはベッドで微笑んでいた。髪の毛は白くなっていた。 僕はまたあなたのサラサラだった長い金色の髪を思い出 してしまう。 あなたのいなくなったこの部屋に、あなたの古い写真 がある。写真はただの切り取られた時間だ。何を話しか けてもあなたはずっと微笑んだままだから。夏の日、雨 が降りそうになると、今でもどこからか「レイニー!」 というあなたの声が聞こえるような気がする。とても会 いたいけれど、僕ももうこの国から出られない身体なの かもしれない。今日もあなたに届くかどうかもわからな い手紙を書き続けている。いま季節は秋だが、もう冬が 近づいているのだ。 著者 朝妻誠 帯文 河津聖恵 ブックデザイン 川島雄太郎/川島康太郎 発行所 七月堂 発行日 2025年2月28日 四六判 124ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ハルシネーション / 草間小鳥子【七月堂・新本】
¥1,980
草間小鳥子第3詩集 第75回H氏賞受賞!! 草間小鳥子は誰よりも世界に向き合っている。それがたとえ事後の幻影的現実(ハルシネーション)であろうと、その詩的変容を夢見てやまないのだ。 ――野村喜和夫 生成AIが普及し、ディープフェイクなどが日常に侵入してきたことで、虚構が現実のように現実が虚構のように現れる世界を見つめようとする41篇の詩を収録。 ※ハルシネーション(hallucination) ・幻覚、幻影。 ・AI(人工知能)が誤った情報を生成する現象のこと。 【作品紹介】 みちゆき ほんとうに暗いときにしか 光らない雪が 道行きを仄青く照らしている 光るのはうつくしいからではない 踏み越えられなかった弱さやずるさ すべての塵が ほかの光を さめざめと照り返すから 敷き詰められた雪のうえに 固く目を閉じ汚れた昨日が 道標のように発光している 著者 草間小鳥子 発行 七月堂 ブックデザイン 川島康太郎+川島雄太郎 発行日 2024年10月25日 四六判 168ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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花下一睡【新本】
¥2,750
SOLD OUT
秋山基夫詩集 第43回現代詩人賞受賞!! 〈 詩 〉の始原へ 終わらない夢幻劇 【作品紹介】 はぎ 先ごろ思いもかけぬ幸いにて宮城野に参りました あわわあわわと萩を分け露に濡れつつ歩みました 歩めども歩めども萩の花萩の露萩の花萩の露です 薄闇にしゃがむと西行法師の歌が聞こえてきます あはれ いかに 草葉の露のこぼるらむ 秋風立ちぬ宮城野の原 するとほんとうに風が吹いてきましたいちめんに むすうの露がむすうの萩の花からこぼれています あわわあわわと花を分け露に濡れつつ歩みました 月が昇りました銀の世界で馬鹿になってしまった 美しいお方のしゃれこうべがいまも転がっていて 萩の露を舌のない口をあけてのんでいるでしょう むかし郊外に 住んでいた頃 休日の夕方には 妻とよく散歩に出た 道ばたに萩を見つけ これが萩だと教え 顔を近づけ うす紫の小さな花を 暗くなるまで見ていた 何十年も過ぎてしまった病み衰え何もかも失って 白い壁の部屋で白い天井をただぼんやり見ている 著者 秋山基夫 発行所 七月堂 発行日 2024年4月1日 A5判変形 112ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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【3/21 開催】ことばあつめの夜 オンライン参加キット・今夜の一冊付
¥5,120
SOLD OUT
【ご注意ください】 いつもご利用いただきありがとうございます。 こちらの商品は、ことばあつめの夜 (オンライン参加キット・今夜の一冊付)のご予約ページです。 配信を通して、オンラインでご参加いただく方のためのご予約となります。 【現地参加の方はコチラより】 https://shichigatsud.buyshop.jp/items/100160513 「ことばあつめの夜」を、実際に店舗に来られない方にも参加していただけるようにキットを販売しております。 ことばあつめの夜は、閉店後の七月堂古書部のあかりを消して、ランタンを持ってお過ごしいただくイベントです。 店内は「ことばポスト」と投稿用紙があるので、そこにその日生まれたことばを書いていただきます。 詳細は以下のリンクよりご確認ください。 イメージビデオ https://www.youtube.com/watch?v=onB_PohF9vk 【参加方法】 ①七月堂古書部ECサイトにて、キットをご購入ください。 今夜の1冊はケイトウ夏子 詩集『半濁音に咲く花を』です。 こちらの一冊から、気になったり好きな詩を引用して書いていただくことも可能です。 (引用文については原文と表記が食い違っていた場合、原文ママに整えて掲載いたします。) ※刊行間近の為、12月中旬頃の発送となります。ご了承くださいませ。 お送りする内容は以下になります。 ・投稿用紙 ・今夜の一冊 西尾勝彦『白い火、ともして』 ・その日の夜に集まった言葉をまとめた一冊の本(こちらのみイベント終了後約1~2か月後の発送) ② 当日は部屋の照明を消してお過ごしいただきます。お手元を照らすくらいの灯りをご用意ください。 ③ 当日の時間になりましたら、ことばあつめの夜キットに同封されているQRコードを読み取っていただき七月堂古書部の配信をご覧ください(19:30~21:30)一緒にことばあつめの夜を過ごしましょう。 ※プライベート配信のため、ご参加の際は送られた合言葉をご入力ください。 ④ キットの中の投稿用紙にその時心に浮かんだ言葉をお書きください。エッセイ、日記、詩、短歌、俳句、形式は問いません。 ⑤ 記入済みの投稿用紙の写真を撮って、「kotobaatumenoyoru★gmail.com」まで、タイトルに「ことばあつめの夜」とお書きの上、翌日中までにお送りください。(★を@に変えてください) 【商品内訳】 ・キットと参加費 800円 ・その日の夜に集まった言葉をまとめた一冊の本(こちらのみイベント終了後約1~2か月後の発送) 3,000円 ・今夜の一冊 西尾勝彦『白い火、ともして』 1,320円 ※刊行間近の為、12月中旬の発送となります。ご了承くださいませ。 一か月~二か月後に、紙とゆびさきさんが一冊ずつ丁寧に製本された、その日の夜にあつまったことばが詰まった本が届きます。 楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
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紀州・熊野詩集【古本】
¥2,400
SOLD OUT
【状態】 カバー帯付 カバー:上部剥がれ有 著者 吉増剛造、倉田昌紀 発行所 七月堂 発行日 2006年6月19日 A5判 196ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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エレゲイア / 佐々木洋【七月堂・新本】
¥1,760
<詩――ポエジー>とは 常に誰からも必要とされぬ その存在そのものをも永遠に黙殺され続けて来た者たち/その言の葉の片々よりも とうの昔に潰え 霧散してゆく定めの者たちよ/しかし言葉(イマージュ)の迷路の中に 一瞬たりとも囚われ惑溺しえたことの/この悦びを 恍惚を/誰が汝らより よりよく知り抜いているというのだろう?/もし<無心(イノセンス)>という夢が<不死(イモータル)>という夢と同じ位リアルな重量を持つのであるのなら/詩人たちほど太陽の黒点を炎やす 究極の謎(エニグマ)を手にしている呪術師もないであろう(「詩人たち」より抜粋) 神官の身ぶりで、語という鉱石を掘り起こし、妻合わせ、舞わせる。 太古の洞から、現代へとつぎつぎに放たれる疑問符の矢。 暗い既知の地平を超えると、明澄な黄泉が立ち上がるのだ。 聞くがよい、血の速さで語る、詩人の連綿を。 寄せては返す、否定と疑問の鬩ぎ合う、潮騒の高鳴りを。 慟哭、自矜、そして遊戯。 この詩人は、逝くことの非情を哀歌(エレゲイア)にうたい上げながら、 実は<詩(ポエジー)>の何たるかを問い続けているのだ。――村松定史 著者 佐々木洋 発行所 七月堂 発行日 2014年8月30日 A5判 92ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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猫式Nyanical / インカレポエトリ叢書30【新本】
¥990
成田凜詩集 わたしがさぁ ほねになっちゃったら どうする? たすけてくれる? 【作品紹介】 Vertical:月への信心 時刻は朝四時四四分、昨夜の気怠さが透明になっていくことだけがわかって います。呆れるほど傾いてしまった形骸のまま、それでもまっすぐに歩きつ づけていられるのは、この心酔のせいだと、誓わせてください。誰のことも 信じていないわけではないのだと。誓わせてください、忽然冷たくなった指 先に、祈らせてください、 蟹みたいにね いなくなるなら赤く光って 先にいって 星(ほし)ほしかった 最も不幸な妄想のために眠り続けることはないのだと 終(つい)えるときには見(め)されるだろうと 再び時刻は朝四時四四分、右目の痛みは水たまりの泥のような濁り具合で、 頭から胸にかけて皮膚のうちがわが散散(ばらばら)になっていくさまはみじめ、本当に みじめでした。忘れていただけのことを勘違いと呼んでいた、好きだという だけのことに終に気がつけなかった、思いなせば、祈れば、よい、と、止め られなかった、のが、みじめ。みじめでした。 樹海の中に海があればよかった よかったってなに 海なんか見たことない でもさざ波にそよがれてみせた やさしさ は青かった 舟を出す、時刻は朝四時四四分。白い砂に沈んでしまいそうなほどゆっくり と歩いてみせました。ゆっくり、ゆっくりと、透明になるための練習をして おくのです。ういてしまうための焼却のレッスンを今のうちにしておきたい のです。みな、舟になるのだから。 時刻はわかりませんでした。目覚めてからずっと水平でいることができず、 くるくると回る、天使みたいに羽(はね)る、白くなる、くるくると回る、はねる、 もっと白くなる、くるくると回る、はねる、はねる、羽る、羽、羽、羽、羽、 羽て白く そして、青っぽい惑星(ほし)にからだは溶(と)られ かわりに 祈ることはできなくなった 真っ黒な まっくろな宇宙に 月が燃えていた 銀色に燃えていた 佐々波美月「きみには歩きにくい星」、梶井基次郎「Kの昇天――或はKの溺死」に寄せて 著者 成田凜 発行所 七月堂 発行日 2025年1月30日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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あわいのひと / 西尾勝彦【七月堂・新本】
¥1,760
この星では ときどき なつかしい風が 吹いていますね 『あわいのひと』より …………………… 前作『場末にて』から1年と少しが経ちました。 この冬、西尾勝彦さんの詩集を刊行いたします。 『あわいのひと』というタイトルのこの詩集は、一篇の詩としても、物語としても楽しんでいただける一冊となりました。 日ごろの緊張から解き放たれて、ホッと息をつき、力をぬいて安心できる場所。 それは、この世界のほんの少しだけずれた隣りの部屋にあるのかもしれません。 いえ、本当は、この世界にあるのかもしれません。 穏やかであたたかいものをひとつでも多く。 そんな願いをこめてお届けいたします。 いずれ わたしは いなくなるのです このうつくしい世界から きえさってしまうのです その前にできることは あたたかいものたちを こしらえることなのです 『あわいのひと』より 著者 西尾勝彦 発行所 七月堂 発行日 2025年1月23日 145mm×140mm 84ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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素描画誌 創刊号 色のない花【新本】
¥1,100
SOLD OUT
このたび七月堂より、古井フラ画詩文『素描画誌』を刊行することとなりました。 年4回、全10回の発行を予定しております。 記念すべき創刊号は、「色のない花」。 詩と散文と素描画から構成される本誌は、七月堂社内でオンデマンド機にて印刷をし、製本もスタッフにて行っています。 毎号100部の限定発行の予定ですが、創刊号は200部の発行となります。 『素描画誌』は、2020年1月に、古井フラさんが自主制作されたものが始まりとなります。 その時は、一冊で完結している雑誌でしたが、内容は同じように、詩と散文と素描で構成されていました。 コロナ禍にそれを手にし、クロッキーが訓練や習作上、修正や消すことのできないという意味において、「消すことができないということは、失敗は残り、失敗は許されている。そこでは成功も失敗も、行為においては等価である」という一文に強く心を射抜かれました。 古井さんの定義するところの「素描」には、主に線描、単色で表した絵の他に、「対象を観察した写生」「線描を主とした描画」「画材は紙と鉛筆、コンテ等」「無彩色」「基本的に決して描き直しをしない」「短時間の描画」(1~10分程度)というものがあって、古井さんの散文を読み進めると、「短時間の描画」という刹那的な瞬間に惹かれていく自分の視線に気がつきます。 時間で測れる瞬間というのは、本当はどれも、立ち上がってはすぐ過去になってしまう「点」のひとつ。 その点を、1秒とみるのか、1分とするのか、10分とするのか。 それによって出現する「瞬間の景色」は、陰影も輪郭も変わってくるのだろうと思います。 ただどの瞬間も、限られているという決まりのなかではすぐに消えてしまうものであり、それを切り取った描画は、すでに過去にあったものである、という事実とともに、しかし、今も生き生きと目の前にあり続けることの存在感と不思議さと哀しみ。 古井さんの意識のなかには、過去、現在、未来、と絶え間なく流れる時間という大きな川が流れていて、たった今、五感で感じとどめられるものを素描画にしている。 そう思ってフラさんの絵を見ると、今日という一日がどれだけ大事であるか。成功も、失敗も、大きな川の流れのなかでは小石くらいのことでしかないかもしれず、よくも悪くも手元に留めておくことはできないのだろうなと思うのです。 そんな風に形にして留めてはおけないからこそ、流れていくなかにおいてもなお、心に残るものたちと少しでも多く触れ、大事にして暮らしていきたい。 古井さんの素描画を見るにつれ、「一瞬」という目には見えない時間の流れを可視化してくれているように思い、あなたはなにを信じたいの?という問いが立ち上がってくるように感じます。 うまく答えられる日もあれば、ない日もあって、それらすべてが愛おしい瞬間だと思えるような。 描くことは、その名を消していくこと ある花を描くことで、その花の固有名詞を消していく この世の形をうつすこと それはつくるというより とどめること そしてとどめることには 一抹の哀しみがある 素描画誌「色のない花」より 著者 古井フラ 発行所 七月堂 発行日 2025年1月22日 A5判 28ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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赤い河を 渡る / 関中子【七月堂・新本】
¥2,200
絶望を飛べ 『赤い河を 渡る』は前章「赤い河」と繋ぎの2編、後章「都市の水」からなる。 「赤い河」とはまさに体をめぐるエネルギーの象徴である。 「決心は続くか 窓を開けて明日を見る」その熱が駆け巡る。 「都市の水」とは関中子を取り巻く世界の潮流である。 「ものを考えるのは水の中の唇と一緒にいるようなものだ」と。 そしてその時は戻ってくることは無いと言う。 時の流れな中で言葉は紡がれてゆく。 【作品紹介】 飾る記念樹 夜との関係を変える 初めて見る 初めて知る 初めて体験する 伐採木 移植樹 表土が顕われ風に舞い 休息は人が自在に仕切る空間にある ここに駅前広場 新しい住みか 五本の若い樹 剪定樹 高鳴る振動 震える腕を伸ばす 現れた若い胸 いきなり花を押し出す 葉を帽子のように頂き 何をやり残したのか 何を省略したのか 古く太い見事な幹そして華麗な色と香り 将来を贈る だれに 山中の切通しを渡る橋を見に行って十年余を越え 君はどうしている 都市は走りだす 赤い灯を吐いて 未来 嵐を先物爆買いする 五月のある午後 昨日と別れる 記念写真をとる 笑い 涙 記憶を埋葬する指先 きらきら旧の住みかの入り口に立って陽炎揺れる 早き淵の川 渡り初めの橋に知り人の文字 答えられるか 君は 答えを準備できていただろうか 黄蝶 都市の触角 何本が定型かな いち早く連なって交叉路の信号へ さて 家々に紙面を回覧する 古いと言われる人手で 離れ若葉 雨の後で 人が森を梳いた 雨粒が森をぱらぱらこした 陽のわだちがガラス橋を屈折し 離れ若葉は建設途中を通る 為すべきことに行きつかない水に問いを添えると 雨は止む 葉脈は受けて浮き名立つ 仕上げの風は離れる葉を空高く掬い 思いのつづりを起こし 昨日の空白を縮める 陽に狩られる獲物よ ひかりに報われるようなことをしたか 報いを受けると不安がるよりも 報われるようなことをしたか うつりぎなとりわけうつりぎなきょうのわたし 街路に飛び立つ ついておいで ついてこられるよ 遅すぎるくらいだ 離れ若葉は建設途中を通る どこに芽生えよう 不安など 陽のささめきに心地良く雨が葉から落ちる 傷は癒えるさ 太陽がうわの空で通過する 間には空があるから太陽の疲れは取れるよ 雨は洗ったがその後を ついていけない 早くて 優しすぎるの 著者 関中子 発行所 七月堂 発行日 2025年1月20日 四六判 104ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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サイボーグ の夜 / 井上英明【七月堂・新本】
¥3,300
此処へ来い 早く 今日からあなたと共にいる 日常や福祉や戦争を直接の題材にしていても 技巧の意匠をことさらにまとうことなく 屈託も衒いもない打算もない本詩集の素朴な佇まいこそ 物事の核心を遠巻きにしている傍観者を無心に打つことになる それは詩人の奥深くに澄んだ怒りの一滴を蓄えているからであろう 柴崎 聰 「あゆむ」の哲学 「あゆむ」の体育祭があって 妻のスマホに彼の百メー トル競走の映像が送られて来た 四人でスタートライン に立ち 合図とともに一斉に走り出す 疾走する子ども たちから遅れて 腕でバランスを取りながら歩くよりは 急いで と言った方が的確かも知れない だが彼は走っ ているのだ 三人がゴールした後も必死で走る 長男の嫁さんの が んばれ の声がスマホから聞える 観衆のざわめきと拍 手が聞えてくる 彼にとって 勝つ ことではなく 今 は彼なりに一生懸命走り切ること ようやく彼のために用意されたゴールテープをきる 上 級生から着番が書かれた紙きれを渡され それを誇らし げに掲げてクラスメートの所に行き たくさんのハイタ ッチをしている もう分っているはずだ 自分とクラスメートの違い 結 果が分かり切った競走だから 不参加という選択肢もあ ったはずだ だが彼はそれに挑むというより参加した 彼にとって着番が書かれた紙切れの数字に意味はない 紙切れはそこに居て ともに 楽しんだという証し そ れが「あゆむ」の哲学なのだ 帰宅した彼は 見たよがんばったね という妻の言葉に 少し照れる 照れることを知っている十歳の男なのだ それにしても 「あゆむ」の哲学 が理解できれば 世 の中はもう少し住みやすくなるのだが ベトザタ異聞 世話になり信頼している者を その能力を妬んで裏切り 陥れようとする誘惑は私の中にあり 裏切りを正当化で きないがために 孤独となり赦しの場を求めるのだ エルサレムにベトザタという池があり その水が動くと き いち早くその水に入った者の病が治るという言い伝 えがあった 三十八年そこに横たわる男は 良くなりた いかと問われて 良くなりたい とは答えず 主よ誰も 私を助ける者がいないのです と言った 男は知っていた 病が良くなるということはこれまでの 暮らしを改めること だが三十八年そこに居たのは 男 が 惑わすものへの未練を断ち切れないということ 良 くなりたいという希望を持ちながらも 復帰したコミュ ニティーで良い状態を持続する自信がなかったのだ あなたの罪は許された とは告げられず 起き上がり床 を担いで歩けとだけ言われその通りにしたが 感謝の言 葉はなかった その後神殿で出会ったとき 良くなった のだからもう罪を犯かすな と諭されイエスだと確信 安息日に俺を癒し律法を犯したのはあの人だと密告した それから暫くしてユダが 主よ と呼び神と信じながら も裏切ったことで 磔刑により刑死したことを知る ユ ダはそのとき何と思ったか 心の片隅で 主は追っ手を すり抜けることなく捕縛されたことを 男は思う ユダは裏切りで銀貨三十枚を得たが 俺の得 たものは何か ベトザタに戻らなければならないほどの 病になったわけではない 人の罪を背負い死んだのだか ら 俺の裏切りの罪は赦されたか エルサレムの 新た にできたコミュニティーを羨望し その回りを徘徊しな がら密告の虚しさを感じることが 唯一の救いなのだ (参考 ヨハネによる福音書 五章) 著者 井上英明 発行所 七月堂 発行日 2024年12月20日 A5判 112ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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Kaewの香り / 志田道子【七月堂・新本】
¥2,200
それにしてもボクらの時代 わたしという存在が受け止めているこの「時」この「場」を、言葉という最も基本的な表現方法で、記録しているつもりでした。非常に短いかたちでの物語を、言葉そのもので直接届けられる情というよりも、映像に翻訳され、語らせるようなものを求めてきました。たとえ、それが「詩」ではなく、「描写」に過ぎなかったとしても。なるべく世代を超えてひとの心に届きやすい表現、そして外国語にも移しやすい表現、短く完結する映像・画像を介したようなものを求めて。 (あとがきより) 【作品紹介】 それにしてもボクらの時代 下りエスカレーターは遅くも速くもない ゴトン ゴトンと大きな歯車を回す 人の意思とは関わりなく動く下り階段の 無数につながれた踏板の上で キミは何を見ているのだろう パーキンソン病が進行する前にと 早々とプラスチックに入れ替えた水晶体で きっとキミは何も見ていないに違いない それにしてもボクらの時代 戦の場を戦争から経済競争に乗り換えた この地に禄を喰んでいて ボクたちは肌に血を流すことこそなかったが お互いに比較され二十四時間寝食忘れて励めと鼓舞されて 心には満杯の傷を貯え続けた ボクらは縦の評価の中に放り出された 成績も、職業も、幸も不幸も、 ボクらの心には序列がすぐ育つ 配列を探るために周りの顔色をうかがい お互いの位置を確かめて 取るべき姿勢を決めたりする 功名心がおもむろに鎌首をもたげてくる 優秀な兄や姉たちに囲まれて育ったキミは 親の関心を兄姉に奪われ いつも親の視線に飢えていた いつも人の承認を求めて息を殺していた キミの心はいつも大声で泣き叫んでいた やがて 賞賛を期待して大いなる犠牲にまで手を染めた キミは エスカレーターの上からキョロッと 「世間」を見下ろして 誰にも見られていなかったことに はじめて気がついたのかも知れない まったく 戦士には男も女もなかったのだし 著者 志田道子 発行所 七月堂 発行日 2024年12月25日 四六判 108ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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星のゆらぎに火を焚べて / 星野灯【七月堂・新本】
¥2,050
星野灯 詩集 詩の中の「私」が、書いている「私」より少し先を歩いている。 未知な自分を詩のなかの「私」が生きようとする時、言葉の星はゆらぎ、詩は透明な比喩の秘密を語りはじめる。 ――時里二郎 星野灯さんはこれまで私家版の詩集を発行するほか、展示会や朗読会などを開催し活躍されてきた詩人です。 これまで発表されてきた作品を中心に、書き下ろしをふくめた詩集を発行することとなりました。 等身大の自分で生きて、言葉を紡いでいくということ。 だからこそ光るものがあるということをそっと教えてくれるような詩集です。 【作品紹介】 手に 宇宙の端っこにいる 海に浮かんでいて 何も掴めないまま ただ一人、夜を揺蕩う シーツの抱擁の中、頬は濡れ 言葉をまた費やす、延命のため 粗大な心なら少しの悩みも 篩にかけず流せたのでしょうか 時は泡沫、 星を美しいと賛美する者が なぜ死なねばならないのか 未だわからないままでいる 命であるということ そこに在って ここに亡い ただそれだけのことに 深い傷を手にして そのほかの何もかもを 持てないままでいる 【著者プロフィール】 星野灯(ほしの・ともる) 2001年10月生まれ、兵庫県出身 2021年神戸新聞文芸年間大賞受賞 詩の個展「街に詩があればいいのに。」(2023年) 「ポエトリーゴーランド」(2024年) 詩の朗読会「冬眠し損なった私たち」(2024年) 著者 星野灯 装画・挿絵 星野灯 帯文 時里二郎 組版・装幀 川島雄太郎 発行所 七月堂 発行 11月29日 発売 12月2日頃 四六版・並製・カバー帯付 152ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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一本足の少女 / 村岡由梨【七月堂・新本】
¥2,750
それゆけ、ポエム。/それゆけ、ポエム。(鈴木志郎康) 仕事が終わって空を見たら星が光っていた。 自分の現在位置がわからない。 いつもそうだ。 けれど今日の私は、いま自分が帰るべき場所がどこなのかをはっきりと自覚している。 それがどれだけ幸せなことなのかも。 あちこちから夕飯の支度をする音が聴こえる。 一日の終わり。 ――2023年2月26日 X(旧Twitter) 村岡由梨 【作品紹介】 少女達のエスケーピング ある夏の日、娘の眠は、 いつも通り学校へ行くために 新宿行きの電車に乗ろうとして、やめた。 そして何を思ったのか、 新宿とは反対方向の車両に、ひらり と飛び乗って、多摩川まで行ったと言う。 私は、黒くて長い髪をなびかせて 多摩川沿いを歩く眠の姿を思い浮かべた。 そして、彼女が歩く度に立ち上る草いきれを想像して、 額が汗ばむのを感じた。 それから暫くして、今度は次女の花が、 塾へ行かずに、ひらりと電車に飛び乗って、 家から遠く離れた寒川神社へ行ったと言う。 夕暮れ時の寂れた駅前の歩道橋と、 自転車置き場と、 ひまわりが真っ直ぐに咲く光景を、 スマホで撮って、送ってくれた。 五時を知らせるチグハグな金属音が 誰もいない広場で鳴り響いていた。 矩形に切り取られた、花の孤独だ。 日常から、軽やかに逸脱する。 きれいだから孤独を撮り、 書きとめたい言葉があるから詩を書く。 そんな風に少女時代を生きられたのだったら、 どんなに気持ちが清々しただろう。 けれど私は、歳を取り過ぎた。 汗ばんだ額の生え際に 白髪が目立つようになってきた。 夏の終わり、家族で花火をした。 最後の線香花火が燃え尽きるのを見て、 眠がまだ幼かった頃、 パチパチと燃えている線香花火の先っぽを 手掴みしたことを思い出した。 「あまりにも火がきれいだったから、触りたくなったのかな?」 と野々歩さんが言った。 きれいだから、火を掴む。 けれど、今の私たちは、 火が熱いことを知っている。 触るのをためらい、 火傷をしない代わりに、私たちは 美しいものを手掴みする自由を失ったのか。 いや、違う。 私はこの夏、 少女達の眼の奥の奥の方に、 決して消えることのない 美しい炎が燃えているのを見た。 誰からの許可も求めない。 自分たちの意志で 日常のグチャグチャから ひらりとエスケープする。 そんな風に生きられたら そんな風に生きられたのなら、 たとえ少女時代をとうに生き過ぎたとしても 私は。 著者 村岡由梨 発行所 七月堂 発行日 2024年11月25日 四六判 184ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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プリンは置いといて / 竹井紫乙 【七月堂・新本】
¥1,650
私の仕事は花びらです//朝から晩まで花びらです 詩集『プリンは置いといて』を読むことによって、われわれは「首か ら上を空にして美しいを入れ込む」(「ワンピースの空」)ことができる ようになる。われわれは「八百二十年ものの雨」(「建仁寺の雨」)に降 られることができるようになる。 詩を読むことはなんと楽しいことだろう。そしてこれは、なんと稀有 な才能によって生みだされた、なんと香ばしく甘い詩集だろう。 松下育男 【作品紹介】 アイロンとアマゾン 小林さんに迷いは無い ならぬものはならぬと言い切って 速やかに気に入らぬ場所から立ち去る人だ たくさんのマスクをくれた お礼にトイレットペーパーを贈った 役に立っただろうか 小林さんはとってもいいひとなのに いつも小さなブラックホールを持ち歩いているから ともだちになることを躊躇してしまう それでも小林さんがくれたお菓子を遠慮なく平らげた 迷いのない味だった 小林さんには迷いが無いから 次の仕事が決まらぬうちに会社をやめてしまった 小林さんはアイロンを持っていない アイロンがけはしない主義だ 迷いがないから服の皺にも迷いがなくて とてもしわくちゃ 水分を含んだポロシャツにアイロンをかける時 じゅっと音がして湯気が立ち昇る 湯気の中から小林さんが現れて まだ仕事を探している途中なのだと言う 早く間をあけずに働かなくちゃと話していたのに まだまだまだまだ仕事を探している アイロンをじゅっと押し当てる度に 小林さんは湯気の中に分け入ってゆく アマゾンの森の奥へ奥へと仕事を探しに 文字を持たない部族の中へ 迷いを持たない集落の中へ 耳を塞ぎながら 目を覆いながら 森の奥へと 仕事を探しに 私にできることはアイロンをかけてあげることだけ じゅっ。 鳥 鳥が祖母をくわえて連れ去ってしまったので それきり祖母に会うことができない 時々庭にやって来る鳥の脚をひっつかんでみると するする鳥の体がほつれだし どんどんほどけてゆく 鳥は ただの 長い糸 その束の中に 祖母のかけらは 見つからなかった 著者 竹井紫乙 発行所 七月堂 発行日 2024年11月21日 四六判 82ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ふたば / 道山れいん【七月堂・新本】
¥1,980
道山れいん詩集 ”今やらないと… 時だけがすぎていってしまうんです” そう言われて参加を決めたアートプロジェクト。そして行った町は … だれかのふるさと、 かえれないふるさと、 かえろうとするふるさと。 これはみんなにとっての「ふるさと」の話。 ─── 道山れいん あるとき、道山れいんさんにとある依頼が舞い込みました。それは、福島県双葉町への関心を集めるための「メッセンジャーインレジデンス」に参加してほしいというものでした。 双葉町の未来を切り拓くをテーマに活動しているヒラクフタバによって企画されたもので、アーティストや写真家、編集者など、さまざまな立場にある人たちが実際に双葉町に3日間滞在をして、そこで感じ取ったものを作品などにして残し伝えていくという企画です。 道山さんはそれまでほとんど双葉町のことを知らず、ある意味部外者ともいえる自分が立ち入ってもよいものかと逡巡しました。それでも、と悩んでいた時にかけられた言葉で双葉町への訪問を決意します。 それが冒頭にある道山さんのことばです。 このたび刊行する詩集『ふたば』は、そのような過程で、道山さんが東京から車を走らせ辿り着いた双葉町へ何日か滞在し、そこで出会った人や風景と接してうまれた詩集です。 忘れてはイケナイ、そう紡がれる言葉は沢山見てきたけれど、ここにある言葉は軽やかにけれどずっしりと確かな重さを持って腑に落ちてくる。 思い出す、ふるさとの事。 思い出す、自分ではない人の事。 ――帯文:吉岡里帆(俳優) 【作品紹介】 へんなはなし だれもしらないなんて へんなはなしだ だれもくちにしないなんて へんなはなしだ だれもおぼえてないなんて へんなはなしだし へんなのはじぶんなのかとおもってくる だけどへんなはなしだ それにしてもへんなはなしだ へんなはなしをつづけよう へんだとわかるひがくるまで くるとねがって へんなはなしをしつづけよう へんじゃなくなるそのひまで 【著者プロフィール】 道山れいん Michiyama Rain 東京大学文学部国文学科卒。詩人。 2019年 フィンランド・ラハティ詩祭映像詩部門で日本人初の優秀賞。 2022年 朗読詩の大会「Kotoba Slam Japan」全国優勝。 2023年 国際ポエトリースラム大会・パリPSW(20ヵ国)とリオWPSC(40ヵ国)に日本代表として出場、リオデジャネイロでは日本人初の準決勝進出。 2024 年 台北市での国際ポエトリースラム準優勝。 詩集「水あそび」「水の記憶」「しあわせでいいじゃない」 Instagram @michiyamarain X @michiyama 著者 道山れいん 帯文 吉岡里帆 装幀・組版 川島雄太郎 発行所 七月堂 発行日 11月30日 発売 12月1日(文学フリマ東京39にて初売り) 117mm×188mm・並製・小口折り・帯付 216ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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そは、ははそはの / 薦田愛【七月堂・新本】
¥2,970
薦田愛詩集 第36回富田砕花賞受賞! ある朝、ウサギの目をして母は 親が老いることを若い時は想像もしない。 その時を感じた親子は旅に出る。 珍道中とも鬱道中とも言える時を共有する。 あらゆる状況を未来へ向ける薦田愛の詩力に乾杯を。 【作品紹介】 ふとん、あの家の 予讃線上り列車の進行方向左手は海 海に向かっている 波のかたちはみえないけれど 台風がちなこの季節にも雨は多くない あかるい空に覗きこまれ 今治から川之江へ 父のねむる一族の墓所へゆく 普通列車の一時間はアナウンスも控えめだから うとうとしていたら乗り過ごしてしまいそう どうしよううたた寝には自信がある 乗り越して戻っていたら日が傾く JR四国はそんな時刻表 バブルなんて時代の少し前 たぶん 母を残してひとり川之江へ 夏休みだったろうか 父と三人暮らした社宅を引き払った後だったか 電話すると母の口がおもい どうしたの はじめてパパが夢に出てきてくれたのだけど 出てきてくれたのよかったじゃない それがね うん 日曜の夕方かな野球か何かテレビをみてて ああそんなだったね 私は台所にいるんだけど呼ばれて振り向いたら うん台所でね 振り向いたらパパの顔はみえるんだけど 身体の下のほうから薄くなって みえなくなっていくのよ え、なに? だからねいやだっ消えちゃ! って 自分の声で目が覚めちゃった そう そうだったのきっと きっとパパは夢に出てきたのに 私が四国に来ているとわかって あわててこっちへ来ようとしたのかもしれない 身体はひとつなのに気持ちが ふたつに裂かれて うーんそうねぇあんたがそっちにいるからねぇ 恋愛結婚だった仲のいい夫婦だった 二年で三度の入院手術ははじめてのことだった バスと電車を乗り継ぎ雨の日も雪の日も付き添った 春の明け方さいごのいきにいきをのみ なみだはこぼれないまま しずみきったふちからペンを手に 図書館に通いつめ医師に話をきき ふたりで歩いた町を訪ねなおし二年後 闘病記をまとめた克明に淡々と あとがきに記した生まれ変わってもと うまれかわってもわたしはと しまなみ海道を渡りきった今治では 父方の伯父伯母、いとこが迎えてくれた 画歴約二十年のいとこ・登志夫兄ちゃんが 私設ギャラリーで食事を出してくれるというので あまえた あまえついでに思いついてメールを (母は生の魚介と肉が食べられないのです) やさしい先生だったいとこから (野菜中心で考えてみますね) と返信があったので安心していたけれど 虫の鳴きしきる草むらの扉の奥やわらかな灯しのもと 椎茸と生クリームのスープに喜んでいたら ピザの隅っこにはソーセージ仕方ないよね 急なお願いだったもの 丁寧に淹れてくれたコーヒーに デザートのケーキまでお手製 おまけにギャラリーを埋め尽くす大小の木版画 声をあげるとよかったらお好きなのをと 今治や内子と愛媛ばかりか飛驒に京都 なかに尾道を見つけた母 行ったばかりだからすぐにわかった ぜひ譲ってと頼みこみ包んでもらって うふっと肩先がゆるんだ 小さな作品だからうちにも飾れるね 私はこの桜咲く蔵の一枚がいいな どこの酒蔵だろう 額入り二枚を抱えて宿へ 明日はしまなみ海道のみえる公園へと誘ってくれるのを タオル博物館とねだる みどり深い山せまる博物館は 父の元気なころにはなかったはず 母と二人あまえたみたいに たぶんもっと ねえさん、兄貴とあまえていたらしい末っ子の父 その父の退場が早すぎたぶん弟の家族を 気づかい続けてくれる伯父と伯母 父の齢をとっくに超えた子としては もうだいじょうぶですってばとつぶやく思いと 健在ならこんな年ごろ、と仰ぐ思いがないまぜの 糸になる ああタオルの糸ってきれいだ 父のねむるお墓は一家のものだから あとでうつせないけどいいねと念をおされた 封を取り除いて骨壺からあける 父を見舞った祖母もそこへ加わった 長兄の伯父も 骨となって それはどんなねむりなのだろう ひとりひとりのねむりはまじりあわないのだろうか あの家、川口の 父と母が六畳間となりの四畳半に私 ふすまを隔てて勉強机と本棚 押し入れにふとんと押し入れ簞笥 だったろうか 勉強机の前でうとうとと居眠り ちゃんと寝なさいとたしなめられて敷くふとん 寝返りを打つ間もなく寝入る子ども 手のかからない子どもだったと 母 そのねむりのうっすら浅くなる 深夜 終電で帰った父と話し込む母の時間の果てにふたり ふすまをあける こたつぶとんを手にして 銘仙のだったろうか着物をつぶした布でつつんだ おもくおおきないちまい 赤外線の熱をためたいちまいをふたりふわっと いえずしっと ねむる私のかけぶとんのうえに なだれこむ蛍光灯のまぶしさがまぶたをとおす ねむいねむりのふかみからよびおこされる けれどめざめてはならないきがして ねむい子どもは ときにねがえりをうちながらまぶしさをのがれ ずしっとあたたかいふとんをまちながら ふたつめのねむりへしずみこんでいったのだったろう ふとん、あの家の こたつぶとん、あの家の 著者 薦田愛 発行所 七月堂 発行日 2024年11月11日 A5判変形 224ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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一千暦の帰り道 / 高嶋樹壱(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥1,870
果てしのない〝時間〟を越えようと願い描かれた〝歩行/飛行〟 著者渾身の第一詩集 友達、そんなものではない 恋人、それも違う ノオト おまえの村に昔からあった名で呼ぶ ひとりひとりのはずなのに 背中をいつからか重ね合っていたい、誰か たとえば天地や昼夜のように 理由もなく越えようとして 理由もなく時に長居をゆるしてしまう おまえに懐かれるのには 十分な時間だったようだけど でもおとなしくしておいで、ノオト もう一度だけ嵐を抜ける その途中で僕たち 一緒にぶっ壊れたって構わないと信じている 「旅の子ノオト」より抜粋 著者 高嶋樹壱 カバーイラスト ねもとなおこ 発行所 七月堂 発行日 2024年11月25日 A5判 84ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ソノヒトカヘラズ / 南椌椌【七月堂書籍・新本】
¥2,970
帰らなかった その人が 帰るという こみあげてくる時の流れを言葉で拭いながら 馴染の調べと共にテラコッタは生れていく 【作品紹介】 アンモナイトの見た夢 そしてまた 千日が過ぎて アンモナイトの見た夢 どこかで誰かがつぶやいた 大仰だな 数億年の古層に 降りそそいだ夢のことなんて 土と火と灰の渦まくダンス! 炎上の釜はもうひとつの燃える天体 帰ってこなかったソノヒトの 一挙手一頭足がくりかえし オーロラダンスを踊っている 思い出さないわけにはいかない アンモナイトの反時計回りの螺旋 * 鼻の形が美しい反ダダの詩人と 鼻のつぶれた老ボクサーが 地中海の夏のジュラの幻影のなか 浮遊する玉虫色の 巨大巻貝に嚥みこまれ 永遠をありがとう 黄昏をありがとう 殴り合い 絡み合い 睦み合い そして いつか来る さようなら 白い絹の言葉を吐き続けていた * 日帰り小舟が停まるデロス島の船着場 粗末な小屋に泊めてもらった翌朝 黒光りする石窯で パンを焼く 草臥れた影絵のような老夫婦 哀歌だったのか 笑話だったのか 歌うように 絶えず呟いている 八月の太陽は容赦ないが 五頭の獅子たちは身じろぎもしない アポロンが生まれたというこの島で ピレウスから帰還した次男は 腰巻きひとつ半裸の含蓄の男 挨拶は 目くばせひとつだった コツコツと岩を削り 太陽が傾いて沈むまで 残酷に素朴なアポロン像を ささやかな ドラクマに替える 著者 南椌椌 発行所 七月堂 発行日 2024年11月5日 173mm×210mm 210ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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源流のある町 / 草間小鳥子(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥1,870
これは夕凪 あれは反射光 草間小鳥子 堂々の第二詩集。第31回萩原朔太郎賞最終候補。 「町」をテーマとした18篇を収録。 「おもかげの育て方を間違えていますよ」 執着しているからです つづら折りになった地獄が 両目に釘を刺しにくる 「適切な距離を保って」 段取りを踏めばすんなりと 形式的な不在となる 問われた罪 問われなかった罪 これで手打ちだ、と本を閉じ つじつま合わせの長い夜を越えた 去ってゆくものへの ひろびろとしたやさしさ やさしさに似た諦めが ぎりぎりの肺を満たしている 結論は出せない 出せるものでもない 仮住まいのつもりで 浮ついた季節をかぞえながら 遠い波形に目を細め (ずいぶんと高い空だ) いま ほんとうに崩れてゆく瞬間の 最後の透過へ浸水する 白い手袋で敬礼するドアマン 陽気な口笛と避難誘導 (また 電話します) むき出しの鉄骨にきらめく埃 その隙間からさす光 まっさらな 雨上がりの引力にしたがい 大きく弓を引いたまま わかりやすいものを疑いながら生きた (すべてを愛せなくたって) いま 明けかけた空へ旗が振り下ろされ ひとりきり滑空の合図だ はじまりの時そうであったように なにもないところから ただ なにもないところへ 荒れる湖を飲みこんで まっさおな胸 忘却曲線のかなたに白い帆のはためき たったひとりできみは 軽やかな骨になれ 【著者プロフィール】 草間 小鳥子(くさま・ことりこ) 第14 回北日本児童文学賞最優秀賞。 第27 回詩と思想新人賞受賞。(2018) 2019 年、資生堂の季刊誌『花椿』の付録として、小詩集『ビオトープ』を発表。 詩集『あの日、水の森で』(2020、土曜美術社出版販売)第71 回H 氏賞候補 ※2022年11月5日の東京新聞夕刊の詩の月評にて、日和聡子さんによる書評が掲載されました。 著者 草間小鳥子 発行所 七月堂 発行日 2022年10月8日 四六判 並製 130ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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サイ【新本】
¥1,870
本多明第2詩集 自らの生きる世界と詩人との対話の記憶 【作品紹介】 馬 いま むこうのほうで光ったでしょ あれは馬のひかりだよ ほら ごらんよ 大きな生きもののこころが 目に力をためているよ こんな夜ふけに ふと遠くを見ていると たまに見えることがあるんだよ ことばを知らない 大きな生きものから あんなふうに あふれてくることがあるんだよ 著者 本多明 発行所 七月堂 発行日 2024年10月19日 A5判 136ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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透明ディライト/ 一方井亜稀(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥1,870
前作『青色とホープ』より5年ぶりとなる新詩集。 窓越しにゆらめく景色に浮かんでみえる人や物の影。 そこにいるのはもう一人の自分なのかもしれない。 もう会えない人のことをゆっくりと思い出すひと時。 ふと立ち止まってみる。 【帯文より】 たったひとつの断片が強烈な印象をもたらす時、それは記憶ではなく、たったいま夢から覚めたような、世界の裂け目が現れる。 著者 一方井亜稀 発行 七月堂 発行日 2024年10月4日 四六判 110ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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旅の心を取り戻す / 柊有花(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥2,090
柊有花 詩画集 このたび柊有花さんによる、「絵」と「言葉」の本を刊行いたします 明け渡してしまった 自分の心を取り戻すには 目的のない旅が必要だ 【作品紹介】 「呼吸」 人が去ったあとの海は 清らかに 打ち上げられた星は 浜一面にまたたく しなやかに編まれた 太陽の光は 海の底を明るく 照らしている 水面はやわらかに逆立ち 一枚の葉を 浜へ運んでゆく 一艘の白い舟が 岸を目指し進み かもめは追いかけ飛んでゆく 白い半月のかなた 昼の まぼろしのように浮かび ひとり 夜を待っているのか 濃い青と ブルーグリーンのあいだ 海は 海はたえまなく 呼吸している 【著者からのメッセージ】 絵と言葉の本を作りたいとずっと思っていました。わたしにとって絵は仕事でもあり、ライフワークでもあります。けれど言葉もまた欠かすことのできない大切なものです。絵と言葉は分かちがたくつねに影響しあっていて、それを自分らしい形で統合していきたいといつも考えてきました。けれど絵本や詩集など、自分の思うものを収めるにはすこし形が違うように思えて、自分が作りたいものはなんなのかさえわかりませんでした。作りたいと思うものを形にできないことは、わたしにとってとてもつらいことです。そのことが恥ずかしく、自分に対して怒りと悲しみを感じていました。 コロナ禍の内省の時間を経て、わたしがものを作ることへの意識はずいぶん変わったように思います。そのなかで2020年に作った画文集『花と言葉』に背中を押され、もっと遠くへ旅に出たいと思うようになっています。けれど同時に不安があります。家にいることに慣れてしまった自分はそんな旅へ出られるのかしら、と思うのです。 今回刊行する本が、そんな自分のなかの葛藤を打破するようなものになっているかはわかりません。けれど、自分の現在地をあらわしたものであることはまちがいないと確信しています。旅の途上の、悩み、怒り、悲しみ、進みたいと願う、未完成で等身大の自分です。 旅は楽しく面倒なもの。わたしたちにはかけがえのない日常があり、コントロールできない環境があり、いつでも旅に出られるわけではありません。けれど旅と日常のあわいに立って自分の心を眺める時間、それもまたひとつの旅なのだと思います。わたしが誰かの本を通じて自分の心をたしかめているように、この本も誰かにとってのちいさな旅への扉となることがあったら。そんな願いをこめながら、力を貸してくださるみなさまとこの本を届けられたらと思っています。 著者・装画・挿絵 柊有花 発行所 七月堂 発行日 2024年10月5日 138×148mm 88ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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榎本櫻湖 遺稿詩集『Hanakoganei Counterpoint』【七月堂・新本】
¥3,520
【内容紹介】 2014年~20年前後の間に書かれ、生前に構想された未刊のテクスト群。永遠に読み終わらない書物の夢。 【目次】 道へ/沸騰した水がお湯と呼ばれるまでにかかった時間/冬の旅/群島S./環礁、あるいは《星月夜》/Poème Symphonique for 100 fragments Un texte en hommage à LIGETI GYÖRGY/metamusik/( Tehi)llim/Chaconne pour violoncelle seul/Credo in US、または〈道化師の勝利〉/ビニール傘と地下鉄のいない手紙/(郵便的)、それ以外の犬たち/Sept Papillons/Hanakoganei Counterpoint、もしくは〈群(ancien-ambiant)島〉成仏 remix A version/豚小屋はブリザードに見舞われて ―〈群(ancien-ambiant)島〉成仏 remix B version ―/Bagatelles/Le Tombeau de Tombaugh - Autogynephilia Edit/十字架の蔭から鹿を覗いている男/絹と石、その他の単調な材質のもののための(ton)kraftwerk/コンセルヴァトワールの叔父/Helvetica Activity、(浜辺で、あの頃のわたしたちはいつも溺れていた)/Botanical Music Lesson/睡蓮の覚醒、または〈الكتاب〉へのつめたい憧れとméditation 著者 榎本櫻湖 発行所 七月堂 発行日 2024年9月16日 A5判 240ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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言祝ぐ / 中村梨々【七月堂・新本】
¥1,760
中村梨々詩集 イノチへの賛歌 機知に富む短詩の名手である。冒頭の詩「雨上がり」からして、なんだか可笑しい。「玄関あいとる」と奥にいる家人に声をかけたところ、「血管浮いとる」と聞こえたなんて。そして、それを詩のモチーフにしてしまうなんて。(井坂洋子栞より) 【作品紹介】 冠水 穏やかな晴れの日、ビデオでバイクが走るのを見ている 『木陰に光るとかげの口元は迷わない』 それが合図 黒い影がわさわさと遡上 子どもたちはジェラートになって いつの時も空から降りてくる 雨は友達だね 穀物の声が歌う 風鈴を持って、誰か来たのと母が出てくる 時間をかけて見つめ合ったような埃が鏡台に積もり 格子柄のカーテンが揺れている 窓枠の隅にとかげの足が細く七色になびいた どこへ行くの 百日紅 むきだしの幹に 昼の月が掛かる 見てるだけじゃぁ いつの間にか届かなくなってしまう 口に含んだままの意味 記憶の木陰で涼やかな通り道になる きしむ樹皮 ないものがくるぶしにあたってよろける 出したほうは逃げる 後ろは遠い山々に囲まれ青く澄んで こんこんと水がおぼれてゆく 来ないから行ってみる 背中から清流をひたひた流しながら出ていく こぶた記 それは最初耳に聞こえず カーテンがかすれて吠えた 黒くてぶ厚い布の裏側は 大量の深紅に大人が埋まっていた 小声を飛ばそうとして高く投げると 布がべろになってくり返し迫ってきた それどころじゃない 目と目がちょっとちくちくする ちいさなこぶたはそのたびに身をかわした 一番上の兄さんのわらでできた家 二番目の兄さんの木の家も おおかみに吹き 飛ばされてしまった ふたりはぼくの家に来て 木杓子でおっきな鍋を混ぜてい る 畑でできたじゃがいもと人参と葉っぱのスープ 湯気のなかで怖さはふやけ るどころか どんどん煮詰まってくる感じ おおかみのひと吹きにいつこのレン ガの家も吹き飛んでしまうかと心配して さっきから何もしゃべらないことに なっている 大丈夫だよ この家は時間をかけて積んだレンガだからね おおか みの息なんかにびくともしない 練習一回目で壊れた段ボールの煙突は張り直さ れていた それにしても おおかみのふぅふぅが止まらない 二回くらいでびくともしない とあきらめて、煙突へと向かうはずなのに 窓からのぞくとおおかみは 見られていると気づきもしないで 腰を手に 上半 身を上向けにしたあと 一気に前に倒れ込んだ 何度も何度も何度も、だ ぼくが思っていたより必死に おおかみは息を吹き出していた 弓のようにからだを反らすとしっぽが風になってなびいた そのきれいなしっぽを見ているうちに、だんだん腹が立ってきた 扉をあけ 肩で息をしているおおかみへと前進 じぶんの丸い肩をできるだけ広げて立ちはだかった おおかみは一瞬きょとんとしたが、気を取り直して息を吸う まだやる気だ ぼくはおおかみに飛び掛かった 兄さんたちが驚きと恐怖であえぐ 母さんの「やめんちゃい」が紅のべろを動かす 著者 中村梨々 発行所 七月堂 発行日 2024年7月24日 四六判 104ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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乳既 / インカレポエトリ叢書28【新本】
¥990
寺道亮信詩集 ペニスタワーにひとひらのかげ 間伐 ※かつて森にて メトロノーム、ひとさじ 言葉は現実を変革するためのもので しかない、という臆見、がのさばる 現実 を確変するためのものでしかないっ たらない言葉が、 昼と夜を空費させる 開かれを秘匿させる 孤独、にして ことごとく 祖国、にして そっこくに 散歩と呼ぶには生温い 当社比の森林浴で川のセレナーデを 無視しよう 自由意志死すとも尿意は 死せず しがない、という臆見、がのさばる 歯間ブラシを いとも丁寧に磨く これからの これまでの 街の突撃 星のくすめき 犬の断食……。 擲ってもしゃぶりつけない骨々があるだけであろうと なかろうと 孤独、にして ことごとく 露骨、にして おそまつに 幼時、ほくろをけんめいに剝がそうとした 偶然性は必然性を 必然性は 剥がそうとした 人口のまばらな集落で 私はひとり、三千人になる カーキ色の教科書は口唇時代から始まったきり 冀う 孤独、にして ことごとく 旦那、にして たんねんに メトロノーム、ひとさじ 矯正施設でつくられた いろとりどりのクッキー缶 木々はさっぱり間伐された ひとり でに なかったことは なかったことにさえならない 渡る世間は鬼ですか らに 孤独、にして ことごとく いい加減、にして 「砲弾!」「」「砲弾!」 メトロノーム、ひとさじ 木々はさっぱり間伐された ひとりで に なかった こと は な かっ たこと に (冴え) ならない メトロノーム、ひとさじ 孤独、にして ことごとく いい湯加減、にして 「あほんだら!」 「」「あほんだら!」 著者 寺道亮信 発行所 七月堂 発行日 2024年8月31日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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浅き眠りは地上に満ちて / 吉川彩子【七月堂・新本】
¥2,200
吉川彩子詩集 第65回中日詩賞奨励賞受賞作! 世界に満ちるすべての音も光も/ 被子植物のようにしずかに実るのだろう 夜の縁をなぞって吹き抜けるやわらかな風に似て 繊細で静かな詩の言葉が 今ここにいる〈わたし〉の内深く埋もれているいくつもの時間に触れ ひそやかな別れの記憶にみずみずしい痛みの光を瞬かせる その先を ここから生きていけるように 川口晴美 【作品紹介】 朝 いつのまにか三人称で話している ここにはわたしとあなたしかいないのに 伏線を回収するたびに 言葉が行き違いつづけて まるで失望の落雷 別れは惜しまない 欺瞞として過去は眠っていて 確かに受け取りましたと すんなり送ってくれない 青みどり色のオーラみたいなこだまは橋の下をくぐって 凍りついた空気の中を響きながら どこか知らない土地へ しじまの中へと帰っていく ゆっくりと前を見る かんたんな結論より前を見るほうが難しい 悲しみにみせかけた暗がりに 強く風が吹く 満ちる前に欠けて ひとすじの光が飛ぶ あなたの背中が燃えている 抱いた背中がしっとりとあまりの重さにたじろぐ ほんとうに好きだったのはこの人だった もうだれもいない朝 ゴミを出しにいく つっかけたサンダルがパタパタと鳴って 空には名残りの月 世界に満ちるすべての音も光も 被子植物のようにしずかに実るのだろう 帰り道 いつも帰り道だった 測れない天気予報と空の距離 投函した欠席連絡ハガキも 図書館に返却した芥川賞の単行本も 改札でかざした残高不足のICカードも キャリーオーバーにつられて買ったロト6も 暗号のようにうつくしい カフェの不在のテーブルに飲み残しの紅茶 だれかと別れて振り返らない いつも帰り道だった 風邪でも花粉でもなく涙が出る 自転車はすぐにキックボードに追い越された まだ恋は改行していない 雪がちらつき始める 浅く眠る街並みはどこまでも点描画みたいだ 前髪を直そうと バッグから鏡を取り出し映ったもの 角度が変わればそこは崖 そこはぬかるみ 降りつもるような 夜の合図は 大気をしずかな眠りにつかせ だれかの傷や痛みを消そうとする わたしはまだあなたと出会っていない いつも帰り道だった 自販機からジュースを取り出して 放電してしまった空のゆくえ 粉々になった飛行機雲が舗道に落ちている 月は太陽とみせかけて翻弄する コンタクトレンズがずれて沁みた いつも帰り道だった ほこりをかぶったスノードームの中にだけ この冬らしい雪を降らせて 今夜は眠ろう 著者 吉川彩子 発行所 七月堂 発行日 2024年8月20日 A5判 96ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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月の領域 / くりはらすなを【七月堂・新本】
¥2,200
くりはらすなを詩集 外を覗くと/青白い地球が/すっと魂のように消えていった ほどいた後のやさしさの贈り物 【作品紹介】 鏡 ときには なぞときのような 〈黄金虫〉や 〈メルツェルの将棋差し〉 夢の中で君はよく笑っていたけれど ポーの使う ひとつひとつの算術の中には きっと空と空の間にあるという 鏡のようなものがあって (木原孝一が言っていた) (池田克己だったかな) それは死を前に引き返した者にしか見えないもので たぶん もうじき 私の前にもあらわれる 似たような風景 それはどこかで見た風景だ 浄瑠璃かしら ある時突然女の 亭主が現われ 女の顔を張り倒す 見ていた私はついその仲 間に入りたくなり 男の腕を後ろから押さえてしまう もち ろん男の力など どうすることもできないが たしかにそれ は 保育園の中庭でのことで私も女もこの先どうしたらいい のかわからない この時子供たちは一列に並んでこっちを見 ていたのだろうか 女はただ殴られるままになり ほおって おいてくれと言う もちろん女と他の男の関係を亭主が知っ たためだったがあとのことは覚えていない 似たようなことはたしか子供の時分にもあったはずだ 母が 妹を連れて逃げて行こうとしている 父は怒鳴りながら二人 の乗った車を抑えている それはやはりどこか芝居じみて その日 食事を済ませていたのかよく覚えていない 私は翌 日の学校の時間割をランドセルに詰め直す 母と一緒に行か なかった私に父はいつもより優しかったような気がした 著者 くりはらすなを 発行所 七月堂 発行日 2024年8月20日 A5判 84ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ふっとこわばる / インカレポエトリ叢書27【新本】
¥990
神田智衣詩集 抜いてしまった祖母と抜けなかった祖母におびえながら 【作品紹介】 二階 赤い服を着ている人がいる 赤い服の裾を引きずって歩いていく後を私はついていく 階段をのぼった先には待合所があってむこうに飛行機が見える 私はその人のとなりに並ぶ その人が見ている方をみようとして寒さと強風の話をする それにはす向かいの人が答える 待合所ではありとあらゆる二足歩行の人と数多くのそうではない人が 奥へ奥へとにじりよる 入口近くに立つ人は血管が浮き出して肌が薄緑に染まっている 戸の開いた籠を持っている人は 飛んでいった鳥が帰ってくるのを待っている 空のベビーカーにもたれている人がいるのは 中の子どもがとっくに出ていったからだ 私は隣に立つ人に向かってひっきりなしに話し続ける 私の言葉と声を美しいとほめるのは いつもはす向かいに立つ人たちで あの人たちは私に感心があるわけではなくて 私が聞き返したいことは一つもない (請求書が踏みつけられている) 赤い服を着た人は少しも動かずに立っている いつになっても私には目の色がわからない きっとレンズでおおわれているからなのに 覗いても覗いてもわからないのは まつ毛のせい、で まぶたのせい、だ すべて引き抜いてしまいたいと私が言うのも聞かずに その人はずっと遠くを見ている 私がその人の服をはぎ取っても 首に手をかけてそのまま引き上げても こめかみを強く突いてさえも その人がこちらを見ることはない 待合室の中で次々やって来る人たちが 待っているのは遅延か欠航の知らせで 私達は少しずつ縮んで待合室は近いうちに底が抜ける それまで私は下を向いて その人の赤い服が擦り切れていくのを見ている 著者 神田智衣 発行所 七月堂 発行日 2024年8月20日 四六判 94ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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病棟ラプソディ・バリバリ【新本】
¥1,760
【内容紹介】 わたしは体中線に繋がれ電気で生かされている。」 闘病体験詩集。苦難の時を生きながらこれらの言葉は紡がれている。 自らの体験を通して描かれる光景はかの地で戦火の中にある病棟の様子と重なりながら我々の眼前に迫ってくる。 目覚めぬ恐怖 黄色くぬられた地図 ○○一丁目とか二丁目とか 薄墨で書かれていて 通りに区切られた一画の路地を 私は右から左に歩いていた。 見知らぬ架空の街の平面図を ゲームの駒のように歩いている自分を見ていた。 何も考えてはいなかった。 ここはどこかとも考えなかった。 ふと、耳にざわめきが起こった ざわめきはよりクリアになり それは人の話す声に聞こえた それは医師や看護師の会話だった 私は会話の中身に耳をそばだてた。 手を挙げようと思った 足をばたつかせようとした 手に力を入れようとしても 足を動かそうとしても どうしようもない 医師たちを見ようとしても瞼がひらかない。 触覚もない。 私は視覚だけ解凍された冷凍人間なのか。 身震いするのに身体は熱い。 私はこれから先、 こういう状態で、 聴覚だけで生きていかなければならないのか―― 著者 冨田民人 発行所 七月堂 発行日 2024年5月20日 A5判 145ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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のらねこさんの ひみつ【新本】
¥2,200
【内容紹介】 地上の天使が二人、歌い舞う 詩は森田すふれ。 イラストは西尾はな。 二人の出会いが『のらねこさんの ひみつ』を造り上げる。 二人の自由な視点で繰り広げられる世界。 「びっくり してる」という作品内の住人たちは何にびっくりしているのでしょうか。 めだかのあかちゃんは水のきれいさにびっくり。 ゆうびんポストさんは手紙の言葉の美しさにびっくりするのです。 「おでんわ おでんわ こないかな」では誰からの電話を待っているのでしょうか。 ウサギのポンポン? アリのルンルン? いしころのコロロン? 虹のリンリン? 電話は来たのでしょうか。 歩いてゆく言葉と共に不思議なイラストたちも一緒に、並んで、時には飛び跳ねて歩いている。 個性的な色合いがページをめくるたびに飛び出してくる。 表紙絵はもちろん西尾はなさんです。 著者 森田すふれ イラスト 西尾はな 発行所 七月堂 発行日 2022年7月25日 A5判横長 156ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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never / 藤井晴美【七月堂・新本】
¥990
【内容紹介】 どんなに詩を書いても認められないという罪 外は汗ばむほどの暖かさなのに、私は寒気がするのだ。体の調子がおかしい。連夜のアルコールのせいだと思う。微熱でもあるようだ。今夜もやっぱり飲むだろうな。 気分の方もひどいものだ。誤解に不安、肩から首にかけて凝っている。冗談じゃないぜ。 歯槽ロウソク、室外機の潰瘍、こめかみがくるくる回ってねじれた視線、ぎっくり腰、くるぶしの脱臼、大腸ポリープ木綿の兵隊、瞼がねばつく、鼻中隔が曲がっている、耳が痛む、便秘、痔、それらが恒常的なのだ。……そんなことじゃないんだ!おれの部屋は臭い。……これはノイローゼだ。ふとんは汚れて湿っぽい。十年以上干していない。こんなのじゃ彼女はいやがるだろう。彼女にきらわれて憂うつだ。妄想から這い出て又、浅い眠りの干からびた夢の中。現実も水気が全くない。屁ばかり出る。 病気がひとつの、仕事を休むきっかけになるんですよ、……隣の男がこんなことを話しているのが聞こえる。病気ね、ここは喫茶店だ。私は自分の顔を見るとよけいに気が滅入る。おれの向かい側の壁は鏡張りだ。 胃が痛む。アルコールのせいだろう。飲まないと眠れないのだ。 何も手ごたえのないものを読んだり、見たりしていてはしようがないが、それが世の常だなどと言っておれは受け身でいるわけじゃない。 おれは、のっぺりした車道の真ん中に全裸で座っている現の証拠などもはやどこにも存在しないのだということ、それがどんなことか伝えようとしていた。 小難しい話はヤメだ。酒を飲んでそんな話をするのは不謹慎だと今ごろわかってきた。 友人は躍起になって帰って行った。 おれはタクシーを待っている。ここは新宿。なんで今夜はこんなに拾えないのか。もう一時間過ぎた。あしたは、と言ってももう今日だが祝日なのだ。寒いのでぶらぶら歩いていると女が言い寄ってきた。おれは、あなたは肉であり、マネキンではないからコラージュもできず、病気をくれると言って断る。本当はダメダメとも言わなかったのだが。金がないのだ。 私は生きている実感を取りもどそうと詩を作っているのだ。 そうやって現実の一つの局面に向かっている。で、それからどうしたらいい?窒息の、ドン詰まりの、これに答えることはできるか?じゃ、さようならと言ってみたところでこれは仮にも覆い隠せる代物ではないのだ。腹が減ってベーコンを齧っているおれはほとんど何をしゃべっているのか自分でもわからない。 生まれないこととはどういうことなのか? そんな暗いところで電気もつけず何をしているんだと父が言った、母が言った。 生まれてこなかったやつに。 著者 藤井晴美 発行所 七月堂 発行日 2024年1月20日 四六判 67ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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白くぬれた庭に充てる手紙 / 望月遊馬(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥2,200
望月遊馬詩集 第62回藤村記念歴程賞受賞作 あすの火は わたしたちのなかにある ……………… 光を孕んだ水が流れて島を象るように、言葉はほどかれ何度でも編み直され、こんなにも柔らかく強く透きとおる詩になった。実在の場所の伝承、そこにあったかもしれない情景とリアルな今に息づく思い。外と内。豊かにくつがえされて季節はめぐり、届けられる声を掬う私たちのてのひらに生命が燃えあがる。――川口晴美 ……………… 【作品紹介】 かすかなひと 春から夏のゆるやかな野と こぼれかけの庭 わたしのブラウスにも白い舟が漂着して 白い舟は 壊れかけのまま なかから こびとの船員が這いだしてきては 遠い国の合言葉を となえた わたしという舟を すこしだけ 前進させて こびとは 果ててしまったか もうそこには影すらない こびとたちの溢れる港には 新鮮な魚やていねいな職人が息づいていて わたしが美し い鉱石の指輪を買うことは まるでこびとたちへの問いかけのようで 死ぬことも生き ることも 永い時間のなかでは ゆっくりと木べらを持つこびとたちに かき混ぜられ ていくような気がした 爛熟する正午 わたしはスウプを口にし こびとにもそれを飲 むように強要した 壊れかけの庭には 薔薇の迷路がつづいている ここに来る者も 出ていく者もいない この完璧な企図のなかで わたしは洗い終えた皿を 湿った布巾 でぬぐった こびとたちは それぞれの仕事に戻った あるものは漁師として 朝の冷 たい町を巨大な魚をひきずって歩いた あるものは医師として 少女のきずぐちを縫い 少女に花のような接吻した また、あるものは会計士として ある未亡人の相続にまつ わる 不吉な地図を燃やした すべてのものが 水音のようにひらいていたのだ その 清潔な音 純粋な音――。わたしが守りたかったのは そんな音の絵だ 白い舟は 湾を周回し わたしは口をおさえて 港をあとにした どんなに苦しくても 消えいりたいと思ったとしても ことばを棄てることはなかった そんなあなたに わたしは わたしのことばを相続します 【著者プロフィール】 望月遊馬(もちづき・ゆま) 2006年、第44回現代詩手帖賞受賞 第一詩集『海の大公園』(2006、poenique)で、第12回中原中也賞候補 第二詩集『焼け跡』(2012、思潮社)で、第18回中原中也賞候補、第4回鮎川信夫賞候補。 『水辺に透きとおっていく』(2015、思潮社)で、第26回歴程新鋭賞受賞、第21回中原中也賞候補 『もうあの森へはいかない』(2019、思潮社)で、第70回H氏賞候補 『燃える庭、こわばる川』(2022、思潮社)で、第73回H氏賞候補 ※2024年9月6日の東京新聞夕刊にて岡本啓さんによる書評が掲載されました。 2024年9月16日の公明新聞にて野村喜和夫さんによる書評が掲載されました。 広島の情報誌『Wink』の9月号にて望月遊馬『白くぬれた庭に充てる手紙』の書評が掲載されました。 著者 望月遊馬 発行所 七月堂 装丁・組版 川島雄太郎 発行日 2024年7月31日 A5判変形 132ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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公園のまんなかにはおおきな木があって / たかすかまさゆき【七月堂・新本】
¥2,200
たかすかまさゆき第1詩集 届かないものを あなたと分かち合いたい …………………… たかすかさんの詩とともに散歩をし、佇み、微かな風を肌で待ってみる。 それは果てしなく孤独で、自由で、色気のある時間だ。 ――三宅唱(映画監督) …………………… 【作品紹介】 途上 坂の途上の地面は断層が剥き出しになっていて 茶色と灰色の入り混じった土が不安定に固められた足場を伝いながら 白いヘルメットを被り、紺色の作業着を着たひとがひとり降りてきて 奥の空間へと消えていく 奥では鉄骨と青いシートに覆われた穴だらけの家が 完成を待っているのか 解体を待っているのか 浅く削られた地面に鎮座していて その横で風に揺れ斜めに伸びる一本の木の緑が 家の中を行き来する作業着たちの影を曖昧に拡散している オーストラリアっていま何時だっけ? 風にのって不意に届くカタカナの地名が 坂に乗って不安定に傾くからだの姿勢をかたかたとなぞり 謎かけをたのしむように笑い声が遅れてやってくる ひゃ、ひゃ、ひゃ、ひゃ、と 穴から風が漏れるような破裂音が辺りに響き それにあわせるようにシャッター音が三度、 坂の上から鋭くたてつづけに鳴る 撃たれたように振り仰げば 空を覆う黒と灰の雲が うすくれないに染まりはじめた眼下のまち並みと 層を成しながらゆっくり下降する 加工され固定された時間をカメラにおさめたそのひとは 鳥の囀るオーケストラを背後にしながら この世の反対側にいるみたいな深く沈む眼 中央区立浜町公園 橋の向こうのまちのことはよく知らなかった。とぐろを巻く首都高が空を覆い、その真下の空き地で父親がちいさな子ども二人と遊んでいた。さらに進んで、大きな通りで右に曲がった。真っ直ぐ行くとまた別の橋があるらしかった。橋を渡ったらまた橋って、なんかどこにも行けんみたいやん? きっとあなたならそう言った。橋の手前で左に折れて、公園に寄った。公園では着物を模したお揃いの服を着た子ども四人がかくれんぼをしていた。隠れる場所はあまりなさそうだった。大人たちは水辺のベンチで談笑していた。その水辺に野生のネズミが一匹どこかから現れて、とてもおいしそうに水を飲んだ。公園内の照明はどれも濃い橙色だった。陽はまだ沈みきっていなかったけれど、もう空には陽が生み出す橙色は残っていなくって、陽が水平線に消え去る瞬間の淡い黄色だけが西の空にうっすら膜となって残っているだけだった。だから公園を満たす橙色は全部人工的なもので、人工的な橙色を透かして見る人間たちは、どれも古い映像のなかのひとたちみたいで、なんだか過去のようだった。もちろんそこにあなたはいなくて、わたしはひどく安心し、安心したことにひどく胸を痛めた。それから公園脇の階段から川沿いの遊歩道へ降りた。橙色は届かなくなり、陽はすっかり沈み、一段一段降りるごとに辺りは暗くなっていった。川は巨大で、真っ黒い水はひどく波打ち、歩道まで溢れてきそうだった。怖かった。そう思っていたら呑み込まれた。 それは言い訳でしかないんやん? きっとあなたならそう言った。良いわけがない。良いわけがない。意味なくくりかえすわたしはまだ川沿いの遊歩道を歩いていた。わたしのからだを運ぶのはわたしの足だった。しらじらとした蛍光灯の明かりにまみれたわたしの足の足裏が、地面に着地するまでの時間とその隔たりを正確に測る必要があると思った。目の前には色とりどりのネオンにライトアップされた大きな橋があり、川面にネオンがモザイク状に映って揺れていた。川を遡る一艘の船が橋の下を垂直に通過し、船が通った跡で切断されたネオンが揺れていた。石を投げればネオン色の煙が上がるだろう。煙の中からあなたが現れるだろう。けれども石はなかった。いつまでもアスファルトの平らな道だった。橋の上から車のヘッドライトが鋭くこちらを射す。隠れる場所はなかった。 著者 たかすかまさゆき 発行所 七月堂 発行日 2024年8月3日 A5判変形 124ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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緋のうつわ / 篠崎フクシ【七月堂・新本】
¥2,200
【出版社内容紹介】 篠崎フクシによる第三詩集 ……………… かわたれに まねかれる緋よ あなたは ひと世をいれる うつわとなる …………………… 泣くための作法を 教わらなかったので 泪のかわりに詩をふらせたのは 昔日のゆりかごでした 「朴のみち」より 【著者プロフィール】 篠崎フクシ 第一詩集『ビューグルがなる』(2021年)〈第36回福田正夫賞、第72回H氏賞候補、第32回日本詩人クラブ新人賞候補〉 第二詩集『二月のトレランス』(2022年) 著者 篠崎フクシ 発行所 七月堂 装丁・組版 川島雄太郎 発行日 2024年7月20日 四六判 138ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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蝶番(サイン本あり)【新本】
¥1,650
梁川梨里詩集 「わたしは、いない」と書くとき、書く「わたし」がいる。 矛盾を誘い出すことばは論理を超えて肉体に近づく。 ――詩人・谷内修三 わたしを喪失する。その傷跡から新たにわたしが芽吹く。 あらゆる境界に分け入り、あなたと混ざり合う。 永遠にも似た記憶の営み。 その息遣いに眩暈がした。 ――詩人・文月悠光 【作品紹介】 遠雷 たいないを越えた水が たいらな裏側では雨になる 夕立に駆けだしたまま 帰る家の灯りが みつからない 落とした百円玉の匂いがする 空が待つことを止めた もう、わたしも諦められてしまったのだろう 誰も迎えの来ない夜に 用意された片方の足だけが ぶら下がっている この胸の波の果て 貝殻を捨てた場所 ここにいることを忘れてしまったら 誰からもみつからない 名付けられたものは いつか消える 手放しで 音のない口笛を吹く ※2024年10月6日に刊行された詩誌「妃」第26号にて水嶋きょうこさんによる書評が掲載されました。 2024年8月26日分の東奥日報に書評が掲載されました。 2024年8月27日分の静岡新聞での詩の月評「詩はいま」にて杉本真維子さんによる書評が掲載されました。 著者 梁川梨里 装幀・組版 亜久津 歩 発行所 七月堂 発行日 2024年7月7日 A5版 126ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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場末にて / 西尾勝彦(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥1,540
すべてのアウトサイダーへ贈る 七月堂創立50周年記念企画第二弾! このたび、西尾勝彦新詩集『場末にて』を発行いたします。 詩集単体としての発行は、『ふたりはひとり』より二年ぶりのこととなりました。 【著者コメント】 作品「場末にて」を書いたのは2019年のことです。大阪のとある小さな書店で開催された朗読会のために書き下ろしました。記念にするつもりでその店主を描きはじめましたが、次第に自分のこととなり、未来のこととなり、すべてのアウトサイダー、場末を支えるひとたちのための言葉になっていきました。朗読会当日、しずかに読み切ったときの気持ちはまだ覚えています。あの日から、4年。ようやく、詩集『場末にて』を完成させることができました。多くの人々の手に届くことを願っています。 【版元コメント】 この詩集はきっと、誰かにとって、ひと休みさせてくれるような、木洩れ日がきらめく木陰のような、そんな一冊になるのではないかと思いながら制作を進めてまいりました。 こうして形にすることができ、嬉しい気持ちでいっぱいです。 装画は前回の詩集『ふたりはひとり』につづき小川万莉子さんの描き下ろし作品です。場末にてひかる小さな明るみを表現してくださいました。 この詩集には、「場末」に生きる人たちやそんな人たちがつくる場所がたくさん登場いたします。 ほの暗いなかでしか見えないくらい、けれど確かに存在する、ちいさなやすらぎの灯のような一冊です。 ぜひお手にとってご覧ください。 【作品紹介】 駅 彼は うすい背中のひとなので 職場から 誰よりもはやく 家に帰るみたいだ いつも歩きなので 駅に着くころには 埃っぽい風のなかである ちょっとうつむきかげんの ふうわりとした顔つきで 行きと帰りでは 気持ちに ほとんど変化がないみたいだ 夕暮れの あわい光のなかを 彼は歩いている うすい背中のひとは 駅近くの和菓子屋に 立ちよっている 病弱の妻に 若鮎を買って帰るらしい がま口を開けて 一枚いちまい 小銭をかぞえている 著者 西尾勝彦 装画 小川万莉子 装幀・組版 川島雄太郎 発行所 七月堂 発行日 2023年10月10日 175mm×110mm 132ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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詩物語 / 西原大輔【七月堂・新本】
¥3,300
詩を書いた。その心境も 詩の後に詩人のエッセイが書いてある。詩を書いたその心の内を明かすとは、なんとも大胆。しかしこれは著者曰く古来よりの由緒あるスタイルである。 自由に詩を作ったと言いながらも、独自のスタイルは崩さない著者の‘粋’な詩集だ。 『詩物語(しものがたり)』という書名は、平安時代の歌物語(うたものがたり)から発想しました。『伊勢物語』『大和物語』『平中物語』では、和歌と短い文章が一体となっています。実在した人物について語られることも多く、一種の伝記のような性格を持ちます。短歌に詞(ことば)が加わり、韻文と散文が融合した抒情的作品。『詩物語』は、そのような詩文交響の世界を意識しつつ作ったものです。歌物語では、定型三十一文字が鍵ですが、本書では、主として自由律詩が中心となっています。 通常、詩集に掲載されるのは、詩作品だけです。私はそのような本を手にしつつ、詩人自身による解説が添えられていたら、と思うことがしばしばあります。詩とエッセイを並べた『詩物語』では、詩が文を引き立たせ、文が詩を補うものとなるよう心がけました。(「はじめに」より) うれしい黄昏 なんてやさしい黄昏だ/ひとり窓辺にくつろげば/網戸から良い風が来る/蜩があわれを歌う/家々に明かりが点る/夜空には星が瞬く……/風が心を撫でてゆく/うれしい孤独の黄昏だ 日常のふとした瞬間に、目の前の景色がどこか遠い異郷の光景に見えてくることがある。いつもの場所にいるはずなのに、自分がまるで見知らぬ土地に迷い込んだかのような錯覚。ある夏の晩、僕は広島大学の研究室から外を眺めながら、気の遠くなるような、不思議な感覚を味わっていた。 著者 西原大輔 発行所 七月堂 発行日 2015年11月30日 四六判 126ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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死者と月 / 関根全宏【七月堂・新本】
¥1,980
【内容紹介】 詩とは、あなたを探す灯 死は生あるものに必ず訪れる。 遺されたものはこの世界を生きてゆく。 「その世界は、陰影の世界である。実在が影となる世界である」(「補遺」より) わたしを探して 冬の木立を歩いている 木立の中を歩いていると 光に音が吸い込まれ 人影が二つ 木陰に浮かぶ 彼らは優雅に球で戯れ 私は 冷気で白む息に 影でもないわたしを感じ なおひとり 歩いてゆく 歩いていると先が開け 外から音が 漏れてくる 何処へ など知る筈もなく ただ 躰の重みを僅かに感じ 誰でもないわたしは 私を引きずり 歩いてゆく 手紙 姿を消した彼女から 届いた手紙がある 言葉も写真も色褪せていた けれどもそれは 今にも滲み出ているものだった 今に滲み出ている 闇や影が きらきらと輝くように 揺れていた なぜだか僕は どうしようもなく懐かしいと思った 自分のものでもないのに 自分は知らないのに そこに綴られている言葉には 重みと救いがあった 言葉にならない感情の淀みと 切実さもあった そして思った 誰かと 世界と 繋がろうと していたのではない そうではなく 必死に 自分と繋がろうと していたのだと そうやって 結果的に 不器用なりに 今に向かって 前に進んで 躓いていた それを届けようと思った彼女の意志を 僕は 美しいと思った 誰かの意志を 美しいと思う そのために人は生きているのだろうか 夜を乗り越えて カラスが屋根の上をコツコツと歩く音で 僕は目を覚ました 朝はまだ早い 外が少し白みはじめた 誰もいないリビングの大きな窓 カゴにあるグレープフルーツ 秒針のない時計 昨夜食べた味のないチキン ナイフとフォーク 沈黙 月はまだ出ているだろうか コーヒーを手に 僕はぼんやりと考える これまでの人生に どれほどの間違いが あっただろうか もちろん 後悔することはあった けれども もし もう一度この人生を やり直すことができるとしたら 僕は 同じ場所にいるのだろうか 多分 確率は五分五分だ でもまあいいさ どこにいたって こうして夜を乗り越えていくだけだ 冷蔵庫が低く唸り 氷が落ちる 鼻から息を吸い ゆっくり吐きだす 新聞配達のバイクが 十字路で いつも通り 朝七時のクラクションを一度だけ鳴らす 僕は知っている それが一日のはじまりを告げる 一人分の孤独の合図だということを 著者 関根全宏 発行所 七月堂 発行日 2023年11月5日 四六判 117ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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フレア / 長尾早苗(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥1,870
長尾早苗詩集 太陽になるんだ 心のなかのたったひとりの部屋からうまれる 生きる意志は 言葉を動かす あなたやわたしのゆらぎをみつめ 刻んで今日を行くために ──北爪満喜 【作品紹介】 「告白」 雲がうねっている こういう時に体がおかしくなると わかっていたはずなのに 置き去りの身体を取りに行く 傘をさして 天気予報がわからなかった 小さな神さまはつぶやかない みぞれ交じりの雨に つらくなって ささやかな場所だけで 安らげると思った 同じロゴ 同じパーカー 同じランニングシューズの少女たちが パン屋へ向かっている、平日 今日の彼女たちのランチはコロッケバーガーだろうか 置き去りの身体は どこかひしゃげていて 水分を与えなければいけなかった 雲がうねっているから 犬の一族は今日も朝に会合を開き 不穏な目の青年はベンチで何も見ていない目をこちらに向け そういうものが ここを 今日一日を不穏にしてしまう 勝手にしてください いつもの日常をおくることができるように 今日も歩き そういったものと出会い そして 黙ってお互いの勉強や生活をしているわたしとあなた お互い少し離れた場所で お互いに 今日のスイーツタイムにどのコーヒー豆を挽こうか考えている あなたがいるここが 好きです 大好きです どうでしょうか 今日は 新鮮な豆を挽いたコーヒーでも 「ガーベラ」 歳を取っても本を書きたいと 目の前のピンクのガーベラを見ながら 思う ガーベラは贈り物 こんなふうに真っ直ぐに わたしの仕事部屋で するすると光へ 伸びていくガーベラ わたしだって 光の方へ伸びていく AirPodsから美しいギターの旋律 その前の 余韻 夜が明ける前の 植物たちが 起きてこない時間に わたしと ガーベラは友達である 今日からまた 新しく本を作ろうと思う ロルバーンを使い潰すように このツバメノートも使い潰す 何冊も 本を書く生活が またこれからも はじまっていく 愛する書店に花束を 見えない読者に花束を そんな思いで わたしのことばは 輝きを秘めている 著者 長尾早苗 発行所 七月堂 発行日 2022年8月1日 四六判 114ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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聖者の行進 / インカレポエトリ叢書8【新本】
¥990
長尾早苗詩集 「わたしもかつてはくらげだった」 【作品紹介】 プレゼント 遺言状って究極の自己満足だよね と友人が言っていた その場で何も言えなかったわたしは 夢で 三十年後のわたしに聞いてみた ねえ 伝えられないもがきを伝えるって自己満足なの 三十年後のわたしは そうねえ、わたし本当に死んでないから分からないわ と柔らかく微笑んで たぶん彼女は と続ける 一度死んでないわね 朝目覚めて 庭の花に水をやる 疲れはてたわたしはよく ああ花になりたい などと甘えたことを思ってしまう 水と太陽と二酸化炭素だけで生きられるなんて! 嘘をつかないで枯れてゆくなんて! 生きるって、パワーだ ものすごく しんどくなるときもある お腹が空くと無性に悲しくなるし 放っておいて! と かまって! の気持ちがごちゃごちゃして かさばる 感情なんて難しいもの 持って生まれてきたわたしたちってみな苦しい 昔 植物人間の本を読んだことがある かわいそう と思ったり、した はずなのに 疲れはてたら植物になりたいなんて わたしはとても 生きることに甘えている そうねえ、あなたってとても と三十年後のわたしは笑う むやみやたらと地面に繋がっているような気がするわ そうなのかしら そうよ、花って一生そうなのよ かわいそう、つらそう だから、花は美しくなるしかなかったのかもね 花を愛するひとに悪いひとはいない と母が教えてくれたことがある 花に添えられた ありがとう のメッセージカードを盗み読みしてしまうたび 仕事中なのにほろりとしてしまう ひとは つらくてもごはんを食べて 眠って 生きなくちゃいけないから ひとにことばや花を贈る それはとても美しい行為で 花が人生になかったら と考えると ちょっとぞっとする 明日も朝目覚めたら 去年母に贈った花に水をやろう 生きるってそんなに嫌いじゃないと 思えるかもしれない 著者 長尾早苗 発行所 七月堂 発行日 2021年3月30日 四六判 91ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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草茫茫【新本】
¥1,430
【内容紹介】 えのころ草の野っ原には赤ん坊の泣き声が聞こえるという。 分け入るほどにその声は増えてゆく。 その中に、三人の詩人がいると苅田日出美は信じている。 戦前7年、戦後75年を生きた苅田日出美の詩集である。 コロナの時代の今、「自粛」とか「禁止」の言葉を戦前と同じだととらえる。 詩の中には実体験だろうか空想だろうかと迷うような話がたくさん出てくる。 これが『草茫茫』の醍醐味である。 骨のなかの空 砂漠のなかに散らばっている骨 水を求めて干からびて死んでしまった 動物の骨盤に オキーフは青空を描いている デルボーは 骨は人体の基本構造だといって 美女の傍におなじポーズの骸骨を座らせる キリストの磔刑像さえ骸骨で 泣いているマグダラのマリアたちも骸骨である このところわたしは骨に 出くわすことが多かった 火葬場の鉄の扉から 白い姉さんの骨を拾ったり 写真美術館でみたセバスチャン・サルガドの アフリカで骨をさがして歩いている サルガドが撮っている何百人ものツチ族の遺体は 骨になるまでの時間がまだ残されていて 砂丘は大西洋沿岸から ナミブ・スケルトン・コーストの境界まで続いている 白く乾いた骨盤のなかにある青い空に白い雲 オアシスのようにも見えるそこで溺れたものたちがいる 骨盤の中の空には仕掛けがあって そこだけは空気が超音波に震えている 被苦人「ピクト」さん そのとき 真っ先に走りだすのは『EXIT』の表示のなかで ミドリの体で静止していたピクトさん ホテルの廊下には数人のピクトさんが住み着いている 浴室やトイレで転ばないように ポットで焼けどしないで タバコは吸わないで つまずかないで どこの国の人が泊まっても ピクトさんがいたら言葉はいらない わたしの内から駆け出していく『EXIT』の人型 廊下は道路と同じなので服を着て靴も履いてといわれても 二十三階の二十七号室からエレベーターのところまで スリッパのまま逃げていく そこにもピクトさんがいて 扉にはさまれないようにと注意する 托卵された鳥のように異形のものを愛したり もろくなった循環器を補強して 段差があっても転ばぬ先の杖をついて わたしの内から逃げるように駆け出したものたちは 海馬の中にもぐりこんでいるのだろうか しりもちをついているピクトさん いつも危険を体現しているピクトさん わたしのピクトは 日本ピクトさん学会に認定されるのだろうか 著者 苅田日出美 発行所 七月堂 発行日 2020年11月30日 A5判変形 80ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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記憶する生×九千の日と夜【新本】
¥1,100
【内容紹介】 すでにないもの、あるいはこれから来るもの 詩とエッセイで綴る、過去、現在、未来。 「詩そのものが石板かCDのようで、ここまでの時間、滅びの予言、それからの時間が、刻まれている。果てるものと果てしないものが奇妙に交差した点が、何故だか明るい」(栞文より そらしといろ) 傾きかけた長い午後に 書き損じた詩のかけらを Memory cardに格納する それは不滅の記憶のため? 思い出の痕跡のため? ぼくらは何を残そうとしているのか どこへ過ぎ去ろうとしているのか 記憶する生のかなた なにかの呼び声の あわいに 回転する生のつかのまに(「記憶する生」より) 著者 吉田広行 発行所 七月堂 発行日 2017年9月1日 四六判 73ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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風とカマキリ【新本】
¥2,200
【内容紹介】 言葉の展覧会へようこそ 著者は詩人藤富保男のもとで長年詩を学んで来た。 描かれる情景は日々のひと時を豊かにしてくれる。 あなたは町の中で山羊に出会うことはありますか? あなたは海の上喫茶店へ出かけたことはありますか? ようこそ『風とカマキリ』へ。 風と共に 彼は歩いていた 氷の上を滑るように 時々 立ち止まり たまに ペタンと座り込み また歩き出す 何人もが同じ方向に進み すれ違う人はいない 空が動く 突然 彼は後ろ向きのまま 風に吸い込まれた まぼろし村 なめらかな木肌の幹が 鄙びた田舎道に並ぶ 枝は四方八方に長く伸び その枝には細く葉が絡む 先端にうす茶がかった桃色の塊 生垣に囲まれた家々 その裏庭にも塊の花が揺れる 近くで見ると 塊はかき氷のようにフワフワ 触れると崩れそう ホロホロと花 満開 夏 もも色に染まる村 節穴 目が覚めると 部屋の中に 光の槍が数本 刺さっていた 小さな手で 掴もうとしたが 掴めない 目が慣れると こまかい塵が 踊っていた 木の雨戸を開ける と 朝が来た 著者 萌沢呂美 発行所 七月堂 発行日 2023年11月20日 A5判変形 77ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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インカレポエトリ10号 貂【新本】※送料をご確認ください
¥1,000
【内容紹介】 様々な大学の学生が参加している学生詩集の第10号です。 【編集】 朝吹亮二 新井高子 伊藤比呂美 大崎清夏 笠井裕之 カニエ・ナハ 川口晴美 北川朱実 小池昌代 瀬尾育生 永方佑樹 中村純 野村喜和夫 蜂飼耳 樋口良澄 四元康祐 発行 インカレポエトリ 印刷 七月堂 発行日 2024年4月30日 A5判 425ページ 【送料ご選択時にご注意ください】 *1冊→「クリックポスト」 *2冊→「レターパックライト」 *3~4冊→「レターパックプラス」 *5〜8冊→「クロネコヤマト80サイズ」 *9〜10冊→「クロネコヤマト100サイズ」 【関連本】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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青(おう)の植物園【新本】
¥2,200
【内容紹介】 幻想植物コラージュ 著者による押し花コラージュ作品と写真に彩られた詩集。神話的な視点と独自の世界感が言葉・ビジュアル面から立ち上り、読者を幻想に誘う。 一途な地球ダンスの約束が/垣間見えて 夢見の時間が広がる/卵が孵らなくとも/幼子が途中でしんでも/時間の幻想散歩は先へ繋がる/唯一の遺伝子からの 果てしなき声 食物を共にし まぐわい/子孫を残すのだと 海鳴りのように/絶える事がない いとなみへの誘い/古来 男は 女の口元に/食物のように 言葉を重ねてきた/掻き抱くのは男の役目であった が 愛を受け入れなかった/愛し返さなかった ただ/そのことのために/ギリシャの神話の中の女達は/変身の罰を受け 言葉を失う樹にされている/男は花に 女は樹木が多い 月桂樹にされた河の神の娘ダフネ/突然のアポロン神の告白に驚く娘ダフネには/最初に見た男を嫌いになるという/キューピッドの矢が娘の胸に刺さっている/という物語の仕掛けがあるが 女の口元を樹皮で覆うほど/いとおしい 憎悪 肉欲/愛し返さなかった罪/というのはあるのだろうか/愛し返せなかった罪 (「愛の罪」) 著者 橋本由紀子 発行所 七月堂 発行日 2017年12月20日 B5横長変形 115ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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二〇の物と五つの場の言葉【新本】
¥2,200
【内容紹介】 ポンジュをのり越えて、この知略は出現した ポンジュの再来、というだけではない。諸篇の発表当初は「運動と時間」という副題がついていた。ベルクソンも物理も来ている。みんな来て、尾内達也という詩人の頭脳になり、眼になり、さらにそこから、あらまほしき事物の変容がまなざされている。そう、眼差しは真名指しでもあるだろう。二十の物と五つの場の〈誕生〉と〈名づけ〉をめぐる、これは静謐な陶酔の物語だ。 野村喜和夫 十二ロールのシングルのトイレットペーパー どこにも存在しない青い花がプリントされた、ビニールのパッケー ジからは微かにその青い花の香りがしている。ドラッグストアーの やや高い棚に積み上げられた十二ロール入りのパッケージはあまり 目立たない。「ふっくらやわらか」がセールス・ポイントのトイレ ットペーパーも、四つずつ三段重ねると意外に重い。一ロールで五 十メートルあると謳っている。五十メートルの空間が十二個凝縮し ているわけである。つまりは六百メートルの空間が、この安っぽい ビニール・パッケージ一つの中にある。次々に縦に伸びるか横に重 なって広がるか、垂直に高い壁と化すか、意外な重さは六百メート ルの空間の重さであった。五十メートルのロールの芯には幻の青い 花の香りが宿り、それが六百メートルの空間を自在に咲き乱れてい る。どこにもない青い花が咲き乱れた夏野をまるめて十二ロール、 手に提げてレジに並ぶ。パッケージの下の方に買い物した印の黄色 いテープを貼ってもらって帰る。幻の花の消費量は激しいのである。 GAZA――今ここに「ある」こと 月は眠らない――GAZAは眠らない(海も陸も敵意に満ちてゐる ――止むことのない瓦礫の崩落―空はひとつの偽りである。 月の光の中で、面のない人形たちが群れてゐる。GAZAに言葉は 届かない――悲鳴はいつも緑の小箱の中に隠されてゐる。 言葉を――透明な膜がかかつた言葉を―ナイフで切り出す、 痛み――血――詩――もはや、それはひとつの翳りである。 ――今ここに「ある」こと、 今ここに「ある」ことでGAZAとつながる――、 まだ、雪は降らない、まだ、月は上がらない。 私があることで「死」とつながり、 私であることで「生」とつながる。 hic et nunc hic et nunc 光であれ――雪の、月の、 著者 尾内達也 発行所 七月堂 発行日 2024年5月25日 四六判 92ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ヒトノマ / インカレポエトリ叢書26【新本】
¥990
田村奏天詩集 それでも、さわやかでありたいと思って 薄雪色の指 【作品紹介】 「街と暮れ方」 帰り際の夕立が街を知り尽くしている クリーニング屋の文字がさびれて いくつかの空白を埋めて読む 線路沿いは雑草が茂り 今にでも人類史がまっさらになるような予感 黒ずんだビルに書かれた 「ヘルス」はそれほど健康的でなく おぞましい桃色の看板をしているが 一方で自分が口に運ぼうとしている チューインガムも同じ色だった (それは平穏を保つための 音から意識を背けるための 端的な逃避行) 考えれば胎内ははっきりとした 鮮烈な肉の色をしていたはずで 閉ざされた暗がりに見ていた 熱のための色 人体から発生した我々は その色に寄せられた蛾にならざるを得まい 車窓に流れていく雨後の街を見ながら 強い空腹感を覚えて さらにはこの街がいつからか 鉄の匂いにさらされていることを知っている わたしは誰の信奉者にもならないので 冷静に脳が暮れていく街を解釈する 薄紫を羽織って沈みゆく太陽は 明日の雷を知らない 著者 田村奏天 発行所 七月堂 発行日 2024年4月15日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ときの旅人【古本】
¥800
SOLD OUT
【 商品状態 】 帯付 本体:天汚れ少 著者 奈津光平 発行所 七月堂 発行日 2010年3月31日 四六判 90ページ __________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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詩については、人は沈黙しなければならない / 髙塚謙太郎【七月堂・新本】
¥1,870
【七月堂創業50周年記念発行 第一弾】 このたび、髙塚謙太郎『詩については、人は沈黙しなければならない』を発行いたします。 2020年12月~2021年9月の間にnoteに連載され、また他の場所で発表したものをベースに、書下ろしをふくんで編集しました。 noteに連載する際、ご自身で作ったルールは以下になります。 ①出来るだけ週に1つ以上追加する。 ②ナンバリングするが、連続性、関連性を意識しない。 ③思いつきで書き、書いたものは1週間以上寝かせない。 本編の編集後、さまざまなわけがあってできた時間のなか、栞文を書下ろしていただきました。 真新しいシャツに袖をとおすような朝にかぎって、雨は陰って軒下までぷつぷつとちぎれていく。でも、それで静かさというものがたっぷりと担保されるのなら、私はこなごなに散ったガラス片として、すべてを見とおせるのではないか。ネクタイを巻く。上着はタンスの横でハンガーにかかったままで。 パックのカフェオレをさらに牛乳で割って飲むのが好きだ。チョコマシュマロやシュークリームをそえて晴れ間にテレビをつけて過ごす。神がかっている。自室に戻ると、買った憶えのない本がいくらもあって、残りのメモリーを思うと暗澹たる気分にも逸れていくが、そこを豊かと言って、さて私に書くという意味をつきつけてくる。つきつけてくるが、ただそれだけで、私は午睡へと沈んでいく。 ──『詩については、人は沈黙しなければならない。』栞文より 本文はもちろんのこと、ぜひ栞にも注目していただきたい一冊となりました。 詩を書くということとは。 詩を読むということは。 ことばとは。 詩集『量』でH氏賞を受賞した髙塚謙太郎が、矛盾もひっくるめて真っ向から思考した記録です。 なぜ、私は詩を書くのか。よく言われる100個ほどの、あってもなくても誰も困らない解答(例えば、人々とひとつになりたい、例えば、魂の叫び)は普通に横にどけておく。一つは、間違いなく、人に読んでほしい。この場合、人は私を含む。ただ、それはいわゆる詩でなくても大丈夫だ。なぜ、私は詩を書くのか。必要もないのに、私はさっきも一つ詩を書いた。なぜか。 それは、言葉という最高に複雑で、最高に意味不明で、最速でアップデートされ、最高に可能な、そんなシステムが目の前に広がっているからだ。数式の美しさや楽しさにそれは近いかもしれないけれど、関数がいつまでも無限に作成可能で、その関数によって生じる機能や像も、あらかじめ予測することがなかなかできそうにない。元手がほぼゼロの、この難易度と自由度の高いオープンワールド系ゲームをプレイしない手はない。 ──本文「4.3」より抜粋 著者 髙塚謙太郎 発行所 七月堂 発行日 2023年6月9日 A5判変形 帯・栞付 116ページ 初版限定1000部発行 シリアルナンバー入 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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sound&color / 髙塚謙太郎(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥1,320
やすらいはなや やすらいはなや 文字をつかって言葉をつらねるとして、愉楽をもたらすものが果たして何なのか、とかんがえてみますと、それはまちがいなく韻律の仕掛けによっているということがわかります。流麗さもさることながら、摩擦の多い韻律であってもそれは変わりません。むろん黙読をするときに幽かに脳の舌先で転がされる韻律のことです。もちろん言葉ですから、そこに意味と名指される何かは付着するわけですが、意味が愉楽をもたらすわけではありませんので、いうなれば添えものに過ぎないのかもしれません。ただし、言葉がもつ幾重もの意味の層が常に揺れつづけることで色がひろがり、私たちの脳である種のリズムが生まれてくることも確かで、韻律といった場合、単なる音韻上のリズムをさすわけではなさそうです。――髙塚謙太郎 髙塚謙太郎 著 詩集 2016/07/15発行 130×205 A5判変形 並製 第二刷 発行 七月堂 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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新装版 量 / 髙塚謙太郎(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥3,300
《私》は救われる 第70回H氏賞を受賞した『量』。 サイズをA4判からB5判へと変更し、書下ろし詩篇「ハンコック──1984 あるいは球体は《私》は記述している記述──』を収録。 新装版として発行しました。 限りなく無意識にちかい意識のなかで自由に飛躍する詩のことば。 読むほどに広がってゆく髙塚謙太郎の織りなすことばの美しさに、何度でも出会えるだろう。 著者 髙塚謙太郎 装幀 川島雄太郎 発行所 七月堂 発行日 2022年5月25日 B5判 276ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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量(サイン本あり)【新本】 ※送料をご確認ください
¥2,750
SOLD OUT
髙塚謙太郎詩集 第70回H氏賞受賞 「詩」と「歌」が一体となって届けられる時、その「ことば」には新鮮な美しさが宿る。 髙塚謙太郎3年ぶり5冊目となる新詩集!! 書き下ろし、私家版詩集、ネット上で公開された「〈末の松山〉考」などを収録。 広い紙面のうえ、新しい構図で詩篇の解体と展開を試みた。 限りなく無意識にちかい意識のなかで、自由に飛躍する詩のことば。 読むほどに広がってゆく髙塚謙太郎の織りなすことばの美しさに、何度でも出会えるだろう。 「目次」 七竅 Blue Hour HANNAH 花嫁Ⅰ 〈末の松山〉考 あ文字のいた夏(マイ・サマー・ガール) Memories 花嫁Ⅱ 「背のすらりと、 抜けていく気がしたから。 思えばテレビの明るさ、静かさ、 暗さがこんなに女のひとのほつれて、 立ち姿が聞こえてくる。 水の溜まった視細胞はわたしは深く、 深さは、ひとかきで闇をやぶって、 映りこんでしまった手の白かった。 文面のまま、 春を待って 会いにくるとは。」 ─本文より抜粋 著者 髙塚謙太郎 発行所 七月堂 発行日 2019年7月15日 A4判 253ページ 【送料ご選択時にご注意ください】 *1冊 →「クリックポスト」 *2冊以上 →「ヤマト宅急便」 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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アウフタクト / インカレポエトリ叢書24【新本】
¥990
源川まり子詩集 走れ走れ、張られた薄紙が浮いてきてしまうほど/風をたてる。走れ走れ、 【作品紹介】 なめらかな都市のエコー トラックナンバー不明、暗い部屋、まわるレコードに印さ れた都市の名前、円盤に扇型の影がかたどられて エコー 検査みたい、とぼんやりしたコントラストをみつめる 寝そべった視点、風景、黄ばんだ枠に囲まれた旧式のモニターは湾曲していて、身体だと思って いたのも同じような光のつぶつぶだったのだ、と水を嚥下する プラスチックの接地面と身体と の間にさしこまれるつめたく澄んだゼリー、お腹に赤ちゃんのいるひともあの機械を使うのだと 知ったのは、病院に通わなくなって随分経ってからのことだった モノクロームの絵本、軌跡を 描くストレッチャーはましかくの枕をたたえながら走る 子どもの頃、やわらかくふくらむ腹を見るたび そこに生命が宿っていることを密かに祈った どうやって信じればいいのだろう、画素として広がる腹腔のなかの海 あるいはそこに他者が宿りうることを? 都市は移動する、フィールドレコーディングされた町の音 声は砂埃をあげて、今はなき町の無形の跡を落ちていく針、 記録された音の内部にいる人々は永遠に無名 画面に映っ た靄の正体はずっとわからないままで 砂粒みたいな濃淡 が示していたのは異常のしるしだったのか あるいは日常 にあらわれた砂丘のような遊び場を保っていたのか うつ くしい遊び場を われわれは想い続けることができるのだ ろうか? 引き受けた愚かさが轟音をあげる あの日、目で追いきれなかった都市の名はサイゴンだったと あとで友人が教えてくれた 人々は町をさまよい歩く 簡単ではないやさしさ 想い続けることをやめないで 波、あるいは絶え間なく押し寄せる声 ダイナー 人間という音はインゲンと似ていて わたしはかつて おいしいインゲンを食べたことを想起し 甘さ、あるいは少し土っぽいにおい くぐもった青臭さに焦がれていたのだが どこで出会ったのか もう思い出すことができなかった 咀嚼を続ける頬には 三角形をかたどったホクロがあり 黒目だけを動かして点と点をなぞる 外ではサイレンがけたたましく鳴っていて 誰かに逃げろと合図する轟音が部屋に響くとき われわれの暮らしは反射光として継続される やわらかな彫刻 となりに、横たわっています つかまり立ちをする赤子のようなおぼつかなさで 顔の稜線を震えながらなぞる 眼窩の凹みがぴくりと振動するたびに 素肌の内部にある星座は居心地悪そうに伸縮し 座標を正確になぞることができない、だから ひとつの整った食卓を眺めては 皿のはざま クロスにこぼれた食べかすを 指の腹に押し付けて 拾いあつめておいたのだった 傘をさして歩く 道ゆくひとびとが足を止める橋 もしくは 流れがぐんぐん速まる川 ふかい洪水に抱きすくめられ、わたしは竜になる 今日も机を挟んで座る そうやって対峙しつづける限り ごはんはきっとうまい はずで 背中にすり寄せられた頬の重量が 肩甲骨の隙間を埋めていく きれいな水面の上澄みだけをあなたにあげる スープを飲んで黙ってうなずく 著者 源川まり子 発行所 七月堂 発行日 2024年1月10日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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おじゃんこら【新本】
¥1,500
青山かつ子詩集 【作品より】 きょうだい 五さいと七さいのきょうだいは わんぱくざかり ぶってぶたれて わめくふたりを 母さんは うら戸をあけ つもった雪のなかに すぽっと投げこむ 歯をガチガチならしながら 土間に立つきょうだい 「ほらほら はやく入りな」 母さんは こたつぶとんをまくり上げ 炭火をかきたてる ふたりは 首までこたつにもぐる だまったまま 著者 青山かつ子 発行所 七月堂 発行日 2023年12月2日 A5判 112ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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きみと猫と、クラムチャウダー / 佐々木蒼馬【七月堂・新本】
¥1,650
SOLD OUT
この初冬、佐々木蒼馬第一詩集『きみと猫と、クラムチャウダー』を発行いたします。 生きることの喜びと 日々を生きるための彩りとは 【作品紹介】 下書き いつも、帰り道なんだよね。 肩にかけたバッグの重み。傾いている背中。首をかしげた街灯の下の路地裏のオンステージ。ゴム底のストレートチップ。カレーの匂いのする夜道のあと、セブンイレブンの中華丼をレンジに入れて待っている。「一日の半分の野菜がとれる」、そんな謳い文句に安心を買いつつ、明日の朝も野菜ジュースをコンビニで買う。ネクタイをほどいてジャケットをハンガーにかけて、二度、ブラシを往復させるとソファで無意味なアニメを二つ見てあたたまった中華丼を口に運ぶ。ふうっと息を吐いて、沸いた風呂のなかでTwitterを流し見る。何か言いたくなって、何も言わなかった書きかけのツイートがもう53件ある。新大久保で買った韓国製の化粧水を肌にすりこませてベッドに倒れ込んで五度、死んだように眠る。口内炎の痛む目覚め。沁みる野菜ジュースが傷を癒す錯覚。ビタミン剤の異様な尿の色。電車に乗ると腹部にまた嫌な感じがして、手をあてながら、駅についてコンビニにかけこむイメージを絶えず描いて流れていく風景をやりすごす。不自然なフォームでかけこんだコンビニで余計に一つ栄養を気遣った一品を買う。職場までの道で深呼吸。同僚が前方に歩いているのを見つけて少しテンポを落として、暗くなったこの道を思う。 「いつも、帰り道なんだよね。」 片手で書きかけのツイートを増やす。 「下書きに保存しますか?」 「―保存」 そうして 「お疲れさまでした」という上司の言葉で週末に入る。 肩にかけたバッグの重み 傾いている背中 首をかしげた街灯の下の路地裏のオンステージ この日々も 下書きならよかった けれど あのとき言えなかった言葉が 何も言わなかったというその何かが この日々をなお、生きのびようとして いつもの帰り道で ぼくにこのようなものを書かせている 「これは、下書きではない。」 そう つぶやきながら 初回出荷につき限定部数となりますが、カトウトモカさんの描いてくださった装画のポストカード付を販売いたします! ポストカードは七月堂へのご注文と、七月堂古書部店頭、直取引のある個人書店さま、大型書店さまにてお求めいただけます。 著者 佐々木蒼馬 装画 カトウトモカ 装幀・組版 川島雄太郎 発行所 七月堂 四六版 仮フランス装 128ページ 発行日 2023年11月26日 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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忘れられるためのメソッド / 小川三郎(サイン本あり)【七月堂・新本】
¥1,760
小川三郎詩集 死んだあとも、それよりあとも 【作品紹介】 「満天の星空」 だったらもう 満天の星空じゃなくたって かまわないんじゃないか。 いくつか星が あるだけで それでもう いいんじゃないか。 こんなふうに 地球のうえで 一瞬 笑って 泣いたりして やることがまだあるなんて 思わなくたって いいんじゃないか。 未来からの手紙は来ない。 夜はいつも夢を見るから せめて起きている間だけは みんなで笑おう そうしよう なんて 教えたり 教えられたり しなくても。 見上げると 満天の星空。 生まれる前も それより前も あれをずっと 見ていたとして ずっと動かぬ一点だった ただそれだけの 私であるなら 死んだあとも それよりあとも こまることなど ひとつもないので。 著者 小川三郎 発行所 七月堂 発行日 2023年11月16日 A5判 124ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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あかむらさき / 小川三郎【七月堂・新本】
¥1,650
狂おしいたそがれ ほんとうのことが怖くて 小川三郎の作品は一篇一篇が短編映画のように迫ってくる。書下ろしの2点「あかむらさき」と「夕暮れ」が入っているが「夕暮れ」の中で詩人は「夕暮れに絶望し」かかとで石を割ろうとする。石はかかとをかわし、何かを主張するかのように詩人の頭を割る。「森も川も空も雲も」すべてが夕日を眺めている中でこの行為は行われるのだ。石も夕日を見ているというのだが、「石」って誰? 老夫婦の手には 赤黒い手相がこびりついていて その手を川に突っ込んでは ごしごしとこすっている。 私は反対側の岸にいて もう帰ろうとしていたのだが ならばなんとか助けてやろうと 川に足を踏み入れ 老夫婦の方へと歩いていった。 すると案の定というか 川底はぬるぬるしていて 足をとられる。 私が川底に尻もちをつくと 老夫婦は ふたりして顔をこちらに向け はっとした様子をしたが しかし豊作だ豊作だと言い続けながら 手を洗うのをよさなかった。 私の体が 腰からだんだん 薄赤く染まる。 表面だけではなく 身体の内も 髪までも赤く染まる。 (「赤い川」より抜粋) 著者 小川三郎 発行所 七月堂 発行日 2018年10月20日 四六判
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インカレポエトリ9号 鳩【新本】※送料をご確認ください
¥1,000
【内容紹介】 様々な大学の学生が参加している学生詩集の第9号です。 【編集】 朝吹亮二 新井高子 伊藤比呂美 大崎清夏 笠井裕之 カニエ・ナハ 川口晴美 北川朱実 小池昌代 瀬尾育生 永方佑樹 中村純 野村喜和夫 蜂飼耳 樋口良澄 四元康祐 発行 インカレポエトリ 印刷 七月堂 発行日 2023年10月30日 A5判 434ページ 【送料ご選択時にご注意ください】 *1冊→「クリックポスト」 *2冊→「レターパックライト」 *3~4冊→「レターパックプラス」 *5〜8冊→「クロネコヤマト80サイズ」 *9〜10冊→「クロネコヤマト100サイズ」 【関連本】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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鋏と三つ編み / インカレポエトリ叢書23【新本】
¥990
川窪亜都詩集 誰かをおににしなくちゃいけないこの世界は 【作品紹介】 プラスティック・ジャングルで生き延びるには かばんの染みから追憶が広がり サンドイッチを食べた午後 レタスのかけらが風に吹き飛ばされて アスファルトのうえを走った 踏切が開くのを待つ あいだに日曜日の退屈を十本まとめて 踏みつけた、毛羽立った皮膚を掴んで持ち上げた 葉脈が透かすいのちが水を飲むのを急かして 喉に通り抜ける液体は 午前二時の海と同じ色をしていた 眼球と都市のあいだにプラスティックの板が 幾重も重ねられて、その板が増えるたびに わたしの足の裏は地面から少しずつ引きはがされていった 手のひらのなかに街灯がともる頃 にきみと待ち合わせがしたかった 今ではシャボン玉のなかに浮かんで 三叉路を探して 散歩をする保育園児たちを眺めて あの手押し車に乗ってみたかったな(わたしは幼稚園児だったから) などと思って、十字路の数を数えて カラーコーンを脳内で適切に配置して 歩道橋の上り下りの合計段数を予想して ドミノ倒しになった自転車を次々と起こしてゆく人の ゆっくりと歩を進める人が横断歩道を渡るのを守る人の 落ちているハンカチを縁石の上に載せる人の 倒れた人に声をかけるのをためらわない人の 背中に生えかけの羽を見た ビルの間に草が伸びていた わたしは東西南北を知らず ラジオの周波数をうまく合わせられず マスクがずれて正しい言葉が見つからない 二十世紀の尻尾に生まれ 二十一世紀に四則演算を訓練し、文字を覚え、美術に触れ、文学を読み、哲学を学び、ノー トパソコンのキーボードを叩き続けて 詩あるいは免れ得ない死に向かって ただ垂直に上昇するけれど 昇る太陽がまぶしいあまりに すぐに地上に突き落とされてしまう じたばたと四肢を揺れ動かして 地団駄を踏む、情けのなさを きみは見なかったことにした コートのポケットにペットボトルをねじ込んで 明け方にコンビニエンスストアまで歩いた 国道をまばらに走る車のうちの一台の 車体の赤が きりきりと追い詰められて、しぶきを上げた 返り血を浴びたわたしのコートもまた もともと赤かったのだった 歩くほどに赤の一部は濃さを増していった ほとんど黒になってもまだ、コンビニエンスストアは遠かった 手近な人をつぎつぎと恋人にするきみの家には コンビニエンスストアがすぐ近くにいくつもあった 便利さに見放されたわたしのコートに付着した血も そろそろぱさぱさに乾いてきたころだ 顔を上げると太陽がすぐ目の前に あって、皮膚がじわりと汗ばんだ ふいに体温計をかざされて電子音が響いた 三十七度を超えていて足止めを食らった 水と血を交互に飲んで、平熱に戻し 歩を進めるけれど コンビニエンスストアはいまだ遠くて 赤いコートは次第に重さを増して ペットボトルの水はあとふた口分しか残っておらず それもすべて道端の草にあげてしまって 途方に暮れて歩き続ける道すがら、背中に羽の生えた人が 新しいペットボトルをそっと手渡してくれた 開封したはじめのひと口を 目が合った野良猫にあげて 脱げた右足のバレエシューズを履きなおした 著者 川窪亜都 発行所 七月堂 発行日 2023年9月30日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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声霊 / 橘麻巳子【七月堂・新本】
¥1,540
橘麻巳子詩集 【作品紹介】 待ちぼうけの空には 孔だ 日が喰われたという話なら あとから知った (ばかね、 崩れ落ちる体系 足元に 齧ったような熱をもって 射られた光の毒かもしれず 隅々にゆきわたって どこからも吐かれなかったらどうしよう 息ができない (ばかね、へんなの でも 息もできない 五感を使いきったところに ふたつめの太陽が昇ってきたという話 ヒトのことばでなくていいので わたしにも教えてください (「孔」より抜粋) 著者 橘麻巳子 発行所 七月堂 発行日 2021年10月30日 A5判 109ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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本詩取り / 西原大輔【七月堂・新本】
¥2,200
近代の独創性神話を疑う 「本詩取り」は、僕の造語です。もちろん、和歌の「本歌取り」から作りました。この詩集では、全篇が例外なく「本詩取り」の技法で作られています。 「本詩取り」は、僕が新たに試みた作詩術の名称ですが、これは単なる小手先の技術にとどまるものではありません。新しさを追求してきた現代詩は、なぜ袋小路に入ってしまったのか。長い詩歌の歴史の中で、日本の詩は今後どのような方向に進むべきか。この本質的な問いに対し、僕なりの回答を提出したのが「本詩取り」です。(著者「本詩取りについて」より) 「有名な和歌や物語の一節を自分の言葉として応用することは、日本では正当の技法でした」と語る著者、西原大輔の日本の詩と、その未来への思いが凝縮された一冊。古きを知り、新しきを知る。過去の古典詩歌への敬意を示し、未来へ進んでいく。著者の情熱を写し取ったかのような鮮烈な造本にも惹きつけられるだろう。 「午睡(ごすい)」 夏の日暮れに目覚めれば 郷愁(ノスタルジア)の薄明かり 遠い記憶の天井に 亡き祖父祖母の声を聞く ―― 中原中也「朝の歌」改編 「古い恋の歌」 生臭い青春が去り 美しい記憶が残る 恥もなく歌っているのは 赤錆びた恋愛ばかり ―― 萩原朔太郎「題のない歌」改編 「壜を投げる」 大海原のデッキから 壜の手紙を投げ入れる まるで詩人が詩を書くように 誰かに届けと投げ入れる ―― パウル・ツェランの言葉改編 「初めて本を出した頃」 もうこれで死んでも良いと あの時は思ったのだが……… 人生は明日へ続く 明日へのきりのない夢 ―― 広島カープ応援歌改編 著者 西原大輔 発行所 七月堂 発行日 2018年1月31日 A6判 上製・函付 231ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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青草と光線【新本】
¥1,650
SOLD OUT
暁方ミセイ詩集 第31回萩原朔太郎賞最終候補 わたしはしかたなく/人間と恋愛をしていた 新たなる自己を発見し見つめてゆく暁方ミセイ。 夕暮れの光は私たちをゆらゆらとそこに佇ませる。 【あとがきより】 本詩集の詩を書いていた期間、ありとあらゆるものが存在することの価値について考えていました。したがってそれも反映されているかもしれません。だんだん精神の具合が悪くなってくると、まずは四六時中何かの悪い予感にとりつかれ、そのうち積極的に自分は悪しき人間だという証拠を探しはじめます。もっといい人間にならなければ、恥ずかしくない思考と行動をもつ者にならなければ、と思うのですが、一方で、それに激しく反発する自分が、わたしに詩を書かせていました。 【作品紹介】 花畑 あちらの岸にもまた 相似形の地獄が いちめんいちめん展開し 救いのないアラベスクがどこまでも展開し こちらの岸の怒りや悲しみと 相似形の地獄の花畑が どこまでもどこまでも続いているらしい そこを逃げ出す呪文はこう 思考で描くなにもかもは存在しない 陽光 浅い春のまぶしい陽射しと 雪解けの雫のたてる蒸気と 凍った椿のほどける濃い色 風に含まれるもうどうなってもいい冬との境の いまここで血液と酸素を巡らせる感じ そのすべても存在しないが 感じるのもまた本当だ 流れる水の一瞬をとどめられるのは想像だ 自由は その地点でいつでも豊かな風を抱いている 永遠にとまり 永遠にうごき そこに住むことができるなら わたしにひとつの文字が刻まれる 【著者プロフィール】 暁方ミセイ(あけがた・みせい) 第48回現代詩手帖賞(2010) 第一時集『ウイルスちゃん」(2011・思潮社) 2012年、同作で第17回中原中也賞を受賞。 第二時集「ブルーサンダー」(2015・思潮社) 第6回鮎川信夫賞、第 33回現代詩花椿賞最終候補。 第三時集「魔法の丘」(2018)で第9回鮎川信夫賞受賞。 第四時集「紫雲天気、嗅ぎ回る 岩手歩行詩篇」(2019・港の人)に対して第 29回宮沢賢治賞奨励賞受賞。 著者 暁方ミセイ 発行所 七月堂 発行日 2023年3月25日 A5判 114ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
