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sound&color【新本】
¥1,320
やすらいはなや やすらいはなや 文字をつかって言葉をつらねるとして、愉楽をもたらすものが果たして何なのか、とかんがえてみますと、それはまちがいなく韻律の仕掛けによっているということがわかります。流麗さもさることながら、摩擦の多い韻律であってもそれは変わりません。むろん黙読をするときに幽かに脳の舌先で転がされる韻律のことです。もちろん言葉ですから、そこに意味と名指される何かは付着するわけですが、意味が愉楽をもたらすわけではありませんので、いうなれば添えものに過ぎないのかもしれません。ただし、言葉がもつ幾重もの意味の層が常に揺れつづけることで色がひろがり、私たちの脳である種のリズムが生まれてくることも確かで、韻律といった場合、単なる音韻上のリズムをさすわけではなさそうです。――髙塚謙太郎 髙塚謙太郎 著 詩集 2016/07/15発行 130×205 A5判変形 並製 第二刷 発行 七月堂 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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量(サイン本あり)【新本】 ※送料をご確認ください
¥2,750
SOLD OUT
髙塚謙太郎詩集 「詩」と「歌」が一体となって届けられる時、その「ことば」には新鮮な美しさが宿る。 髙塚謙太郎3年ぶり5冊目となる新詩集!! 書き下ろし、私家版詩集、ネット上で公開された「〈末の松山〉考」などを収録。 広い紙面のうえ、新しい構図で詩篇の解体と展開を試みた。 限りなく無意識にちかい意識のなかで、自由に飛躍する詩のことば。 読むほどに広がってゆく髙塚謙太郎の織りなすことばの美しさに、何度でも出会えるだろう。 「目次」 七竅 Blue Hour HANNAH 花嫁Ⅰ 〈末の松山〉考 あ文字のいた夏(マイ・サマー・ガール) Memories 花嫁Ⅱ 「背のすらりと、 抜けていく気がしたから。 思えばテレビの明るさ、静かさ、 暗さがこんなに女のひとのほつれて、 立ち姿が聞こえてくる。 水の溜まった視細胞はわたしは深く、 深さは、ひとかきで闇をやぶって、 映りこんでしまった手の白かった。 文面のまま、 春を待って 会いにくるとは。」 ─本文より抜粋 著者 髙塚謙太郎 発行所 七月堂 発行日 2019年7月15日 A4判 253ページ 【送料ご選択時にご注意ください】 *1冊 →「クリックポスト」 *2冊以上 →「ヤマト宅急便」 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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あかむらさき【新本】
¥1,650
狂おしいたそがれ ほんとうのことが怖くて 小川三郎の作品は一篇一篇が短編映画のように迫ってくる。書下ろしの2点「あかむらさき」と「夕暮れ」が入っているが「夕暮れ」の中で詩人は「夕暮れに絶望し」かかとで石を割ろうとする。石はかかとをかわし、何かを主張するかのように詩人の頭を割る。「森も川も空も雲も」すべてが夕日を眺めている中でこの行為は行われるのだ。石も夕日を見ているというのだが、「石」って誰? 老夫婦の手には 赤黒い手相がこびりついていて その手を川に突っ込んでは ごしごしとこすっている。 私は反対側の岸にいて もう帰ろうとしていたのだが ならばなんとか助けてやろうと 川に足を踏み入れ 老夫婦の方へと歩いていった。 すると案の定というか 川底はぬるぬるしていて 足をとられる。 私が川底に尻もちをつくと 老夫婦は ふたりして顔をこちらに向け はっとした様子をしたが しかし豊作だ豊作だと言い続けながら 手を洗うのをよさなかった。 私の体が 腰からだんだん 薄赤く染まる。 表面だけではなく 身体の内も 髪までも赤く染まる。 (「赤い川」より抜粋) 著者 小川三郎 発行所 七月堂 発行日 2018年10月20日 四六判
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歩きながらはじまること【新本】
¥2,200
西尾勝彦詩集『歩きながらはじまること』 言葉の「森」がここにある 奈良の山で暮らす詩人、西尾勝彦のポケットには、どんぐり、石ころ、いろいろな形の葉っぱや木の実。たくさんの宝物がつまっているに違いない。 『朝のはじまり』、『フタを開ける』、『言の森』、『耳の人』に加え、私家版『耳の人のつづき』を収録。 いつからか 素朴に 暮らしていきたいと 思うようになりました 飾らず あるがままを 大切にしたいと 思うようになりました そうすると 雲を眺めるようになりました 猫がなつくようになりました 静けさを好むようになりました 鳥の声は森に響くことを知りました けもの道が分かるようになりました 野草の名前を覚えるようになりました 朝の光は祝福であることを知りました 人から道を尋ねられるようになりました 月の満ち欠けを気にするようになりました 遅さの価値を知る人たちに出会いました 一日いちにちが違うことを知りました ゆっくり生きていくようになりました 鹿の言葉が分かるようになりました 雨音が優しいことを知りました 損得では動かなくなりました わたしはわたしになりました (『言の森』より「そぼく」) 著者 西尾勝彦 発行所 七月堂 発行日 2018年3月7日 四六判変形 並製 112×155 本文 344頁 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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鳥類学フィールド・ノート【新本】
¥1,980
SOLD OUT
生き物たちの安全で安心な楽園はどこだ みーんなこの地球の仲間たち おはようございます 小笠原鳥類の入門書ともいえる一冊。 編集や装丁は、詩人の榎本櫻湖によるものです。 現代詩手帖やフリーペーパー、ブログなどに発表された詩に書き下ろしの作品を収録。 よいことがあると、いい。あの、ええ、 それが、とても、いい。 とても、穏やかに、うれしい、ことが、いい。 あの川に、いろいろな、種類の歌が 魚が(魚の図鑑は歌の図鑑だ)楽譜が…… 泳いでいて、魚の背中が見える。 魚は透明なので、内臓も見えるだろう健康な。 健康な健康だ、 魚のウロコがたくさんあって、それらの 輪郭の線が黒くなって、見える。 黒い絵、というものが、あった。魚を描いたんだろう 魚の図鑑が、画集で、あって 版画、だった。版画の群れ。 ─中略─ 魚の、とても、光る、部分である。版画で描くなら 金色を少しだけ使うだろう。よいことが 光っているのが、よい。いい。 よいことがあると、いい。 おそろしい未来が来ないのがよい。魚の 版画を集めた本を、ギギギギギーと開くと、 「明るい未来もある」と、書いてあった。 どうなんだろうなあ、よいことが、 あれば、とても、よい。いい。歌うだろう それから魚を描くだろう、魚の ウロコたちの線をたくさん描くだろう。 背中にウロコがたくさん描かれるだろう。背中を 濃い灰色で塗った。水彩で描いた。 とてもよいことになればよい。よいことが、 あれば、いい。おはようございます (「魚の歌」より抜粋) 著者 小笠原鳥類 発行所 七月堂 発行日 2018年6月10日 四六判変形 113ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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あのとき冬の子どもたち【新本】
¥1,320
峯澤典子、第三詩集。 ぬくもりはじめた 祈りのかたちに 冬が 訪れる この〈旅〉は、通り過ぎていく景色の印象を残しながらも、別の空間、時間を移動しているようだ。ふとした気配が記憶を呼び覚ますように、うす暗い空の下、それでも光を求めて彷徨う。 マッチを擦っても 新年の雪みちには犬の影もない ひと足ごとに 夜の音が消えてゆく 冷気を炎と感じられるほど ひとを憎むことも 許すことも できなかった せめて てのひらで雪を受ければ いつまでも溶けない冬が ふたたび訪れることはない病室へ流れていった それを流星と呼んでいらい わたしの願いはどこにも届かない それでも星は 清潔な包帯のように流れつづけた(「流星」) 第二詩集『ひかりの途上で』(七月堂)で、第64回H氏賞を受賞した峯澤典子さんの最新詩集です。 第一詩集 H氏賞受賞作『ひかりの途上で』https://shichigatsud.buyshop.jp/items/6048424 峯澤典子 2017/02/01発行 発行所 七月堂 四六版 並製カバー付 カバー・表紙デザイン:吉岡寿子 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ひかりの途上で【新本】
¥1,320
第64回H氏賞受賞 詩とは美しい言葉 静かな映画の場面がゆっくりと移り変わるような感覚。 思い浮かぶ情景は人それぞれかもしれないが、この独特の淡い美しさを味わう感覚は共通ではないだろうか。過去でも未来でもなく、現在とも少し違う場所から俯瞰して見たような世界。そこで描かれるのは鎮魂の時代から新しい命の時代へとシフトしつつある私たちの姿だ。 何度いのちが絶たれても ひとの手はなお 花びらを模して どうしても やさしく生まれようとする (「途上」より) 第二詩集『あのとき冬の子どもたち』https://shichigatsud.buyshop.jp/items/5876871 峯澤典子 著 詩集 2013/08/06 四六判 並製 第4刷 発行 七月堂 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ルーネベリと雪(サイン本あり)【新本】
¥1,731
タケイ・リエ第三詩集 あっ、晴れた。 手さぐりでたよりない闇のなかをすすんでいくと、 見慣れた風景がまあたらしくうまれかわっている。 なつかしい景色がまばゆい光につつまれて、 はだかの街路樹もかがやいている。 (帯文より) 図鑑を眺める。眠るまえのせかいはやさしい。だから、気がとおくなるほどたくさんのいきものが食べて食べられる世界を眺める。まよなかの、まんてんの星の下に無数の国。赤いろ。青いろ。緑いろ。夥しいかずの屋根の下で。多様なにんげんの図鑑もひろがる。 (中略) うまれてくるひとよりもしんでゆくひとのほうが多くなってきて、ようやくさしせまったと感じるなんて身がすくむような思いがする。わたしたちはいったいだれから、救われればいいのだろう? いまこのことについてだれかとはなしあいたいのに、だれとはなしあったらいいのだろう。あなたの考えている本当のことがわからない。悩んでいたらみえない動物が近づいてきて、はなしが通じる言語を習えって言うの。それが愛情だろうって言うの。おかしいよね。いまからでもまだ遅くないんだって。本当に、覚えられるのかな。せかいはとても広くてプールみたいになってしまった。大きな水溜まり。あるいは、砂漠のようなもの。だけど、はだし、はだかでも、大丈夫なんだって。本当かな。本当なら、服を着ているのがじゃまになるかもしれないね。あなた、いっしょにぬいでくれる? あなたがいっしょならわたしだってもう、こわくないんだよ。 (「ミーアキャットの子は年上の兄弟からサソリの狩りを学ぶ」より抜粋) タケイ・リエ 岡山県生まれ 詩誌「どぅるかまら」「ウルトラ」「Aa」同人 詩集『コンパス』(ブロス) 詩集『まひるにおよぐふたつの背骨』(思潮社) 詩集 著者 タケイ・リエ 装幀:伊勢功治 発行所 七月堂 発行日 2018年9月30日 A5判変形 92ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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新装ポケット版 のほほんと暮らす【新本】
¥1,210
「たとえば、歩くだけ、 ただいつもの道をゆっくり歩くだけで 見える景色が変わる。 世界が変わるのは、ほんとうに簡単なこと。 西尾さんのこの本には、いろんなところに、 のほほんとなるスイッチが入っていて、 持っていると、いいなと思います。」 ──帯文:長谷川書店水無瀬駅前店 長谷川稔 【本文紹介】 あえて じっくりと 時間のかかることをしてみましょう 豆を挽き珈琲を ドリップしてみましょう 使い込んだ鉛筆を ナイフで削ってみましょう カセットテープで 懐かしい音楽を聴いてみましょう インクを入れ 万年筆で手紙を書いてみましょう 本を読み 心に残ったことを 文章にまとめてみましょう (「時間のかかることをしましょう」より) 2019年3月に発行した『のほほんと暮らす』に、「第六部 のほほん生活の願い」を新たに書下ろし、新装ポケット版として再発行いたしました。 表紙と挿画は、ちぎり絵作家の渡辺えみさんの作品です。 【著者より】 「『のほほんと暮らす』刊行に寄せて」 『のほほんと暮らす』は、僕なりの幸福論です。 どのように日々の生活を送れば穏やかさや安らぎが得られるのか。そのヒントがたくさん詰まっています。すこし詩的な実用書として書きました。 多くの人に読んでいただけたら幸いです。 ─西尾勝彦 【著者プロフィール】 1972年生まれ。京都府出身。奈良市在住。35歳の頃より、天野忠、尾形亀之助などの影響を受け詩を書き始める。 主な詩集に『歩きながらはじまること』(七月堂)https://shichigatsud.buyshop.jp/items/10202899、『光ったり眠ったりしているものたち』(BOOKLORE)https://shichigatsud.buyshop.jp/items/5835577などがある。 【発行記念プレゼント】 「新装ポケット版 のほほんと暮らす」の発行を記念して、渡辺えみさんのちぎり絵に、西尾さん自筆ののほほん一言が書かれた「のほほんちぎり絵ハガキ」をプレゼントいたします! (*数量限定・絵柄は選べません。なくなり次第終了となります*) 【お取り扱い店舗さまなど】 https://note.com/shichigatsudo/n/necfbac561a21 著者 西尾勝彦 発行所 七月堂 発行日 2020年7月20日 四六判変形 110×160 128ページ 表紙・挿画・ちぎり絵 渡辺えみ 【関連本】 https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2004627 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ふたりはひとり【新本】
¥2,200
わたしの声が きこえますか 白い火を 灯して 一緒に うたってほしい ふたり ほんとうに 生きること 夢と うつつの あわいで ーーーーー 『光ったり眠ったりしているものたち』(BOOKLORE)より約4年ぶりとなる、西尾勝彦の新詩集です。 イスラエル発の革靴「NAOT」のウェブサイトに連載された詩に加筆し『ふたりはひとり』はうまれました。 たとえ会えなくても、触れることができなくても、大事な人や存在との世界が、ゆるぎなく、これからもずっとつづいていきますように。 「ふたり」も「ひとり」も、同じように大事であれますように。 そんな願いをこめて『ふたりはひとり』の制作にあたりました。 著者 西尾勝彦 四六判変形 135×140・上製・帯付き 108ページ 2000円+税 発行 2021年3月21日 発行所 七月堂 発売 2021年3月下旬~4月初旬 ISBN 978-4-87944-411-7 装画・挿絵 小川万莉子 組版・装丁 川島雄太郎 撮影 菊井崇史 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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七月堂のヤバイ本フェア冊子
¥130
こちらは七月堂のヤバイ本フェアの冊子のみ購入希望というお客さま用です。 価格は実質送料代となります。 【冊子内容】 ◉髙塚謙太郎『量』自註解説 ◉TOLTAによる解説「髙塚謙太郎『量』について」 ◉37人の詩人、作家に聞いた。「あなたにとってヤバイ作品」 *参加作家* 赤城斗二男・朝吹亮二・阿部弘一・一方井亜稀・大野南淀・藤本哲明・村松仁淀・大橋弘・小笠原鳥類・小川三郎・鎌田伸弘・川津望・河村悟・菊石朋・窪島誠一郎・倉本修・栗原洋一・黒崎立体・黒田夜雨 ・Shie・白島真・神泉薫・杉中昌樹・湊禎佳・髙塚謙太郎・タケイ・リエ・辻和人・永澤康太・西尾勝彦・深沢レナ・藤井晴美・古溝真一郎・増田秀哉・峯澤典子・宮内喜美子・梁川梨里・四方田犬彦(五十音順・敬称略) ◉特別寄稿:野村龍コラム「ヤバい音楽家 バルトーク・ベーラ」 . . 七月堂から本をだしてくださった、(それぞれにヤバイ本の生みの親でもある!)一部の作家の皆さまにご協力いただき、「あなたにとってヤバイ作品」を、書籍とそれ以外のジャンル(映画・音楽・舞台などなど)からも選んでもらってコメントをいただきました。
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馬券と人生【新本】
¥1,320
疲れた競馬ファンには癒しの一服。初心者には更なる興味への第一歩を。 赤城斗二男の2冊目の本である。1冊目は馬券攻略本『競馬ジャンキーの極意』。 今回は49年間中央競馬の全レースを買い続ける著者の人生にまつわるあれこれがあふれ出したのだ。 前著でも話題になったエッセイを中心に毎週リアルタイムの入稿で一年間を繰り広げる。 【試し読み】 https://note.com/shichigatsudo/m/m9312d10e1f63 著者 赤城斗二男 発行所 七月堂 発行日 2019年9月18日 四六判 251ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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密室論【新本】
¥2,200
SOLD OUT
光あふれるこの密室は白紙そのもの 《『密室論』復刊》 指のおもむくままに頁をめくり、 目のおもむくままにそれを読む。 あるいは、任意に開かれた頁に記された文字を、 声に出してみてほしい。 紙と声、また紙と指、指と目とのあいだで執りおこなわれる性愛に、 つかのま溺れるだろう。 著者 朝吹亮二 装訂 金澤一志 発行所 七月堂 発行日 2017年7月22日 A5変形 並製カバー付 杉中昌樹選書 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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葡萄樹の方法【新本】
¥2,200
葡萄樹が、より深い酩酊を求めて蔓枝をのばすように/結実の春を迎え、ふたたび冬の旅へ… 阿部弘一の23年ぶり4作目の詩集となります。 御年91歳にして、第一詩集の発行より57年の月日が流れてもなお、「幾何学を習いはじめたばかりの中学生のように」、〈問〉と〈解〉を輪廻する詩人の、深い酩酊を誘う詩集です。 グラスに注いだ葡萄酒を片手に、私は、厚いカーテンを閉じた窓辺のソファに沈む。 私の〈問い〉は、〈問い〉そのものがひとつの〈解〉であり、また、その〈解〉がいつしかまた〈問い〉そのものに還っていく性質のものであるらしい。 (「葡萄樹」より抜粋) ─略─ 平成十四年(二〇〇二)四月、出羽国瀧の山の遠い風鳴りの中への、私の再度の旅。 谷間を望むことはできないが、風の底に聞こえてくるかすかな渓流のひびき、ようやく草の萌えはじめた山腹のゆるやかな丘に群生する〈おおやまざくら〉。それらの各々は、根際から異様に分岐し、数本の暗紫色の太い樹幹となって枝を四方に張り、地を覆う。あたかも積年の深い雪の重みの記憶を終生荷なうかのような樹形。そしていま、突然襲ってくる陽春の夥しい光の粒子。一瞬の植生の放心の吐息であるかのような、開花。花のさかり。丘の上の、いちめんの。 「櫻の常よりも薄紅の色濃き花」の「並み立てりける」この丘の澄み渡った春の一日を、通り過ぎる翳りのように見て行ってしまった誰かの真昼間の、天空の夢の内部。うち棄てられた絵巻のような。 ─略─ 櫻守は、どこにいるのだろう……。 (「瀧の山・考」より抜粋) 阿部弘一(あべ こういち) 1927年東京に生まれる。 詩誌『獏』の同人。 著書 詩集『野火』(1961年思潮社) 詩集『測量師』(1987年思潮社) 詩集『風景論』(1995年思潮社)第14回現代詩人賞 『阿部弘一詩集』現代詩文庫152(1998年思潮社) 訳書 フランシス・ポンジュ『物の味方』(1965年思潮社「現代の芸術双書」Ⅷ) フランシス・ポンジュ『表現の炎』(1980年思潮社) 編・訳書 『フランシス・ポンジュ詩選』(1982年思潮社) 著者 阿部弘一 発行所 七月堂 発行日 2018年7月20日 A5判変形 69ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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青色とホープ(サイン本あり)【新本】
¥1,430
詩の言葉によって再生される、都市の捨てられた風物、名指されぬ人びと、止まった時間。 煙草の吸い殻みたいに褪色して、それでも揺るぎなくそこに在る「不在」を、私たちは確かに目撃するだろう。 (小林坩堝) 駐車場の隅に置き去りにされたカートがあり 人類最後の日にもおそらくそれはあり続けるだろう やがて土に還っていくひふを前に 逸脱を許さない骨だけが 垂直に空をさし 発語の手段は持たない これが文字なのだとすれば 耳元で響く母語はなつかしかった 錆び付いていく鉄骨が 時の経過を告げる 二車線の道を挟んで 向かいのバス停は傾いてあり 歩道の落ち窪んだ辺り かつてリュックを背負った男はいて 名も知らない その男はどこへいったか バスが来ても乗らず 時折ひとに話しかけては 何を考えているのかは分からなかった 発語される文字は文字の形のままに たちまち空へ吸われていき ビルの屋上 SOSのフラッグが揚がったこともあったその柵の辺り 今は赤い風船が浮かんでいる それを手放した 幼子の 行方も知れず 薄闇に反応した 外灯がともる 駐車場に 草のなびく音だけが立ち 解析されない監視カメラ 回る (「誰も知らない」) 著者 一方井亜稀 発行所 七月堂 発行日 2019年11月1日 四六判 85ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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東京湾岸 歌日記【新本】
¥1,980
日記×短歌×古本×異界 日記と銘打つ以上、まあまあ事実といっていいエピソードが多いわけであるが、簡単に信用してはならない。(後書きより) 2005年の創刊より現在も発行されている、エッセイを中心とした同人誌『モーアシビ』で連載された、『風船乗りの汗汗歌日記』を編集した一冊。 「×月×日」に表される日記の在り処は自由軸上。 曜日にいたっては実在するもしないも織り交ざった鳥の名前。 大橋弘の描き出す、日常と異界の合間でたゆたう幻想世界をご堪能あれ。 ×月×日(ヒガラ) 毎年恒例、神保町の古本祭りに参戦。八重洲地下街で飯を食い、中央線経由でお茶の水から会場に乗り込む。すずらん通りは新刊本のディスカウントが主体。猛烈な人出。ちっとは覗いてみるが、案外こういう本に触手は伸びない。靖国通りに出るが混雑ぶりに拍車が掛って本すら見られず。仕方なく信山堂の裏、というかみずほ銀行の裏にあたるのか、とにかくあの辺りでまず小林信彦・文、荒木経義・写真『私説東京繁盛記』を、靖国通りに戻ってけやき書房で中里恒子『土筆野』と加藤克巳『青の六月』を。さらに「コミガレ」に入って二週間ほど前に買いそびれた尾崎雅嘉『百人一首一夕話(上)』を入手。一応三省堂にも入って新刊を物色するが琴線に触れるものなし。夜、藤岡忠美『紀貫之』を読了。すぐさま大学の同窓、守屋淳氏の『論語に帰ろう』をスタート。学究肌一辺倒ではなく、適度に砕けた感じもあって、脱帽。 東京都渋谷区笹塚三丁目、味噌こんにゃくは元気だろうか (本文より抜粋) 著者 大橋弘 発行所 七月堂 発行日 2018年6月1日 B6判変形 262ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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網棚のうえのリヴァイアサン【新本】
¥2,200
鎌田伸弘詩集 ユーモアとペーソスに満ちた悪魔祓い 多くの作品に動物が出没する。彼らの生き様は本書を読んで頂きたい。 何よりも豊かな語彙が私たちをカマタノブヒロ劇場へ連れ込んでしまう。 トップの作品は「水詩」と始まる。水死?とのイメージで私たちを煙に巻く。2番目の作品は「水しらず」とくる。始まりはこうだ。 少年は向こうみずだった/青年は世間知らずだった/年よりは冷や水だった/三人はみずしらずだった//……と。 この三人は渋谷の町でそれぞれの状況を纏いながら時とともに流れてゆく。その有様が痛快だ。 朝 いつものあさ さあ いつものように コーヒー片手に いつものように 部屋の窓を開けると そこは いつもの朝ではなかった 頭上には雀の巣 雨戸のシャッターのすぐうえ ぼくのあたまのすぐうえ きのうまではなかったのに いつのまに作ったんだろう いつのまに巣喰ったんだろう 一羽の親雀が (中略) いつしか電柱には あまたの雀 ぼくのあたまには 一羽の雀 百万の雀と 一羽の雀 いくつもの朝と たったひとつの朝 いつもの朝と あらたなる朝 朝 さあ! おはよう そして ようこそ 雀の一族 いくつもの夜のあとの いくつもの朝 九十九の夜のあとの たったひとつのぼくの朝 いつまでも いつまでも 進め すすめ (「雀時計」より) 著者 鎌田伸弘 栞 野村喜和夫 発行所 七月堂 発行日 2018年11月30日 四六判変形 181ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ミュート・ディスタンス【新本】
¥1,731
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川津望第一詩集 ミュートする内臓がまぶしい 潜勢態としてのそのような自己を生きようとするヴィヴィッドな言語的生き物、それが私たちのまえにあらわれた新星川津望ではないか。 ──野村喜和夫 唐突だが新嘗祭における「魂振り」が時間と生命の活性化を促すように、川津望の詩集は心と身体の活性化を促す。 ──田野倉康一 流れるものは見当たらないが 欄干から身をのりだす (もういない月の王様 うしろから力づくで (日も息も短くなった きゅうりの浅漬けのように揉みしだかれ とっさに叫んだ王様の名まえ (お手を触れないでください 抵抗したことも 一週間で破棄された婚約も オートロックなのではいれない かつて川が蛇行していた付近で タクシーに乗った わたしは貨幣で星座にされたっぽい (「記憶喪失」より) 著者 川津望 発行所 七月堂 発行日 2018年9月15日 A5判変型 93ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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弥勒下生【新本】
¥2,200
SOLD OUT
詩人、河村悟。 初の句集。 『鹿首』創刊号と第二号に掲載された作品に、あらたに未発表の句を加え、改訂と整序をほどこした三百句を収録。 ことばの奈落は怖ろしい。殺伐とした斬り合いのようなことばと肉声の〈私戦〉のあと、深い沈黙と闇がわたしを覆い尽くす。舞踏の闇のなかで百句詠みあげれば、わたしは百度斬り殺された。読み了ったとき、ことばはどこにもいない。神々は跡形もなく飛び立った。わたしの残身を置き去りにしたままで。 (著者「あとがきにかえて」より) 著者 河村悟 句集 2017年9月8日発行 発行所 七月堂 A5変形 並製カバー付 本文190ページ
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涅槃雪抄【新本】
¥1,980
歿後五十年 三島由紀夫の ことの葉の雪に献ぐ 四句神歌 著者 河村悟 発行所 七月堂 発行日 2020年3月15日 A5判 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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耳の生存【新本】
¥660
耳たちが いちもくさんに駆け出す 「耳の生存」は一編の長編詩である。 静けさから一気に細胞が活性化するようにイメージが流れだしていく。 そのイメージは「耳」という象徴的な身体性、それと表裏一体の神秘性を強く感じさせる。 わたしは見ていた それが 名前を与えられたようなはじまりならば 終わりはなくなる 泥土の深い静けさの中で 頭骨は輝いているのだと それは、 わたしの頭の中の ときめきのような痛みで 共鳴しあい、そこから涙があふれるようだ 孤独というのならば 夏の空よりも晴れ 雨よりも冷たく わたしのからだは目覚めている(「耳の生存」より) 菊石朋 著 詩集 2017/01/27 発行所 七月堂 A6版 並製カバー付
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ぜんぶ、嘘【新本】
¥2,200
夭折した画学生の作品などを展示する「無言館」や、閉館した「キッド・アイラック・アート・ホール」、「信濃デッサン館」の館主として尽力し、また実の父親である水上勉氏や実母、養父母や妻との暮らしのなかで、ただひとりの人として、窪島誠一郎が抱えつづけた孤独の軌跡。 宿題を忘れた子のように 私はもう 何年も前から 波間にうかぶ小さな机に かじりついている 机の上には 使い古した万年筆 ちびた消しゴム 何本ものカートレッヂが 港に停泊する小舟みたいに 所在なげに ちらばっている なのに 私は私宛の手紙を 一行も書けないまま もう何年も 白い便箋をみつめているのだ この机から 身体を離したら 私はきっと 海に沈んでしまう 鋭いキバの魚たちに 食われてしまう 机の上の 使い古した万年筆 ちびた消しゴム 何本ものカートレッヂが 港にうかぶ浮標(ブイ)のように ゆらりゆらり ゆれている なのに 私は私宛の手紙を 一行も書けないまま もう何年も 白い便箋をみつめているばかり (「港」) 窪島誠一郎(くぼしま・せいいちろう) 略歴 1941年、東京生まれ。 美術館館主・作家。 長野県上田市在住。 著書 『信濃デッサン館』(平凡社) 『詩人たちの絵』(平凡社) 『わが愛する夭折画家たち』(講談社現代新書) 『無言館 - 戦没画学生「祈りの絵」』(講談社) 『無言館ものがたり』(第四六回産経児童出版文化賞受賞・講談社) 『「明大前」物語』(筑摩書房) 『父・水上勉』(白水社) 『「無言館」にいらっしゃい』 (ちくまプリマー新書) 『くちづける 窪島誠一郎詩集』(アーツアンドクラフツ) 『日暮れの記 ―「信濃デッサン館」「無言館」拾遺 』(三月書房) 他多数 著者 窪島誠一郎 発行所 七月堂 発行日 2019年3月11日 四六判 103ページ 【関連本】 窪島誠一郎著書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2661151 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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美しい動物園【新本】
¥1,650
「絵と文」による幻想譚 ようこそ、美しくも奇妙な動物園へ。 表紙絵から既に不可思議な胸騒ぎを覚える。本を開くとまず眼に入る岩のような遊び紙、続く扉も凹凸感がある。そして始まるこの「絵と文」による幻想譚。そこで気づく、読者は岩山や砂漠を越えて〈ユルムチ〉という奇妙な土地にやって来たのだと。文によって体験される絵の中の世界は荒涼で殺伐としており、現実とは違う法則性に満ち、危険であり、とびきり魅力的だ。 檻の前に立つとわたしはフェルトンに聞いた。そんなに腹が空いたのか。餌に限りがあるのにいったいどれだけ喰えばたりるのだ? ……おれは生命ある限り喰い尽くさなければならないとフェルトンは言った。それが自分の進むべき道だとも言った。 なぁあんた腹は空かないかい? 今度はフェルトンが聞く。おれには風に揺れる樹々のざわめきや鳥のさえずりでさえ「喰え」と言っているように聞こえる。これはお互いの生命にかかわることだから言うがおれはあんたをどうしても喰いたい。その出っ張った腹や脂ののった太い腕。さぞ旨かろう。この檻はいずれ壊れるに違いない。おれの身体はどんどん大きくなっていくからだ。(「美しい動物園」―[felton]より) 著者 文・挿画:倉本修 発行所 七月堂 発行日 2015年5月11日 四六判 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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芸術のルール【新本】
¥1,980
黙示し隠る[画と文]。群を抜く泥濘の中を抜け あなたは□型・○型・△型のヒントを孕む「芸術のルール」を発見するだろう。 栞・阿木津英/小池昌代/宗近真一郎/四元康祐 高貴にして、卑俗、卑俗にして、高貴。これが倉本修と最初に会ったときの印象であった。 そして奇妙なことに(と言うべきだろうか)、それがこの散文集を読んだあとの印象でもあった。 文は人なり、人は文なり、と言うべきであろうか。(吉田文憲) 26 子どもの風景 [The landscape of the child] よし、という声が聞こえる。かれは紐を引っ張った。その紐が言う。 わたしは息の吸い方を知らない。 わたしは息の吐き方を知らない。 わたしはわたしを支えるべき、なにもかもを知らないのだ。 紐曰く、そも「わたし」とは何なのだ? あらかじめ設定された張力の限界を超えたとき、かれはひきち切れ「息の止め方」をはじめて知るのだろう。 子どもらは、猿にしか興味を示さない。猿に導かれ立派な猿に育つまでの一本の川。その川筋に添うように流れ刻される幾重の轍がみえる…遊戯の跡、病みの跡、戦慄の跡、名をもたない多くの痕跡がある。 喉頭の痛みゆえに、口を噤む猿たちのなんという愛おしさよ。 「わたしが42年前に受け取った手紙を再び開く気になったのは、不思議な羽根つき猿を見たからです。恐ろしく危険なその生き物は、ばらばらになることで一瞬にして闇に消えてゆきました。それが何なのか、わたしには推し測ることが出来ないのです」アルフレッドは述懐する。 歳月をかけたちいさな川は大河と合流する。流され、沈んでいった羽根つき猿の残骸は、其処此処に浮かび上がり漸く光りを得る。それらを手にとり、かれは河を憎み涙し、そして嘔吐するだろう。 わたしはそろそろ此処を去ろうと思う。羽根をもたない息子と二人。 昊は笑って見送ってくれるだろう。 著者 倉本修 発行所 七月堂 発行日 2020年5月30日 A5判変型 87ページ