1/2

場末にて【新本】

¥1,540 税込

別途送料がかかります。送料を確認する

すべてのアウトサイダーへ贈る


七月堂創立50周年記念企画第二弾!

このたび、西尾勝彦新詩集『場末にて』を発行いたします。
詩集単体としての発行は、『ふたりはひとり』より二年ぶりのこととなりました。


【著者コメント】

作品「場末にて」を書いたのは2019年のことです。大阪のとある小さな書店で開催された朗読会のために書き下ろしました。記念にするつもりでその店主を描きはじめましたが、次第に自分のこととなり、未来のこととなり、すべてのアウトサイダー、場末を支えるひとたちのための言葉になっていきました。朗読会当日、しずかに読み切ったときの気持ちはまだ覚えています。あの日から、4年。ようやく、詩集『場末にて』を完成させることができました。多くの人々の手に届くことを願っています。


【版元コメント】

この詩集はきっと、誰かにとって、ひと休みさせてくれるような、木洩れ日がきらめく木陰のような、そんな一冊になるのではないかと思いながら制作を進めてまいりました。
こうして形にすることができ、嬉しい気持ちでいっぱいです。

装画は前回の詩集『ふたりはひとり』につづき小川万莉子さんの描き下ろし作品です。場末にてひかる小さな明るみを表現してくださいました。

この詩集には、「場末」に生きる人たちやそんな人たちがつくる場所がたくさん登場いたします。
ほの暗いなかでしか見えないくらい、けれど確かに存在する、ちいさなやすらぎの灯のような一冊です。
ぜひお手にとってご覧ください。



【作品紹介】


彼は
うすい背中のひとなので
職場から
誰よりもはやく
家に帰るみたいだ
いつも歩きなので
駅に着くころには
埃っぽい風のなかである

ちょっとうつむきかげんの
ふうわりとした顔つきで
行きと帰りでは
気持ちに
ほとんど変化がないみたいだ

夕暮れの
あわい光のなかを
彼は歩いている

うすい背中のひとは
駅近くの和菓子屋に
立ちよっている
病弱の妻に
若鮎を買って帰るらしい
がま口を開けて
一枚いちまい
小銭をかぞえている



著者 西尾勝彦
装画 小川万莉子
装幀・組版 川島雄太郎
発行所 七月堂
発行日 2023年10月10日
175mm×110mm 132ページ


________________________________________

※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。
https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

商品をアプリでお気に入り
  • レビュー

    (278)

  • 送料・配送方法について

  • お支払い方法について

¥1,540 税込

最近チェックした商品
    同じカテゴリの商品
      セール中の商品
        その他の商品