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ふたば【新本】

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道山れいん詩集


”今やらないと… 時だけがすぎていってしまうんです” そう言われて参加を決めたアートプロジェクト。そして行った町は … だれかのふるさと、 かえれないふるさと、 かえろうとするふるさと。  これはみんなにとっての「ふるさと」の話。
─── 道山れいん


あるとき、道山れいんさんにとある依頼が舞い込みました。それは、福島県双葉町への関心を集めるための「メッセンジャーインレジデンス」に参加してほしいというものでした。

双葉町の未来を切り拓くをテーマに活動しているヒラクフタバによって企画されたもので、アーティストや写真家、編集者など、さまざまな立場にある人たちが実際に双葉町に3日間滞在をして、そこで感じ取ったものを作品などにして残し伝えていくという企画です。

道山さんはそれまでほとんど双葉町のことを知らず、ある意味部外者ともいえる自分が立ち入ってもよいものかと逡巡しました。それでも、と悩んでいた時にかけられた言葉で双葉町への訪問を決意します。

それが冒頭にある道山さんのことばです。

このたび刊行する詩集『ふたば』は、そのような過程で、道山さんが東京から車を走らせ辿り着いた双葉町へ何日か滞在し、そこで出会った人や風景と接してうまれた詩集です。


忘れてはイケナイ、そう紡がれる言葉は沢山見てきたけれど、ここにある言葉は軽やかにけれどずっしりと確かな重さを持って腑に落ちてくる。
思い出す、ふるさとの事。
思い出す、自分ではない人の事。
――帯文:吉岡里帆(俳優)



【作品紹介】
へんなはなし


だれもしらないなんて

へんなはなしだ



だれもくちにしないなんて

へんなはなしだ



だれもおぼえてないなんて

へんなはなしだし

へんなのはじぶんなのかとおもってくる



だけどへんなはなしだ

それにしてもへんなはなしだ


へんなはなしをつづけよう

へんだとわかるひがくるまで

くるとねがって

へんなはなしをしつづけよう

へんじゃなくなるそのひまで



【著者プロフィール】
道山れいん Michiyama Rain

東京大学文学部国文学科卒。詩人。
2019年 フィンランド・ラハティ詩祭映像詩部門で日本人初の優秀賞。 2022年 朗読詩の大会「Kotoba Slam Japan」全国優勝。
2023年 国際ポエトリースラム大会・パリPSW(20ヵ国)とリオWPSC(40ヵ国)に日本代表として出場、リオデジャネイロでは日本人初の準決勝進出。
2024 年 台北市での国際ポエトリースラム準優勝。
詩集「水あそび」「水の記憶」「しあわせでいいじゃない」
Instagram @michiyamarain
X @michiyama



著者 道山れいん
帯文 吉岡里帆
装幀・組版 川島雄太郎 
発行所 七月堂
発行日 11月30日
発売 12月1日(文学フリマ東京39にて初売り)
117mm×188mm・並製・小口折り・帯付
216ページ


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