星のゆらぎに火を焚べて【新本】
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星野灯 詩集
詩の中の「私」が、書いている「私」より少し先を歩いている。
未知な自分を詩のなかの「私」が生きようとする時、言葉の星はゆらぎ、詩は透明な比喩の秘密を語りはじめる。
――時里二郎
星野灯さんはこれまで私家版の詩集を発行するほか、展示会や朗読会などを開催し活躍されてきた詩人です。
これまで発表されてきた作品を中心に、書き下ろしをふくめた詩集を発行することとなりました。
等身大の自分で生きて、言葉を紡いでいくということ。
だからこそ光るものがあるということをそっと教えてくれるような詩集です。
【作品紹介】
手に
宇宙の端っこにいる
海に浮かんでいて
何も掴めないまま
ただ一人、夜を揺蕩う
シーツの抱擁の中、頬は濡れ
言葉をまた費やす、延命のため
粗大な心なら少しの悩みも
篩にかけず流せたのでしょうか
時は泡沫、
星を美しいと賛美する者が
なぜ死なねばならないのか
未だわからないままでいる
命であるということ
そこに在って
ここに亡い
ただそれだけのことに
深い傷を手にして
そのほかの何もかもを
持てないままでいる
【著者プロフィール】
星野灯(ほしの・ともる)
2001年10月生まれ、兵庫県出身
2021年神戸新聞文芸年間大賞受賞
詩の個展「街に詩があればいいのに。」(2023年)
「ポエトリーゴーランド」(2024年)
詩の朗読会「冬眠し損なった私たち」(2024年)
著者 星野灯
装画・挿絵 星野灯
帯文 時里二郎
組版・装幀 川島雄太郎
発行所 七月堂
発行 11月29日
発売 12月2日頃
四六版・並製・カバー帯付
152ページ
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