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隣にいる / 飯塚裕介【七月堂・新本】
¥2,090($13.32)
予約商品
なにも感じないのがこわいのよ わたしにとっては。 【作品紹介】 習慣 ミモザの水を替えてから ブラインドの白い棒を捻り 朝陽を入れたり遮ったりして 絶対に起こさない程度に いたずらしてコーヒーを飲み干す。 突如脳内に溢れ出した 存在しない記憶だとか 考えてみるけど タイムラインに流れてくる あまりに綺麗な 景色たちの返信欄は 実在する場所の名前で 埋め尽くされている。 冷凍庫には カチカチのベーグルが 雑に放り込まれて 寝息を立てているから この機械は少しだけうるさくて たまに不気味なことばを 夜に吐き出す。 忍び足で トイレを済ませ手を洗い そのままコンタクトレンズを装着して 排水口に絡まった 髪の毛の黒いのを 人差し指と親指で 掴み取って捨てる。 こういう朝を迎えているのを あなたは知っているのだろうか 著者 飯塚裕介 発行所 七月堂 発行 2026年11月10日 四六判・並製 94ページ
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のほほん手帖2027(フリースケジュールver)
¥1,870($11.92)
今年もまた、西尾勝彦さんのアイデアで作り始めた「のほほん手帖」が発売となります。 昨年に引き続き、西尾さんの自筆バージョンに加え、使いやすさと自由度を増すためにリニューアルをし、年月日やタイトルをご自身で書き入れていただけるようにした「フリースケジュールバージョン」を発売いたします。 フリースケジュールバージョンはご自身で年月日を書き込むスタイルです。 書く月があったり、なかったり、気まぐれな方にもおすすめです。 白紙やドット罫線、わら半紙のような質感のグレーの紙を使用したメモスペースもたっぷりご用意いたしました。 絵日記やアイデアノートにもご利用いただいています。 どちらも「月ごとのことば」と「二十四節気に添えたことば」を西尾さんが書き下ろしてくださっています。 『のほほん手帖西尾勝彦自筆バージョン』はこちらをクリック https://shichigatsud.buyshop.jp/items/157591208 西尾さんの自筆バージョンは数量限定となりますので、2027年の西尾さんののほほんとした言葉を自筆文字で楽しまれたい方にはこちらをぜひ。 今年はフリースケジュールバージョンにも表紙の箔押しを施しました。 西尾勝彦自筆バージョンは、深いミッドナイトブルーの表紙にパール箔。 フリースケジュールバージョンは、やわらかな生成り色の表紙に濃紺の箔を合わせています。 【今月ののほほん(自筆・書き下ろし) より】 「すべてに意味はあるけれど、すべて不明なのです」 「帽子に蝶がとまっています、それが目印です」 「ことばにすがらず、からっぽになる」 【二十四節気の詩(書き下ろし)より】 小寒 草原の雪、鹿たちのひかり 雨水 土からはじまる、みえないものたち 啓蟄 ようやく動き出す、わたしとあなた 穀雨 森の木漏れ日、拾いあつめて 芒種 うまれたて、いつも子鹿は 小暑 避暑地を近所に、みつけましょう 立冬 旅を終え、冬支度 ◆使用紙と箔 【表紙】新バフン紙N きぬ 【見返し】ビオトープGA-FS ミッドナイトブルー 【箔】村田金箔 GF-242 濃紺 サイズ 190mm×100mm×11mm 製 本 上製・天綴じ・表紙箔押し 内 容 ◉マンスリー15ヵ月分(見開き2頁) ◉西尾さんの「今月ののほほん」(フォント文字・書き下ろし) ◉西尾さんのひとこと詩「のほほん二十四節気」(書き下ろし) ◉メモ3種:白無地32頁、5mmドット罫線31頁、グレー無地13頁 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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のほほん手帖2027(西尾勝彦自筆ver)
¥2,200($14.02)
今年もまた、西尾勝彦さんのアイデアで作り始めた「のほほん手帖」が発売となります。 昨年に引き続き、西尾さんの自筆バージョンに加え、使いやすさと自由度を増すためにリニューアルをし、年月日やタイトルをご自身で書き入れていただけるようにした「フリースケジュールバージョン」を発売いたします。 どちらも「月ごとのことば」と「二十四節気に添えたことば」を西尾さんが書き下ろしてくださっています。 『のほほん手帖フリースケジュールバージョン』はこちらをクリック https://shichigatsud.buyshop.jp/items/157592282 西尾さんの自筆バージョンは数量限定となりますので、2027年の西尾さんののほほんとした言葉を自筆文字で楽しまれたい方にはこちらをぜひ。 今年はフリースケジュールバージョンにも表紙の箔押しを施しました。 西尾勝彦自筆バージョンは、深いミッドナイトブルーの表紙にパール箔。 フリースケジュールバージョンは、やわらかな生成り色の表紙に濃紺の箔を合わせています。 【今月ののほほん(自筆・書き下ろし) より】 「すべてに意味はあるけれど、すべて不明なのです」 「帽子に蝶がとまっています、それが目印です」 「ことばにすがらず、からっぽになる」 【二十四節気の詩(書き下ろし)より】 小寒 草原の雪、鹿たちのひかり 雨水 土からはじまる、みえないものたち 啓蟄 ようやく動き出す、わたしとあなた 穀雨 森の木漏れ日、拾いあつめて 芒種 うまれたて、いつも子鹿は 小暑 避暑地を近所に、みつけましょう 立冬 旅を終え、冬支度 ◆使用紙と箔 【表紙】ビオトープGA-FS ミッドナイトブルー 【見返し】ビオトープGA-FS コットンホワイト 【箔】村田金箔 パール サイズ 190mm×100mm×11mm 製 本 上製・天綴じ・表紙箔押し 内 容 2026年11月~2028年1月 ◉マンスリー(見開き)+フリーページ各月4頁(5㎜幅ドット罫線) ◉月ごとに、西尾さん自筆の「今月ののほほん」(書下ろし) ◉西尾さんのひとこと詩「のほほん二十四節気」(書下ろし) ◉新月と満月 ◉二十四節気と雑節を少々 ◉巻末に白紙のフリーメモ16頁 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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七月堂ZINE「AM 4:07」vol.6【七月堂・新本】
¥1,320($8.41)
〈内容紹介〉 【第6号ゲスト】 詩| 井戸川射子「悲しい雨っていうのは、自分あってのことだね」 小倉尚子「誕生日ケーキ」 さらさちさ「湖水」 杉本真維子「ツノかいて」 藤本徹「サンが死んじゃった」 松浦寿輝「足音」 峯澤典子「逢引」 エッセイ|〈テーマ:秋、PM 9:50〉 鈴木一平「賃貸について」 小池昌代「起き上がってください。」 【連載】 エッセイ| 全12回 池上規公子(葉ね文庫)エッセイ 連載第6回「何だったのか」 西尾勝彦 詩・エッセイ 連載第6回「拾ったかなしみ/自由のバゲット」 Pippo 近代詩紹介 連載第6回「ジョウビタキと米粒」 後藤聖子(七月堂)連載第6回「夢うつつ」 全4回 菅原匠子(曲線)エッセイ 連載第2回「14:00の匂い」 選書│テーマ〈晩夏、閉店後に一息つきながらぼんやり眺めたい詩歌本〉 久禮亮太(フラヌール書店) 樋口塊(古書ソオダ水) 吉田尚平(つまずく本屋ホォル) カバー写真| 寺岡圭介(紙片) 「AM 4:07」創刊にあたって この、「詩」と「エッセイ」そして「書店」をテーマに立ち上げた雑誌のタイトルは、もうすぐ日の出を迎える空を見上げると、夜とも朝とも名付けられない景色が広がっているであろう七月の東京の空のことを想像してつけられました。どちらでもあって、どちらでもない。また、そのものでしかありえないもの。世界にはきっと、名付けられていないものが、名付けられたものの何百倍もあって、そんなことには関心を持たずに存在しているような気がします。 自分らしく生きるということが、何者かになるためではなく、ただその人そのものであればよいと思えたら。 これからの七月堂が目指したいことのひとつ、「自分らしくあれる場所」を自分自身の手で作り守っていくために、全一二回の発行を目標に創刊しました。 詩を書く人と、読む人と、売る人の架け橋になることを願い、ありったけの感謝の気持ちをこめて作っていきます。 手にしてくださる方にとって、思いがけずふと、詩的な世界を楽しんでいただける雑誌になれることを願っています。 2024年3月 七月堂 後藤聖子 発行人┆後藤聖子 組版・デザイン┆川島雄太郎 写真┆寺岡圭介(紙片) 製本指導┆紙とゆびさき 印刷・製本・発行┊七月堂 発行日┆2026年9月12日 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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空と風 / 斉藤梢【七月堂・新本】
¥1,980($12.62)
あの日に佇む あなたへのレクイエム <作品紹介> 素焼き いつでも 隅っこが好きだった 真ん中が苦手だった どこでも 避難所になった体育館の階段下に あの日 座った 三月十二日のコンクリートは 思いのほか冷たくて 尾骶骨のあたりで ピキッピキッと 悲しい音がした 素焼きなんだから 罅が入れば入るほど 趣があるものよ 抵抗する余裕もなく突如として 呑まれ砕けて無くなってしまった 形あるものたち 罅なんだから 割れてないのだから まだ使えるから大丈夫よ 強風警報の出ている二月一日の 歩道の真ん中を歩いて わたしはわたしの罅のために 何本目かのセメダインを買いにゆく 著者 斉藤梢 発行所 七月堂 発行 2026年9月10日 A5判変形・並製・カバー・帯 64ページ
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詩と俳句の問題 / 近藤洋太【七月堂・新本】
¥2,970($18.93)
長く詩に携わってきた著者が、俳句の抗しがたい魅力を論じた「俳句時評」、「戦後詩」に携わった人たちから何を受け継ぎ、受け渡していくのかを語った「戦後詩の帰趨」によって、詩と俳句の問題を考える。 目次 俳句時評 七五の呪縛 「参照性」の問題 師系と結社 「第二芸術」論批判 遠いものの連結 俳句の特質 季語のこと 加藤楸邨の苦闘 連句と俳句 谷川俊太郎の俳句 高橋睦郎と澁谷道 ヴァナキュラーな文学と角川源義 戦後詩の帰趨 大岡信――蕩児のゆくえ 宗左近――「炎える母」考 那珂太郎と眞鍋呉夫 小田久郎と鮎川信夫 粟津則雄追悼――ペテロの否認 音楽の薫陶 「暗い眼」の少年と京都学派 氷見敦子――生の完遂 矢山哲治と「こをろ」――『矢山哲治』補遺 川内村と心平――『草野心平』補遺 あとがき ─── 私は五十年以上詩を書いてきた。はっきりと俳句に関心を持ったといえるのは、五十歳代なかばになってからだ。直接のきっかけは、山本健吉の『俳句とはなにか』(角川ソフィア文庫)、川名大の『現代俳句(上・下)』(ちくま学芸文庫)などを読んだことによる。そこには、俳句の成り立ち、その特質、明治期以降の各流派ごとの俳人の秀句が並んでいて、刺激を受けたのだ。 そのころ、山口県秋吉台で開かれた現代詩セミナーで「自由詩の伝統はどこにあるのか」(「現代詩手帖」二〇〇三年三月号)という公開座談会が開かれた。そのなかで高橋睦郎は、短歌や俳句に対して自由詩を「現代詩」と呼ぶのは不正確で、短歌や俳句、あるいは歌謡も「現代詩」であるという趣旨の発言をしたあと「短歌や俳句にたいして現代詩が特権的な存在であると考えることは間違いなのであって、現代短歌や現代俳句という呼びかたがあるのであれば、ここに集まった人々が書いているのは「現代詩」ではなく「現代自由詩」と呼ぶのがより正確でしょう」と述べている。そうなのだ。「現代詩」には、「現代〔自由〕詩」と「現代〔定型〕詩」があるのだと納得した。 詩人たちのなかには、俳句を作るというと、詩に行きづまって俳句に白旗をあげたかのように言挙げするひとがいる。また歳をとったら俳句という通人趣味に閉じこもるというひともいる。一方で句会の仲間からは、どうして詩人らしい奇抜な俳句を作れないのかと言われる。けれども、詩を書いてきたものが実際に俳句を作ってみると、思わぬ困難があることが分かってくる。七五の呪縛という問題である。言い訳めくが、詩と俳句は、たとえていえば百メートル走の選手と砲丸投げの選手ほどには使う筋肉が違うのだ。今回「俳句時評」を担当させてもらう機会を得た。この機会に詩と俳句、また短歌について私が考えてきたことを整理しながら述べてみたいと思う。 (「七五の呪縛」より) 著者 近藤洋太 発行所 七月堂 発行 2026年8月15日 四六判・並製・カバー・帯 360ページ
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池袋モンパルナス館 / 近藤洋太【七月堂・新本】
¥2,200($14.02)
私は学生時代から夢日記を断続的につけてきた。本書の前半は、夢あるいは夢に類いするものから触発を受けたもの、あるいはそれを再構成した作品。後半は現実の生活に拠った作品を配した。晩節を迎えて、なお私にとっては、詩は精神を浄化するために必要なのだ。(「あとがき」より) 【作品紹介】 「池袋モンパルナス館」 池袋駅西口を出て 右に曲がって交番のさき エビス通りを進み トキワ通りを左に入って…… 池袋モンパルナス館というホールがある そこでは真夜中すぎにショーがはじまる わたしは時々 妻が寝静まったあと 家を抜け出し タクシーで行く 演し物はあるときはサーカス 目隠しをしたままの空中ブランコ 球体の内側を三台のオートバイが爆走する またあるときはオールディーズのショー 死んだはずの萩原健一が熱唱する 「大阪で生まれた女」や「ラストダンスは私に」 子供歌舞伎もあるよ 先夜の演し物は「勧進帳」 見得を切る女の子の武蔵坊弁慶 観客は老若男女こもごも 知り合った彼らはどこか普通とすこしちがう この世界は病んでいるという陰謀論者の元警察官 大統領制を主張する引きこもりの青年 詐欺罪で捕まって執行猶予の身の不動産屋 投資に明け暮れるバーの雇われママ ショーが終わって 酒を飲み肴をつつきながら 彼らと語り合い くつろぐ愉快なひととき けれども夜明けが近づくと ひとりまたひとり ふっと灯が消えるようにいなくなるんだ 気がつくとわたしは よどんだ池袋の朝にたたずんでいる ※2026年9月16日の毎日新聞夕刊にて蜂飼耳さんによる書評が掲載されました。 著者 近藤洋太 発行所 七月堂 発行 2026年8月15日 A5判・並製・カバー・帯 118ページ
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詩の遺稿 / 今井義行【七月堂・新本】
¥1,980($12.62)
ことばと沈黙のあわい 「透明な糸 thread」 透明な筋道を紡ぎ続けて 40年になる 独りで暮らし始めた頃からの年数 家族と暮らした日々の 倍になってしまった 時折、僕は行方知れずとなった 「透明な筋道は 1本の透明な糸である」 街から街へ 部屋から部屋へ 幾度も移ろってきた もう数えることはないが 覚えている顔がある それぞれに 1本の透明な糸が 結ばれている なつかしさはない ただ感謝と愛情がある やがて最後の棲家に移るだろう 透明な糸を吐きながら 誰にも気づかれず やがて途切れる 透明な糸 著者 今井義行 発行所 七月堂 発行 2026年7月24日 A5判・並製・帯 152ページ
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忘れる星 / あわやまり【七月堂・新本】
¥2,420($15.43)
小猿と石鹸とリンゴとティーカップが語り出す。 でも、絵空事じゃない。いつかきっと会える世界。 ページをめくるたびに心が澄んでくる。 ――吉田篤弘(作家) 『記憶クッキー』の著者 18の物語 <作品紹介> 「小猿とチョコレート」 日曜日の夜 空いている電車で小猿に会う しっぽが長くて 茶色と白の小猿 何か食べるもの、もってますか と言うのでチョコレートをあげる 私の隣にお行儀よく座って シャッシャッシャと 音をたてて食べている 食べ終えると ごちそうさまでした とおじぎをする いえいえ、どういたしまして チョコレート食べるんだ と言うと 僕、苦いものが好みだから 日頃は喧嘩を主に食べてるんですけど たまに甘いものも食べたくなるんです と言う 喧嘩は苦いの と聞くと ええ、朝は濃い苦味があって 夜はアルコールも混じってきますね と答える たいへんだね そうですね みなさん、たいへんです ほんとに、たいへんです としみじみ言う 次は三軒茶屋という時になって では、僕このへんで チョコレートの中に クッキーみたいのが入っていて おいしかったです と言ってつり革を見事に使い 隣の車両に移って行った 白い毛が一本シートについている まだ少しチョコレートのにおいがした 著者 あわやまり 発行所 七月堂 発行 2026年7月25日 A5判変形(148mm×175mm)・並製・カバー・帯 144ページ
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彼方人に / 水島英己【七月堂・新本】
¥2,200($14.02)
はるか彼方へという思いだけで ここまで歩いて来た はるか彼方のあなたに逢いたいと 歩いて来た 【作品紹介】 「すべなし」 いつはしも こひぬときとは あらねども ゆふかたまけて こひはすべなし 何時 不恋時 雖不有 夕方任 恋無乏(巻十一・二三七三 人麻呂歌集) 夕方になると どうしようもなく あふれてくるものがある ため息でもなく 痛みでもなく 名のつけようのない泉のように 「恋はすべなし」と 人麻呂は歌い 「乏しさが 無い」と書いた 湧いて 湧いて 止まらぬもの ついに手に負えないものとして 乏しくないということ それは あふれつづけるということ 尽きることのない悲しみか それとも 終わらぬ憧れか 夕方に立ち止まるたび 何かが胸の奥で波打つ とどめる術もなく 口にすることもできず ただ ある すべなし という言葉だけが 古の歌から いまへ わたしへ こぼれ落ちてやまない 著者 水島英己 発行所 七月堂 発行 2026年7月7日 四六判・並製・カバー・帯 110ページ
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ハンカチの樹 / 関中子【七月堂・新本】
¥1,980($12.62)
関わる わたしが望むとおりでなかったとしても 関わりは続く 【作品紹介】 水を持っておいで そこもここも そうしたっていいでしょう 通り沿いの気ままな庭に 咲く手 を置く 足を伸ばす 存分に 存分に いのちの理屈を返そう あんた 迷惑だ 季節を贈りつづけるものは誰だ 通り過ぎるあんたじゃない わたしだ あんたの邪魔なんかなんにもしていない あんたはなんでもこのわたしにできる わたしの手について足に向かって 折るのもむしるのも刈るのも あんたは好き放題 あんたの邪魔なんかなんにもしていない 庭の持ち主は一年の内 ほんの一時しかここに関心を示さない それも世間体からだ あんた方の無言の要望を汲む わたしはまたいつもの災難に会う 早すぎるときは大きく笑い 持ち主をたしなめ 程よいときはやれやれとしおれる もう長いつきあい そこもここも わたしが足を伸ばす 手を置く くつろぎの露台だ あんたに贈ることばがあるよ さあ 水を持っておいで 水だよ 今はそういう時間だ 好きにならないか そういう時間を 著者 関中子 発行所 七月堂 発行 2026年6月20日 四六判 並製・小口折り 60ページ
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ういろう探し / うるし山千尋【七月堂・新本】
¥2,530($16.13)
社会から詩であると気づかれ、薄められてしまう以前の、もっとも濃密な状態の詩が、ここにある。 ――杉本真維子 【作品紹介】 数秒 信号機の下 黄色い旗がゆれている 空の遠いところ 線が切れたように 飛行機雲は ゆがんでゆく ほんの数秒 ほんの数秒だった 理由も原因もなく 前ぶれもきっかけもなく 経験したことのない熱量と虚無が 同時にやってきて そのまま いなくなった 信号が青になり 車を進ませる なにも変わったことはない きのうも おとといも きょうも あしたも 風景は 波紋のなかに澄んでいる そのほんの数秒が いつかわたしの人生より長く感じられる日 そのまま 地球上から いなくなってしまうような気がした ※2026年7月15日の毎日新聞夕刊にて蜂飼耳さんによる書評が掲載されました。 著者 うるし山千尋 発行所 七月堂 発行日 2026年6月1日 四六判 上製・カバー・帯・栞 120ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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七月堂ZINE「AM 4:07」vol.5【七月堂・新本】
¥1,100($7.01)
〈内容紹介〉 【第5号ゲスト】 詩| 宇田智子(市場の古本屋ウララ)「風と石」 笹井譚(新月社)「ラベンダー畑」 エッセイ|〈テーマ:春、PM12:30〉 奥由美子(ナツメ書店)「春のこと」 岸波龍(機械書房)「戻ってくる」 今野真(水中書店)「古本屋、暗い箱としての」 辻山良雄(Title)「山笑う」 寺岡圭介(紙片)「夢、うつつ、寝」 山下賢二(ホホホ座浄土寺店)「家族のこととそれから」 【連載】 エッセイ| 全12回 池上規公子(葉ね文庫)エッセイ 連載第5回「パンダ・ひばり・コウモリ」 西尾勝彦 詩・エッセイ 連載第5回「しりあい/(ひきわり)」 Pippo 近代詩紹介 連載第5回「まちがいを、かんがえる」 後藤聖子(七月堂)連載第5回「詩集を売る」 全4回 菅原匠子(曲線)エッセイ 連載第1回「まぼろしの伊達巻き」 選書│テーマ〈一仕事終えた春の午後、川沿いのベンチで読みたい詩歌本〉 奥村千織(1003) 黒田杏子(ON READING) 百瀬雄太(庭文庫) カバー写真| 寺岡圭介(紙片) 「AM 4:07」創刊にあたって この、「詩」と「エッセイ」そして「書店」をテーマに立ち上げた雑誌のタイトルは、もうすぐ日の出を迎える空を見上げると、夜とも朝とも名付けられない景色が広がっているであろう七月の東京の空のことを想像してつけられました。どちらでもあって、どちらでもない。また、そのものでしかありえないもの。世界にはきっと、名付けられていないものが、名付けられたものの何百倍もあって、そんなことには関心を持たずに存在しているような気がします。 自分らしく生きるということが、何者かになるためではなく、ただその人そのものであればよいと思えたら。 これからの七月堂が目指したいことのひとつ、「自分らしくあれる場所」を自分自身の手で作り守っていくために、全一二回の発行を目標に創刊しました。 詩を書く人と、読む人と、売る人の架け橋になることを願い、ありったけの感謝の気持ちをこめて作っていきます。 手にしてくださる方にとって、思いがけずふと、詩的な世界を楽しんでいただける雑誌になれることを願っています。 2024年3月 七月堂 後藤聖子 発行人┆後藤聖子 組版・デザイン┆川島雄太郎 写真┆寺岡圭介(紙片) 製本指導┆紙とゆびさき 印刷・製本・発行┊七月堂 発行日┆2026年5月10日 発売時期┆5月4日頃 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ありがとうございましたか? / 藤井晴美【七月堂・新本】
¥1,980($12.62)
腹は渦巻くスクリュー。 段ボールのスタジオ半世紀の雨に、 今日ぼくはハイドロゲンのおもちゃを売った。 さよなら大福。 ここはとても不健康。 【作品紹介】 事故 それだけ酒に酔って隣家に侵入し、これはなかなか詩的な出来事だ、罰金一万円以上を別にするなら。当時無力な隣人のように鍵はかかっておらず、鍵を所持している隣人は神のように不在だった。 インフルエンザが流行し、学校で、習った警察が動き出しました。 酔っ払いは、もつれてもう一人の酔っ払いを震えちゃう電話で呼び出した。これからはこの二人三脚でやっていくことになるねじり鉢巻ききんぴらごぼう。二人は若い。 わからないでもない頭を。 過ぎたるは水を飲む。 自分両替、紙幣羞恥。 何という顔。 砕けた石。に下駄履いた。 こちらが田中光の塊で、こちらが上田行男の塊。それぞれピンセットで摘まんで二つのビーカーに入れた。 それからアルコールランプで煮沸して蒸溜した。 一方の詩集を蓄電して、他方の詩集を発射した。二重体時限テープ。 引き裂かれた焼肉。 実験料理。 スプーンで掬って軒下につるした。 破裂音がしてガラス越しに車が漏れ出して人が出てきたアイススケート。 著者 藤井晴美 発行所 七月堂 発行日 2026年5月5日 四六判 並製 142ページ __________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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針魚 / 若山聡【七月堂書籍・新本】
¥1,980($12.62)
どうかこの世を 照らしてください 薄暗くとも まっとうな光で もらすことなく あまねく すべてに 伝えようとする詩は好みじゃない。 事実が伝わったらフィクションの よゆうもいつだつもなくなる気がして。 ところが事実を元にした 子どもたち、事件、人間 こんなに心を揺さぶられるのはなぜだろう。 声も、場所も、時間も、感情も ありのまま にぎりしめる詩人の声。 「言葉は君の離陸の力になるから かならず なるから」 ――伊藤比呂美 「まっとうな、よきものすべてを、 ことばにしたかのような」 若山さんの詩は、近くと遠くを同時に見ている。 すぐそばにいる人をあたたかく書きながら、 遠くの、世界はこうあるべきという姿を 鋭く追い求めている。 若山さんの詩は とことんさびしげで、とことんはずかしげで、 それから とことん信じられるものを持っている。 ――松下育男 母を嚙む 母を殴ることは出来なかった それで軽く足蹴にした なぜか振り上げたコブシが今も痛む 焼けもシミもなかった幼い拳 しわが目立つ今でも痛む 君は母の頰を嚙んだそうな 特別支援高校卒業後の未来を 理詰めで言い立てられ こちら側に言葉の弾(ルビ:たま)がない ASDだから嚙んだのではなく ゲバルトの手段がもとより君にはない それでも 君は母に突進して 押し倒し 強く 強く 母の頰を嚙んだ いっそ 食べてしまいたかったのかな 母を 愛するが故に ねえ君 サン=テグジュペリが 夜間飛行した理由を 聞いたことがあるかい 人間の大地で (砂漠だけどね) 奇跡的な出会いをした 美しい物語を 読んだことがあるかい 難しければ 読んであげるよ ことばは 君の離陸の力になるから かならず なるから 著者 若山聡 発行所 七月堂 発行日 2026年4月28日 148x172mm 並製 134ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ひらいてみたら / 道山れいん(サイン本あり)【七月堂書籍・新本】
¥1,980($12.62)
はじめまして、エッセイ詩。 れいんさんは、オトナのニンゲンなのに、いつも世界に向かってほ ほえんでいる。どうしてそんなことができるんだろう。詩のような エッセイのような、べつに最初からどっちだっていいような言葉の つらなりに、そのひみつが隠れている。 ―― 向坂くじら(詩人) いろいろとむずかしい時代、でも時代のせいにはしたくない。 むしろ今まででいちばん自由に。 ぼくなりに、人生のすべてを書きました。 道山れいん このエッセイ詩『ひらいてみたら』には、道山れいんのことばに宿るぬくもりの秘密が隠されている。 どんな人や、風景、ものごととの出会い、どんな風に感じ取って熟成させているのか。 コの字カウンターの居酒屋で、偶然となり合わせたれいんさんから、少しずつ、ゆっくりと話を聞かせてもらうような、そんなエッセイ集です。 できるだけネガティブをポジティブに変換しようとする。でもそれにはちょっとしたコツが必要なのだ。 れいんさんが持っているそんなコツが育まれた場所には、家族や友人、仲間、尊敬する人、会ったことのない祖父や猫。ぬくもりに溢れる存在がある。 大切なものを大切にする。 そんな、シンプルで一番むずかしいことのコツを、このエッセイ詩はお裾分けしてくれる。 たいせつな毎日と、それぞれの愛すべき人生のために。 時に怖いときもあるかもしれないけれど、ひらいてみたら、あなたも思わぬ出会いやぬくもりと触れ合えるかもしれない。 あかり バイバイ、を返したら 生き生きと「おっしゃー」という顔になった 通りすがりの一歳くらいの赤ちゃん。 橋から船に手を振る人。 観光列車に手を振ってくれる沿線の人。 人と別れたあと、 振り向いた後も笑顔の女性。 人間は不機嫌である必要がない。 だれだかわからないゆきすがりのひとに、 手を振りたくなるのはみんな一歳の頃から同じ。 そしてその余韻でにこにこしてしまうことは宝石のように ぼくにはあかるく見える。 そんなひとりひとりが 暗い宇宙のこの星の こころをあかるく照らしている。 著者 道山れいん 装画 カトウトモカ 発行所 七月堂 発行日 2026年4月19日 110×178mm 並製 166ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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流れつづける水の歌 / ながし【七月堂書籍・新本】
¥2,420($15.43)
ずっと、 ずっと考えていることです。 ひとりにならなければならないのでしょうか。 矛盾する日々にあってことばの起源は歌だったという一理に立ち還れば、詩はことばのもつ意味深さ、それはまた非言語として隠された声のコミュニケーションの身ぶりであることがわかってくる。 ――倉田比羽子 「ほんとうのこと」は自分自身にさえ簡単に見失われてしまう。係争、こと愛情の介在した係争の中であれば、なおさらだろう。それをなんとか言葉に取り戻そうとするながしの試みには、血がにじんでいる。 ――向坂くじら 五年、十年、 二十年、三十年、 五十年、その先、 おばあちゃんになったあの子 若い介護士、 がチッと舌打ちした瞬間、 潤んだ目をとじる、 そこによぎるものはなに すべて終わったところで、 こんな夜はつづく 繰りつ返すレクイエム まだ終わってないって打ち消す 握り込める弾丸なら ホッチキスに装填 あの子の、 ことを歌い、 かさねる雪の日記 また似たような言葉で、 自分自身の物真似、 時に嫌んなるが正真正銘 これがこころの鐘 たったひとつの場所から、 たったひとつの声で、 たったひとつの星を願う、 こんな夜はつづく どこにも、 辿り着かない、 暗い海の上 筏に縛られ、 ゆらり漂流する屍 いまだけ、 は声を失い、 誰かのすすり泣きにもなれそうだから 浮遊するからだ 自分が、 自分で、 いられなくなる日がくる、 ことにも気がつく ほとんど気が狂う 指をぴくんと動かし、 上の空で名を叫ぶ あの子の、 声を探す 明けない夜の奈落の底で ――「一夜」より一部抜粋 著者 ながし 発行所 七月堂 発行日 2026年4月17日 150x220mm 上製 カバー 帯 栞 ホローバック 糸かがり 194ページ __________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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フェルドマンの手帖 / 鈴木智之【七月堂書籍・新本】
¥2,090($13.32)
私の知らない言葉で 私の知らない私を 鳥 千羽か、二千羽か 私には知る手立てがない 名も分からない 渡り鳥なのかもしれない もし渡り鳥なら 向かう方角が南だろう 私は巨大な鳥の群れを見上げる 空中で波打つ点描された繭 その行き先を眺めわたす だが世界に 地平線はもうない すべては白い 黒いのは私と鳥だけだ 私はコートのポケットを探る 錆びついたフィルムカメラに指先が触れる いつ拾ったものか フィルムは入っているのか カメラを取り出し 群れに向かって構え シャッターを一度切る かじかんだ手でフィルムを巻く 一枚で十分だった 私は声を立てて笑い出す 現像する場所はもうない 写真に記録できない 私にできるのは 記憶することだけだ 写真を撮った行為を記憶する 私が 私だけが 記憶する そのような生 そのような死 鳥は南に消え去る 私を記憶する者はいない この白い世界に ひとつの黒い影が残る 著者 鈴木智之 発行所 七月堂 発行日 2026年4月10日 A5判 並製 カバー 104ページ __________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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飛ぶ練習 / 一海槙【七月堂書籍・新本】
¥2,090($13.32)
一海槙 第2詩集 ああ いってしまった もう いってしまった 【作品紹介】 祖父 大空を鳥がゆくのを見ると 僕も 鳥であればよかったと思う ちいさな子どもが街の角をまがるのを見ると 僕も あの角であればよかったと思う 誰かがいっしんに本を読んで ときおり涙をうかべているのを見ると 僕はこの身体が 文字であればよかったと思う くちびるを閉じて つよい心で道を歩く祖父のように もうこの世にはなくても しずかに思いをつたえている あたたかい無名のものに 僕は なりたいと思う 著者 一海槙 装画 寺澤智恵子 発行所 七月堂 発行日 2026年3月11日 A5判 並製 91ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ブルガリア児童劇集 / 真木三三子 訳【七月堂書籍・新本】
¥1,650($10.52)
【収録作】 「六羽のペンギンの子」ボリス・アプリーロフ 「子馬よ、どこへ行くんだい」ラダ・モスコーヴァ 「雪の日のおはなし」ヴァレリ・ペトロフ 著者 ボリス・アプリーロフ、ラダ・モスコーヴァ、ヴァレリ・ペトロフ 訳者 真木三三子 装画 ほんまちひろ 発行 七月堂 発行日 2019年12月25日 A5判 152ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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葬世記 / インカレポエトリ叢書33【新本】
¥1,430($9.12)
やけに星が輝く 認められなくても存在は続く 【作品紹介】 友達になれなくてごめんなさい(普通になれなくてごめんなさい) 友達になれなくてごめんなさい(普通になれなくてごめんなさい) 要するに、ぼくは嘘つきなのです(一つでも本当なら助けてくれますか) きみとは三年間同じクラスで、教室の中では親友同士を演じていましたが、ぼくが卒業式前日に飲んでいた水筒の中に、きみの唾液が満杯に入っていたことを知っていた人は、あの学校に誰もいなかったことでしょう。きみにとっては朗報なのでしょうが、きみがぼくに掘った無数の穴は令和□年になっても空洞のままです。あの時と同じく、ぼくの穴にはきみが入れたいものなら何でも入るに違いありません。というより、まだぼくはきみが望むままに入れてみせるのでしょう。まずは試しにポケットの消しゴムでも入れてみますか。 あの頃の男子校の閉塞感と言えば、生と性が交錯したゴルディアスの結び目で、自分が男性であることを証明すべく快速電車に飛び込んだ隣町の真性包茎の男子高生には同情してもし切れません(ぼくも証明が苦手だったので)。ぼくは教室を多頭飼育崩壊させた教員達を責め立てましたが、その時にはもう既に、PTAが育児放棄してしまう程に、絶えず臀部を揺らす猛禽類の吐瀉物と精液で教室の床は常に濡れていて、全校生徒全員が互いの首輪を自慢し合っていました(もちろんぼくも含まれます)。そして「座ってて良いよ」と言われて座る側の人生を呪いながらも謳歌してきたぼくは、きみに首輪を力尽くで引っ張られ、強引に立たされた時に一変したのです。きみの刹那的な等しい暴力性に魅了されたとでも言えばいいのでしょうか。その日の六限目が終わった後の掃除時間に、きみの胸鎖乳突筋が映えた太い首を、雑巾絞りみたいにしてやりたいと思いました(ただ、きみの首が象徴する男性という生き地獄を破壊したかっただけなのかもしれませんが)。 ――「溺死」より一部抜粋 著者 花房歩夢 発行所 七月堂 発行日 2026年2月28日 四六判 96ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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natural tone tour / 内藤利恵子【新本・七月堂書籍】
¥1,980($12.62)
内藤利恵子詩画集 レコードに針を落とす時ぼくは、もう会えない物語を聴いている。 詩と絵をつむぎあわせた、待望の新作詩画集! いつもの猫もいれば、新しいメロディ、ふりかえる景色、そして還ってゆく音。 そのなにもかもがこの本につまっています。 どんな物語にも、日々は続いてゆきます。 さあもう行かなくちゃ。 【作品背景】 引っ越してばかりいた子供時代、ふるさとを持たないと言いきってしまえる私にあえて故郷を問えば、幼少期をすごした茨城県利根町がふさわしい気がしています。 いくたび環境が変わっても、関東平野にいれば、いつも利根川がそばに流れていました。 おおらかに、時には激しく優しくなんでもなく。「内藤利恵子」の「利」の字は、もういない父の名からもらった字でもあり、その字が入った「利根川」とは、いつも私を見守ってくれているように思いながら育ちました。 夢中で読んだ無数の本たち。ピアノとトランペットからやがて深く始まってゆく自分の音楽。 いつしか大人になって、無数のかなしみや穢れをまとってついに言葉が出なくなった時、自分の音に還ろう。そう思ったのでした。 自分にとって、もっとも自然な音へと。 今すでに、タイトルにあるいくつかの言葉は思いがけなく幾重にもはばたいています。 タイトルの「natural」は「♮」、「tone」は「利根」。「tour」、そして私はまた旅に出るのだと思います。 (著者コメント) 著者 内藤利恵子(詩・絵) 発行所 七月堂 発行日 2026年2月22日 B5変型(180㎝×180㎝) 88ページ/カラーページ有
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素描画誌 第五号 散歩と鳥たち【新本】
¥1,100($7.01)
SOLD OUT
このたび七月堂は、古井フラの詩画集「素描画誌」第五号「散歩と鳥たち」を刊行いたします。 ↓「素描画誌」創刊号の詳細はこちら↓ https://note.com/shichigatsudo/n/nc1e2633ba9ca 創刊号「色のない花」お買い物はこちらから https://shichigatsud.buyshop.jp/items/97349523 「素描画誌」第二号の詳細はこちら https://note.com/shichigatsudo/n/n346f6dffa245 第二号「ほどける手」お買い物はこちらから https://shichigatsud.buyshop.jp/items/104463184 「描くこと」や「空白」について、深く思索し実践した、画詩文一体の作品集。3ヶ月ごとに全10回の刊行を予定しております。毎号100部の限定発行となります。 第五号のテーマは「散歩と鳥たち」。 本作は詩と素描画とエッセイで構成されています。 ゆっくりとお楽しみいただけましたら幸いです。 「素描画誌」は七月堂社内で印刷し、一冊一冊スタッフの手によって糸綴じ製本をしております。 散歩で鳥の羽ばたきを聴くたび、胸の奥に小さな鼓動とざわめきが残ります。それは不安と同時に、自分の足で生きていく実感の音であるのかもしれません。 ――素描画誌「散歩と鳥」より引用 著者┆古井フラ 絵・装幀・組版┆著者 印刷・製本・発行┆七月堂 A5判・糸綴じ 28ページ 価格 1,000円+税 発行 2026年1月22日 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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(特典付)『星のゆらぎに火を焚べて』刊行一周年記念対談 時里二郎×星野灯【七月堂・新本】
¥1,100($7.01)
星野灯『星のゆらぎに火を焚べて』(七月堂)の刊行一周年を記念した時里二郎×星野灯による対談冊子。 対談後の余韻の中で綴られた書き下ろし詩を一篇ずつ収録。 冊子購入特典として対談動画のQRコード付。 <対談内容> 詩の中の「私」と書いている「私」/授かったもの/詩に関わる活動について/詩を書き始めた頃のこと/詩の伴走者/移りゆく詩の書き方/詩が書けない、そんな時は/詩の中に残り続けるもの 判型┆B6 頁数┆40頁 発行┆1月17日
