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あわいのひと【新本】
¥1,760
予約商品
この星では ときどき なつかしい風が 吹いていますね 『あわいのひと』より …………………… 前作『場末にて』から1年と少しが経ちました。 この冬、西尾勝彦さんの詩集を刊行いたします。 『あわいのひと』というタイトルのこの詩集は、一篇の詩としても、物語としても楽しんでいただける一冊となりました。 日ごろの緊張から解き放たれて、ホッと息をつき、力をぬいて安心できる場所。 それは、この世界のほんの少しだけずれた隣りの部屋にあるのかもしれません。 いえ、本当は、この世界にあるのかもしれません。 穏やかであたたかいものをひとつでも多く。 そんな願いをこめてお届けいたします。 いずれ わたしは いなくなるのです このうつくしい世界から きえさってしまうのです その前にできることは あたたかいものたちを こしらえることなのです 『あわいのひと』より 著者 西尾勝彦 発行所 七月堂 発行日 2025年1月23日 145mm×140mm 84ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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素描画誌【新本】
¥1,100
このたび七月堂より、古井フラ画詩文『素描画誌』を刊行することとなりました。 年4回、全10回の発行を予定しております。 記念すべき創刊号は、「色のない花」。 詩と散文と素描画から構成される本誌は、七月堂社内でオンデマンド機にて印刷をし、製本もスタッフにて行っています。 毎号100部の限定発行の予定ですが、創刊号は200部の発行となります。 『素描画誌』は、2020年1月に、古井フラさんが自主制作されたものが始まりとなります。 その時は、一冊で完結している雑誌でしたが、内容は同じように、詩と散文と素描で構成されていました。 コロナ禍にそれを手にし、クロッキーが訓練や習作上、修正や消すことのできないという意味において、「消すことができないということは、失敗は残り、失敗は許されている。そこでは成功も失敗も、行為においては等価である」という一文に強く心を射抜かれました。 古井さんの定義するところの「素描」には、主に線描、単色で表した絵の他に、「対象を観察した写生」「線描を主とした描画」「画材は紙と鉛筆、コンテ等」「無彩色」「基本的に決して描き直しをしない」「短時間の描画」(1~10分程度)というものがあって、古井さんの散文を読み進めると、「短時間の描画」という刹那的な瞬間に惹かれていく自分の視線に気がつきます。 時間で測れる瞬間というのは、本当はどれも、立ち上がってはすぐ過去になってしまう「点」のひとつ。 その点を、1秒とみるのか、1分とするのか、10分とするのか。 それによって出現する「瞬間の景色」は、陰影も輪郭も変わってくるのだろうと思います。 ただどの瞬間も、限られているという決まりのなかではすぐに消えてしまうものであり、それを切り取った描画は、すでに過去にあったものである、という事実とともに、しかし、今も生き生きと目の前にあり続けることの存在感と不思議さと哀しみ。 古井さんの意識のなかには、過去、現在、未来、と絶え間なく流れる時間という大きな川が流れていて、たった今、五感で感じとどめられるものを素描画にしている。 そう思ってフラさんの絵を見ると、今日という一日がどれだけ大事であるか。成功も、失敗も、大きな川の流れのなかでは小石くらいのことでしかないかもしれず、よくも悪くも手元に留めておくことはできないのだろうなと思うのです。 そんな風に形にして留めてはおけないからこそ、流れていくなかにおいてもなお、心に残るものたちと少しでも多く触れ、大事にして暮らしていきたい。 古井さんの素描画を見るにつれ、「一瞬」という目には見えない時間の流れを可視化してくれているように思い、あなたはなにを信じたいの?という問いが立ち上がってくるように感じます。 うまく答えられる日もあれば、ない日もあって、それらすべてが愛おしい瞬間だと思えるような。 描くことは、その名を消していくこと ある花を描くことで、その花の固有名詞を消していく この世の形をうつすこと それはつくるというより とどめること そしてとどめることには 一抹の哀しみがある 素描画誌「色のない花」より 著者 古井フラ 発行所 七月堂 発行日 2025年1月22日 A5判 28ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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赤い河を 渡る【新本】
¥2,200
絶望を飛べ 『赤い河を 渡る』は前章「赤い河」と繋ぎの2編、後章「都市の水」からなる。 「赤い河」とはまさに体をめぐるエネルギーの象徴である。 「決心は続くか 窓を開けて明日を見る」その熱が駆け巡る。 「都市の水」とは関中子を取り巻く世界の潮流である。 「ものを考えるのは水の中の唇と一緒にいるようなものだ」と。 そしてその時は戻ってくることは無いと言う。 時の流れな中で言葉は紡がれてゆく。 【作品紹介】 飾る記念樹 夜との関係を変える 初めて見る 初めて知る 初めて体験する 伐採木 移植樹 表土が顕われ風に舞い 休息は人が自在に仕切る空間にある ここに駅前広場 新しい住みか 五本の若い樹 剪定樹 高鳴る振動 震える腕を伸ばす 現れた若い胸 いきなり花を押し出す 葉を帽子のように頂き 何をやり残したのか 何を省略したのか 古く太い見事な幹そして華麗な色と香り 将来を贈る だれに 山中の切通しを渡る橋を見に行って十年余を越え 君はどうしている 都市は走りだす 赤い灯を吐いて 未来 嵐を先物爆買いする 五月のある午後 昨日と別れる 記念写真をとる 笑い 涙 記憶を埋葬する指先 きらきら旧の住みかの入り口に立って陽炎揺れる 早き淵の川 渡り初めの橋に知り人の文字 答えられるか 君は 答えを準備できていただろうか 黄蝶 都市の触角 何本が定型かな いち早く連なって交叉路の信号へ さて 家々に紙面を回覧する 古いと言われる人手で 離れ若葉 雨の後で 人が森を梳いた 雨粒が森をぱらぱらこした 陽のわだちがガラス橋を屈折し 離れ若葉は建設途中を通る 為すべきことに行きつかない水に問いを添えると 雨は止む 葉脈は受けて浮き名立つ 仕上げの風は離れる葉を空高く掬い 思いのつづりを起こし 昨日の空白を縮める 陽に狩られる獲物よ ひかりに報われるようなことをしたか 報いを受けると不安がるよりも 報われるようなことをしたか うつりぎなとりわけうつりぎなきょうのわたし 街路に飛び立つ ついておいで ついてこられるよ 遅すぎるくらいだ 離れ若葉は建設途中を通る どこに芽生えよう 不安など 陽のささめきに心地良く雨が葉から落ちる 傷は癒えるさ 太陽がうわの空で通過する 間には空があるから太陽の疲れは取れるよ 雨は洗ったがその後を ついていけない 早くて 優しすぎるの 著者 関中子 発行所 七月堂 発行日 2025年1月20日 四六判 104ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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サイボーグ の夜【新本】
¥3,300
此処へ来い 早く 今日からあなたと共にいる 日常や福祉や戦争を直接の題材にしていても 技巧の意匠をことさらにまとうことなく 屈託も衒いもない打算もない本詩集の素朴な佇まいこそ 物事の核心を遠巻きにしている傍観者を無心に打つことになる それは詩人の奥深くに澄んだ怒りの一滴を蓄えているからであろう 柴崎 聰 「あゆむ」の哲学 「あゆむ」の体育祭があって 妻のスマホに彼の百メー トル競走の映像が送られて来た 四人でスタートライン に立ち 合図とともに一斉に走り出す 疾走する子ども たちから遅れて 腕でバランスを取りながら歩くよりは 急いで と言った方が的確かも知れない だが彼は走っ ているのだ 三人がゴールした後も必死で走る 長男の嫁さんの が んばれ の声がスマホから聞える 観衆のざわめきと拍 手が聞えてくる 彼にとって 勝つ ことではなく 今 は彼なりに一生懸命走り切ること ようやく彼のために用意されたゴールテープをきる 上 級生から着番が書かれた紙きれを渡され それを誇らし げに掲げてクラスメートの所に行き たくさんのハイタ ッチをしている もう分っているはずだ 自分とクラスメートの違い 結 果が分かり切った競走だから 不参加という選択肢もあ ったはずだ だが彼はそれに挑むというより参加した 彼にとって着番が書かれた紙切れの数字に意味はない 紙切れはそこに居て ともに 楽しんだという証し そ れが「あゆむ」の哲学なのだ 帰宅した彼は 見たよがんばったね という妻の言葉に 少し照れる 照れることを知っている十歳の男なのだ それにしても 「あゆむ」の哲学 が理解できれば 世 の中はもう少し住みやすくなるのだが ベトザタ異聞 世話になり信頼している者を その能力を妬んで裏切り 陥れようとする誘惑は私の中にあり 裏切りを正当化で きないがために 孤独となり赦しの場を求めるのだ エルサレムにベトザタという池があり その水が動くと き いち早くその水に入った者の病が治るという言い伝 えがあった 三十八年そこに横たわる男は 良くなりた いかと問われて 良くなりたい とは答えず 主よ誰も 私を助ける者がいないのです と言った 男は知っていた 病が良くなるということはこれまでの 暮らしを改めること だが三十八年そこに居たのは 男 が 惑わすものへの未練を断ち切れないということ 良 くなりたいという希望を持ちながらも 復帰したコミュ ニティーで良い状態を持続する自信がなかったのだ あなたの罪は許された とは告げられず 起き上がり床 を担いで歩けとだけ言われその通りにしたが 感謝の言 葉はなかった その後神殿で出会ったとき 良くなった のだからもう罪を犯かすな と諭されイエスだと確信 安息日に俺を癒し律法を犯したのはあの人だと密告した それから暫くしてユダが 主よ と呼び神と信じながら も裏切ったことで 磔刑により刑死したことを知る ユ ダはそのとき何と思ったか 心の片隅で 主は追っ手を すり抜けることなく捕縛されたことを 男は思う ユダは裏切りで銀貨三十枚を得たが 俺の得 たものは何か ベトザタに戻らなければならないほどの 病になったわけではない 人の罪を背負い死んだのだか ら 俺の裏切りの罪は赦されたか エルサレムの 新た にできたコミュニティーを羨望し その回りを徘徊しな がら密告の虚しさを感じることが 唯一の救いなのだ (参考 ヨハネによる福音書 五章) 著者 井上英明 発行所 七月堂 発行日 2024年12月20日 A5判 112ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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Kaewの香り【新本】
¥2,200
それにしてもボクらの時代 わたしという存在が受け止めているこの「時」この「場」を、言葉という最も基本的な表現方法で、記録しているつもりでした。非常に短いかたちでの物語を、言葉そのもので直接届けられる情というよりも、映像に翻訳され、語らせるようなものを求めてきました。たとえ、それが「詩」ではなく、「描写」に過ぎなかったとしても。なるべく世代を超えてひとの心に届きやすい表現、そして外国語にも移しやすい表現、短く完結する映像・画像を介したようなものを求めて。 (あとがきより) 【作品紹介】 それにしてもボクらの時代 下りエスカレーターは遅くも速くもない ゴトン ゴトンと大きな歯車を回す 人の意思とは関わりなく動く下り階段の 無数につながれた踏板の上で キミは何を見ているのだろう パーキンソン病が進行する前にと 早々とプラスチックに入れ替えた水晶体で きっとキミは何も見ていないに違いない それにしてもボクらの時代 戦の場を戦争から経済競争に乗り換えた この地に禄を喰んでいて ボクたちは肌に血を流すことこそなかったが お互いに比較され二十四時間寝食忘れて励めと鼓舞されて 心には満杯の傷を貯え続けた ボクらは縦の評価の中に放り出された 成績も、職業も、幸も不幸も、 ボクらの心には序列がすぐ育つ 配列を探るために周りの顔色をうかがい お互いの位置を確かめて 取るべき姿勢を決めたりする 功名心がおもむろに鎌首をもたげてくる 優秀な兄や姉たちに囲まれて育ったキミは 親の関心を兄姉に奪われ いつも親の視線に飢えていた いつも人の承認を求めて息を殺していた キミの心はいつも大声で泣き叫んでいた やがて 賞賛を期待して大いなる犠牲にまで手を染めた キミは エスカレーターの上からキョロッと 「世間」を見下ろして 誰にも見られていなかったことに はじめて気がついたのかも知れない まったく 戦士には男も女もなかったのだし 著者 志田道子 発行所 七月堂 発行日 2024年12月25日 四六判 108ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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Human 構造 / インカレポエトリ叢書29【新本】
¥990
ローレル・テイラー詩集 私は後悔しないから聞いてごらん 【作品紹介】 血が海 乳房に海がたたいている 乳房にて 海にいた先祖の思い出が シオにて 薄塩水の化学より生命の 電波にて 化学平衡外のナニカが海 からにて ナニカらは外にも内にも 塩分にて 塩分の糸と塩分の糸が縒 空気にて 海を乳房に持って這って ミミズにて ニュルッとしたナニカが ツチにて 寒くつれなく青黒い穴が くそにて ナニカが骨を棒に編んで 肉食にて 血管に海がながれている 過去にて 肉に血にシオに海にツキ 重ねつつ 細胞膜ほど薄くて脆くて 幻想にて 編まれた骨が肉を切って なんっと しょっぱくて柔らかくて よだれにて 腹に海の脈がとんと打つ 心臓にて ナニカらの子ナニカらの ためにて 平衡を抵抗するナニカら 持続にて 心臓にも腹にも子宮にも 負いつつ 脳にも睾丸にも肝臓にも 負いつつ 夜中によだれ出たときは 欲望にて 昔を懐かしむ寂しい時は 海岸にて 海の匂いと脈とナニカを 自分にて そして自分が事前に海があった ことにて 思い出して これからにて 著者 ローレル・テイラー 発行所 七月堂 発行日 2024年11月30日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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七月堂ZINE「AM 4:07」vol.2【新本】
¥1,100
七月堂ZINE「AM 4:07」vol.2 発行いたします! ↓詳細はこちらnoteにて↓ https://note.com/shichigatsudo/n/n5e17e16539d7 〈内容紹介〉 【第2号ゲスト】 短歌| 山川藍 / 大きくなって帰ってきました 詩| 國松絵梨 / 抵抗する エッセイ|〈テーマ:冬、AM 11:45〉 町田康 / 寒い。 梅﨑実奈 / 不思議な関係 小笠原鳥類 / 鳥を、知らなかった 書店エッセイ|〈コンビニおでんよりも温めてほしいときに読みたい詩歌〉 旦悠輔(自由港書店) 井上奨之(云々者) 樽本樹廣(百年・一日) 樽井将太(百年・一日) 【連載】 詩| 西尾勝彦 / 花束 エッセイ| Pippo(近現代詩紹介) / 通りぬける、移る、ひろがる 西尾勝彦 / ひらやまさん 池上規公子(葉ね文庫) / 長い話 後藤聖子(七月堂) / わからなさを抱えて 城下康明(ひとやすみ書店) / 発光 写真|カバー 寺岡圭介(紙片) 《創刊のことば》 「AM 4:07」創刊にあたって この、「詩」と「エッセイ」そして「書店」をテーマに立ち上げた雑誌のタイトルは、もうすぐ日の出を迎える空を見上げると、夜とも朝とも名付けられない景色が広がっているであろう七月の東京の空のことを想像してつけられました。どちらでもあって、どちらでもない。また、そのものでしかありえないもの。世界にはきっと、名付けられていないものが、名付けられたものの何百倍もあって、そんなことには関心を持たずに存在しているような気がします。 自分らしく生きるということが、何者かになるためではなく、ただその人そのものであればよいと思えたら。 これからの七月堂が目指したいことのひとつ、「自分らしくあれる場所」を自分自身の手で作り守っていくために、全一二回の発行を目標に創刊しました。 詩を書く人と、読む人と、売る人の架け橋になることを願い、ありったけの感謝の気持ちをこめて作っていきます。 手にしてくださる方にとって、思いがけずふと、詩的な世界を楽しんでいただける雑誌になれることを願っています。 2024年3月 七月堂 後藤聖子 発行人┆後藤聖子 編集長┆鈴木康太 組版・デザイン┆川島雄太郎 製本指導┆紙とゆびさき 印刷・製本・発行┊七月堂 発行日┆2024年12月1日 発売┆12月1日 価格┆1,100円(税込) 発行部数┆500部 通算12号を不定期にて発行予定 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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星のゆらぎに火を焚べて【新本】
¥2,050
星野灯 詩集 詩の中の「私」が、書いている「私」より少し先を歩いている。 未知な自分を詩のなかの「私」が生きようとする時、言葉の星はゆらぎ、詩は透明な比喩の秘密を語りはじめる。 ――時里二郎 星野灯さんはこれまで私家版の詩集を発行するほか、展示会や朗読会などを開催し活躍されてきた詩人です。 これまで発表されてきた作品を中心に、書き下ろしをふくめた詩集を発行することとなりました。 等身大の自分で生きて、言葉を紡いでいくということ。 だからこそ光るものがあるということをそっと教えてくれるような詩集です。 【作品紹介】 手に 宇宙の端っこにいる 海に浮かんでいて 何も掴めないまま ただ一人、夜を揺蕩う シーツの抱擁の中、頬は濡れ 言葉をまた費やす、延命のため 粗大な心なら少しの悩みも 篩にかけず流せたのでしょうか 時は泡沫、 星を美しいと賛美する者が なぜ死なねばならないのか 未だわからないままでいる 命であるということ そこに在って ここに亡い ただそれだけのことに 深い傷を手にして そのほかの何もかもを 持てないままでいる 【著者プロフィール】 星野灯(ほしの・ともる) 2001年10月生まれ、兵庫県出身 2021年神戸新聞文芸年間大賞受賞 詩の個展「街に詩があればいいのに。」(2023年) 「ポエトリーゴーランド」(2024年) 詩の朗読会「冬眠し損なった私たち」(2024年) 著者 星野灯 装画・挿絵 星野灯 帯文 時里二郎 組版・装幀 川島雄太郎 発行所 七月堂 発行 11月29日 発売 12月2日頃 四六版・並製・カバー帯付 152ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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一本足の少女【新本】
¥2,750
それゆけ、ポエム。/それゆけ、ポエム。(鈴木志郎康) 仕事が終わって空を見たら星が光っていた。 自分の現在位置がわからない。 いつもそうだ。 けれど今日の私は、いま自分が帰るべき場所がどこなのかをはっきりと自覚している。 それがどれだけ幸せなことなのかも。 あちこちから夕飯の支度をする音が聴こえる。 一日の終わり。 ――2023年2月26日 X(旧Twitter) 村岡由梨 【作品紹介】 少女達のエスケーピング ある夏の日、娘の眠は、 いつも通り学校へ行くために 新宿行きの電車に乗ろうとして、やめた。 そして何を思ったのか、 新宿とは反対方向の車両に、ひらり と飛び乗って、多摩川まで行ったと言う。 私は、黒くて長い髪をなびかせて 多摩川沿いを歩く眠の姿を思い浮かべた。 そして、彼女が歩く度に立ち上る草いきれを想像して、 額が汗ばむのを感じた。 それから暫くして、今度は次女の花が、 塾へ行かずに、ひらりと電車に飛び乗って、 家から遠く離れた寒川神社へ行ったと言う。 夕暮れ時の寂れた駅前の歩道橋と、 自転車置き場と、 ひまわりが真っ直ぐに咲く光景を、 スマホで撮って、送ってくれた。 五時を知らせるチグハグな金属音が 誰もいない広場で鳴り響いていた。 矩形に切り取られた、花の孤独だ。 日常から、軽やかに逸脱する。 きれいだから孤独を撮り、 書きとめたい言葉があるから詩を書く。 そんな風に少女時代を生きられたのだったら、 どんなに気持ちが清々しただろう。 けれど私は、歳を取り過ぎた。 汗ばんだ額の生え際に 白髪が目立つようになってきた。 夏の終わり、家族で花火をした。 最後の線香花火が燃え尽きるのを見て、 眠がまだ幼かった頃、 パチパチと燃えている線香花火の先っぽを 手掴みしたことを思い出した。 「あまりにも火がきれいだったから、触りたくなったのかな?」 と野々歩さんが言った。 きれいだから、火を掴む。 けれど、今の私たちは、 火が熱いことを知っている。 触るのをためらい、 火傷をしない代わりに、私たちは 美しいものを手掴みする自由を失ったのか。 いや、違う。 私はこの夏、 少女達の眼の奥の奥の方に、 決して消えることのない 美しい炎が燃えているのを見た。 誰からの許可も求めない。 自分たちの意志で 日常のグチャグチャから ひらりとエスケープする。 そんな風に生きられたら そんな風に生きられたのなら、 たとえ少女時代をとうに生き過ぎたとしても 私は。 著者 村岡由梨 発行所 七月堂 発行日 2024年11月25日 四六判 184ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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プリンは置いといて【新本】
¥1,650
私の仕事は花びらです//朝から晩まで花びらです 詩集『プリンは置いといて』を読むことによって、われわれは「首か ら上を空にして美しいを入れ込む」(「ワンピースの空」)ことができる ようになる。われわれは「八百二十年ものの雨」(「建仁寺の雨」)に降 られることができるようになる。 詩を読むことはなんと楽しいことだろう。そしてこれは、なんと稀有 な才能によって生みだされた、なんと香ばしく甘い詩集だろう。 松下育男 【作品紹介】 アイロンとアマゾン 小林さんに迷いは無い ならぬものはならぬと言い切って 速やかに気に入らぬ場所から立ち去る人だ たくさんのマスクをくれた お礼にトイレットペーパーを贈った 役に立っただろうか 小林さんはとってもいいひとなのに いつも小さなブラックホールを持ち歩いているから ともだちになることを躊躇してしまう それでも小林さんがくれたお菓子を遠慮なく平らげた 迷いのない味だった 小林さんには迷いが無いから 次の仕事が決まらぬうちに会社をやめてしまった 小林さんはアイロンを持っていない アイロンがけはしない主義だ 迷いがないから服の皺にも迷いがなくて とてもしわくちゃ 水分を含んだポロシャツにアイロンをかける時 じゅっと音がして湯気が立ち昇る 湯気の中から小林さんが現れて まだ仕事を探している途中なのだと言う 早く間をあけずに働かなくちゃと話していたのに まだまだまだまだ仕事を探している アイロンをじゅっと押し当てる度に 小林さんは湯気の中に分け入ってゆく アマゾンの森の奥へ奥へと仕事を探しに 文字を持たない部族の中へ 迷いを持たない集落の中へ 耳を塞ぎながら 目を覆いながら 森の奥へと 仕事を探しに 私にできることはアイロンをかけてあげることだけ じゅっ。 鳥 鳥が祖母をくわえて連れ去ってしまったので それきり祖母に会うことができない 時々庭にやって来る鳥の脚をひっつかんでみると するする鳥の体がほつれだし どんどんほどけてゆく 鳥は ただの 長い糸 その束の中に 祖母のかけらは 見つからなかった 著者 竹井紫乙 発行所 七月堂 発行日 2024年11月21日 四六判 82ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ふたば【新本】
¥1,980
道山れいん詩集 ”今やらないと… 時だけがすぎていってしまうんです” そう言われて参加を決めたアートプロジェクト。そして行った町は … だれかのふるさと、 かえれないふるさと、 かえろうとするふるさと。 これはみんなにとっての「ふるさと」の話。 ─── 道山れいん あるとき、道山れいんさんにとある依頼が舞い込みました。それは、福島県双葉町への関心を集めるための「メッセンジャーインレジデンス」に参加してほしいというものでした。 双葉町の未来を切り拓くをテーマに活動しているヒラクフタバによって企画されたもので、アーティストや写真家、編集者など、さまざまな立場にある人たちが実際に双葉町に3日間滞在をして、そこで感じ取ったものを作品などにして残し伝えていくという企画です。 道山さんはそれまでほとんど双葉町のことを知らず、ある意味部外者ともいえる自分が立ち入ってもよいものかと逡巡しました。それでも、と悩んでいた時にかけられた言葉で双葉町への訪問を決意します。 それが冒頭にある道山さんのことばです。 このたび刊行する詩集『ふたば』は、そのような過程で、道山さんが東京から車を走らせ辿り着いた双葉町へ何日か滞在し、そこで出会った人や風景と接してうまれた詩集です。 忘れてはイケナイ、そう紡がれる言葉は沢山見てきたけれど、ここにある言葉は軽やかにけれどずっしりと確かな重さを持って腑に落ちてくる。 思い出す、ふるさとの事。 思い出す、自分ではない人の事。 ――帯文:吉岡里帆(俳優) 【作品紹介】 へんなはなし だれもしらないなんて へんなはなしだ だれもくちにしないなんて へんなはなしだ だれもおぼえてないなんて へんなはなしだし へんなのはじぶんなのかとおもってくる だけどへんなはなしだ それにしてもへんなはなしだ へんなはなしをつづけよう へんだとわかるひがくるまで くるとねがって へんなはなしをしつづけよう へんじゃなくなるそのひまで 【著者プロフィール】 道山れいん Michiyama Rain 東京大学文学部国文学科卒。詩人。 2019年 フィンランド・ラハティ詩祭映像詩部門で日本人初の優秀賞。 2022年 朗読詩の大会「Kotoba Slam Japan」全国優勝。 2023年 国際ポエトリースラム大会・パリPSW(20ヵ国)とリオWPSC(40ヵ国)に日本代表として出場、リオデジャネイロでは日本人初の準決勝進出。 2024 年 台北市での国際ポエトリースラム準優勝。 詩集「水あそび」「水の記憶」「しあわせでいいじゃない」 Instagram @michiyamarain X @michiyama 著者 道山れいん 帯文 吉岡里帆 装幀・組版 川島雄太郎 発行所 七月堂 発行日 11月30日 発売 12月1日(文学フリマ東京39にて初売り) 117mm×188mm・並製・小口折り・帯付 216ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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そは、ははそはの【新本】
¥2,970
ある朝、ウサギの目をして母は 親が老いることを若い時は想像もしない。 その時を感じた親子は旅に出る。 珍道中とも鬱道中とも言える時を共有する。 あらゆる状況を未来へ向ける薦田愛の詩力に乾杯を。 【作品紹介】 ふとん、あの家の 予讃線上り列車の進行方向左手は海 海に向かっている 波のかたちはみえないけれど 台風がちなこの季節にも雨は多くない あかるい空に覗きこまれ 今治から川之江へ 父のねむる一族の墓所へゆく 普通列車の一時間はアナウンスも控えめだから うとうとしていたら乗り過ごしてしまいそう どうしよううたた寝には自信がある 乗り越して戻っていたら日が傾く JR四国はそんな時刻表 バブルなんて時代の少し前 たぶん 母を残してひとり川之江へ 夏休みだったろうか 父と三人暮らした社宅を引き払った後だったか 電話すると母の口がおもい どうしたの はじめてパパが夢に出てきてくれたのだけど 出てきてくれたのよかったじゃない それがね うん 日曜の夕方かな野球か何かテレビをみてて ああそんなだったね 私は台所にいるんだけど呼ばれて振り向いたら うん台所でね 振り向いたらパパの顔はみえるんだけど 身体の下のほうから薄くなって みえなくなっていくのよ え、なに? だからねいやだっ消えちゃ! って 自分の声で目が覚めちゃった そう そうだったのきっと きっとパパは夢に出てきたのに 私が四国に来ているとわかって あわててこっちへ来ようとしたのかもしれない 身体はひとつなのに気持ちが ふたつに裂かれて うーんそうねぇあんたがそっちにいるからねぇ 恋愛結婚だった仲のいい夫婦だった 二年で三度の入院手術ははじめてのことだった バスと電車を乗り継ぎ雨の日も雪の日も付き添った 春の明け方さいごのいきにいきをのみ なみだはこぼれないまま しずみきったふちからペンを手に 図書館に通いつめ医師に話をきき ふたりで歩いた町を訪ねなおし二年後 闘病記をまとめた克明に淡々と あとがきに記した生まれ変わってもと うまれかわってもわたしはと しまなみ海道を渡りきった今治では 父方の伯父伯母、いとこが迎えてくれた 画歴約二十年のいとこ・登志夫兄ちゃんが 私設ギャラリーで食事を出してくれるというので あまえた あまえついでに思いついてメールを (母は生の魚介と肉が食べられないのです) やさしい先生だったいとこから (野菜中心で考えてみますね) と返信があったので安心していたけれど 虫の鳴きしきる草むらの扉の奥やわらかな灯しのもと 椎茸と生クリームのスープに喜んでいたら ピザの隅っこにはソーセージ仕方ないよね 急なお願いだったもの 丁寧に淹れてくれたコーヒーに デザートのケーキまでお手製 おまけにギャラリーを埋め尽くす大小の木版画 声をあげるとよかったらお好きなのをと 今治や内子と愛媛ばかりか飛驒に京都 なかに尾道を見つけた母 行ったばかりだからすぐにわかった ぜひ譲ってと頼みこみ包んでもらって うふっと肩先がゆるんだ 小さな作品だからうちにも飾れるね 私はこの桜咲く蔵の一枚がいいな どこの酒蔵だろう 額入り二枚を抱えて宿へ 明日はしまなみ海道のみえる公園へと誘ってくれるのを タオル博物館とねだる みどり深い山せまる博物館は 父の元気なころにはなかったはず 母と二人あまえたみたいに たぶんもっと ねえさん、兄貴とあまえていたらしい末っ子の父 その父の退場が早すぎたぶん弟の家族を 気づかい続けてくれる伯父と伯母 父の齢をとっくに超えた子としては もうだいじょうぶですってばとつぶやく思いと 健在ならこんな年ごろ、と仰ぐ思いがないまぜの 糸になる ああタオルの糸ってきれいだ 父のねむるお墓は一家のものだから あとでうつせないけどいいねと念をおされた 封を取り除いて骨壺からあける 父を見舞った祖母もそこへ加わった 長兄の伯父も 骨となって それはどんなねむりなのだろう ひとりひとりのねむりはまじりあわないのだろうか あの家、川口の 父と母が六畳間となりの四畳半に私 ふすまを隔てて勉強机と本棚 押し入れにふとんと押し入れ簞笥 だったろうか 勉強机の前でうとうとと居眠り ちゃんと寝なさいとたしなめられて敷くふとん 寝返りを打つ間もなく寝入る子ども 手のかからない子どもだったと 母 そのねむりのうっすら浅くなる 深夜 終電で帰った父と話し込む母の時間の果てにふたり ふすまをあける こたつぶとんを手にして 銘仙のだったろうか着物をつぶした布でつつんだ おもくおおきないちまい 赤外線の熱をためたいちまいをふたりふわっと いえずしっと ねむる私のかけぶとんのうえに なだれこむ蛍光灯のまぶしさがまぶたをとおす ねむいねむりのふかみからよびおこされる けれどめざめてはならないきがして ねむい子どもは ときにねがえりをうちながらまぶしさをのがれ ずしっとあたたかいふとんをまちながら ふたつめのねむりへしずみこんでいったのだったろう ふとん、あの家の こたつぶとん、あの家の 著者 薦田愛 発行所 七月堂 発行日 2024年11月11日 A5判変形 224ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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一千暦の帰り道【新本】
¥1,870
果てしのない〝時間〟を越えようと願い描かれた〝歩行/飛行〟 著者渾身の第一詩集 友達、そんなものではない 恋人、それも違う ノオト おまえの村に昔からあった名で呼ぶ ひとりひとりのはずなのに 背中をいつからか重ね合っていたい、誰か たとえば天地や昼夜のように 理由もなく越えようとして 理由もなく時に長居をゆるしてしまう おまえに懐かれるのには 十分な時間だったようだけど でもおとなしくしておいで、ノオト もう一度だけ嵐を抜ける その途中で僕たち 一緒にぶっ壊れたって構わないと信じている 「旅の子ノオト」より抜粋 著者 高嶋樹壱 カバーイラスト ねもとなおこ 発行所 七月堂 発行日 2024年11月25日 A5判 84ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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のほほん手帖2025(フリースケジュールver)
¥1,870
今年もまた、西尾勝彦さんのアイデアで作り始めた「のほほん手帖」が発売となります。 今年は、使いやすさと自由度を増すためにリニューアルをし、年月日やタイトルをご自身で書き入れていただけるようにした「フリースケジュールバージョン」を発売いたします。 表紙に使った紙は光沢がありますが、角度によってはシックな色合いにも見え、上品な手帖に仕上がりました。 ぜひ実際にお手にとってご覧いただきたい一冊です。 タイトルの印字もありませんので、お好きなステッカーやスタンプや画材でコラージュしてお楽しみください。 西尾さんの書き下ろしと手書きバージョンももちろん発売となります! こちらは数量限定となりますので、2025年の西尾さんののほほんとした言葉を手書き文字で楽しまれたい方にはこちらをぜひ。 『のほほん手帖西尾さんバージョン』はこちらをクリック https://shichigatsud.buyshop.jp/items/93744829 今回、本文の刷り色をモノトーンで統一しました そしてどちらのバージョンもメモ部分が3種類。 合計で78頁ありますので、さまざまな方法でのご利用をしていただけます! 【二十四節気の詩(書き下ろし)より】 小寒 いつまでも、寝正月かも 雨水 森の奥、氷柱の光こぼれゆく 啓蟄 まだ寒いね、そうだね、そうかな 穀雨 緑の季節に、あなたの後ろ姿 芒種 闇に入って、そのまま螢となる 小暑 燕のスピード、夏の速さよ! 立冬 柿の落ち葉を、ならべている ◆使用紙 【表紙】ヴィンテージゴールド モス 【見返し】ブンペル ダンボ サイズ 190mm×100mm×11mm 製 本 上製・天開き 内 容 ◉マンスリー14ヵ月分(見開き2頁) ◉西尾さんの「今月ののほほん」(フォント文字・書下ろし) ◉西尾さんのひとこと詩「のほほん二十四節気」(書下ろし) ◉メモ3種:白無地34頁、5mmドット罫線31頁、グレー無地13頁 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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のほほん手帖2025(西尾さんver)
¥2,200
SOLD OUT
今年もまた、西尾勝彦さんのアイデアで作り始めた「のほほん手帖」が発売となります。 今年は西尾さんの書下ろしと手書きバージョンに加え、使いやすさと自由度を増すためにリニューアルをし、年月日やタイトルをご自身で書き入れていただけるようにした「フリースケジュールバージョン」を発売いたします。 『のほほん手帖フリースケジュールバージョン』はこちらをクリック https://shichigatsud.buyshop.jp/items/93744854 西尾さんの書下ろしと手書きバージョンは数量限定となりますので、2025年の西尾さんののほほんとした言葉を手書き文字で楽しまれたい方にはこちらをぜひ。 今回、本文の刷り色をモノトーンで統一しました そしてどちらのバージョンもメモ部分が3種類。 合計で78頁ありますので、さまざまな方法でのご利用をしていただけます! 【今月ののほほん(自筆・書き下ろし) より】 「自分が傷ついても人を守る、その美しさ」 「いつも裏方のあなたに気づいて、気づかれないように ささえている」 「あなたの笑顔が、あなたを救っています」 【二十四節気の詩(書き下ろし)より】 小寒 いつまでも、寝正月かも 雨水 森の奥、氷柱の光こぼれゆく 啓蟄 まだ寒いね、そうだね、そうかな 穀雨 緑の季節に、あなたの後ろ姿 芒種 闇に入って、そのまま螢となる 小暑 燕のスピード、夏の速さよ! 立冬 柿の落ち葉を、ならべている ◆使用紙と箔 【表紙】OKサンドカラー ペールブルー 【見返し】コニーラップ ホワイト 【箔】村田金箔 スペシャルメタリックカラー コーヒーブラウン サイズ 190mm×100mm×11mm 製 本 上製・天開き・表紙箔押し 内 容 2024年12月~2026年1月 ◉マンスリー(見開き2頁) ◉月ごとに、西尾さん自筆の「今月ののほほん」(書下ろし) ◉西尾さんのひとこと詩「のほほん二十四節気」(書下ろし) ◉新月と満月 ◉二十四節気と雑節を少々 ◉メモ3種:白無地34頁、5mmドット罫線31頁、グレー無地13頁 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ソノヒトカヘラズ【新本】
¥2,970
帰らなかった その人が 帰るという こみあげてくる時の流れを言葉で拭いながら 馴染の調べと共にテラコッタは生れていく 【作品紹介】 アンモナイトの見た夢 そしてまた 千日が過ぎて アンモナイトの見た夢 どこかで誰かがつぶやいた 大仰だな 数億年の古層に 降りそそいだ夢のことなんて 土と火と灰の渦まくダンス! 炎上の釜はもうひとつの燃える天体 帰ってこなかったソノヒトの 一挙手一頭足がくりかえし オーロラダンスを踊っている 思い出さないわけにはいかない アンモナイトの反時計回りの螺旋 * 鼻の形が美しい反ダダの詩人と 鼻のつぶれた老ボクサーが 地中海の夏のジュラの幻影のなか 浮遊する玉虫色の 巨大巻貝に嚥みこまれ 永遠をありがとう 黄昏をありがとう 殴り合い 絡み合い 睦み合い そして いつか来る さようなら 白い絹の言葉を吐き続けていた * 日帰り小舟が停まるデロス島の船着場 粗末な小屋に泊めてもらった翌朝 黒光りする石窯で パンを焼く 草臥れた影絵のような老夫婦 哀歌だったのか 笑話だったのか 歌うように 絶えず呟いている 八月の太陽は容赦ないが 五頭の獅子たちは身じろぎもしない アポロンが生まれたというこの島で ピレウスから帰還した次男は 腰巻きひとつ半裸の含蓄の男 挨拶は 目くばせひとつだった コツコツと岩を削り 太陽が傾いて沈むまで 残酷に素朴なアポロン像を ささやかな ドラクマに替える 著者 南椌椌 発行所 七月堂 発行日 2024年11月5日 173mm×210mm 210ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ハルシネーション【新本】
¥1,980
草間小鳥子第3詩集 草間小鳥子は誰よりも世界に向き合っている。それがたとえ事後の幻影的現実(ハルシネーション)であろうと、その詩的変容を夢見てやまないのだ。 ――野村喜和夫 生成AIが普及し、ディープフェイクなどが日常に侵入してきたことで、虚構が現実のように現実が虚構のように現れる世界を見つめようとする41篇の詩を収録。 ※ハルシネーション(hallucination) ・幻覚、幻影。 ・AI(人工知能)が誤った情報を生成する現象のこと。 【作品紹介】 みちゆき ほんとうに暗いときにしか 光らない雪が 道行きを仄青く照らしている 光るのはうつくしいからではない 踏み越えられなかった弱さやずるさ すべての塵が ほかの光を さめざめと照り返すから 敷き詰められた雪のうえに 固く目を閉じ汚れた昨日が 道標のように発光している 著者 草間小鳥子 発行 七月堂 ブックデザイン 川島康太郎+川島雄太郎 発行日 2024年10月25日 四六判 168ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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源流のある町【新本】
¥1,870
これは夕凪 あれは反射光 草間小鳥子 堂々の第二詩集。第31回萩原朔太郎賞最終候補。 「町」をテーマとした18篇を収録。 「おもかげの育て方を間違えていますよ」 執着しているからです つづら折りになった地獄が 両目に釘を刺しにくる 「適切な距離を保って」 段取りを踏めばすんなりと 形式的な不在となる 問われた罪 問われなかった罪 これで手打ちだ、と本を閉じ つじつま合わせの長い夜を越えた 去ってゆくものへの ひろびろとしたやさしさ やさしさに似た諦めが ぎりぎりの肺を満たしている 結論は出せない 出せるものでもない 仮住まいのつもりで 浮ついた季節をかぞえながら 遠い波形に目を細め (ずいぶんと高い空だ) いま ほんとうに崩れてゆく瞬間の 最後の透過へ浸水する 白い手袋で敬礼するドアマン 陽気な口笛と避難誘導 (また 電話します) むき出しの鉄骨にきらめく埃 その隙間からさす光 まっさらな 雨上がりの引力にしたがい 大きく弓を引いたまま わかりやすいものを疑いながら生きた (すべてを愛せなくたって) いま 明けかけた空へ旗が振り下ろされ ひとりきり滑空の合図だ はじまりの時そうであったように なにもないところから ただ なにもないところへ 荒れる湖を飲みこんで まっさおな胸 忘却曲線のかなたに白い帆のはためき たったひとりできみは 軽やかな骨になれ 【著者プロフィール】 草間 小鳥子(くさま・ことりこ) 第14 回北日本児童文学賞最優秀賞。 第27 回詩と思想新人賞受賞。(2018) 2019 年、資生堂の季刊誌『花椿』の付録として、小詩集『ビオトープ』を発表。 詩集『あの日、水の森で』(2020、土曜美術社出版販売)第71 回H 氏賞候補 著者 草間小鳥子 発行所 七月堂 発行日 2022年10月8日 四六判 並製 130ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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白石かずこの詩を読む【新本】
¥3,300
白石かずこの声は読者の進化を待っている 白石かずこは宇宙を舞台にその身体の感性を武器に言葉を使う。 その言葉は砂の一粒から生まれ、痒がっている皮膚から生まれ、夜空へ遠吠えをしているスフィンクスと共に星空の中で生まれる。 水田宗子と辻和人の対談は数少ない白石かずこの「評論」である。 【目次】 はじめに 辻和人 序文 水田宗子 対談1 「男根」をめぐって 男根中心主義を砕きフェミニズムを超える 対談2 『聖なる淫者の季節』をめぐって 時代と狂気を越える身体の文学 対談3 『砂族』をめぐって 砂は生きている:性から砂へ、 都会から砂漠へ:いのちのトポグラフィーの転換 終わりに 水田宗子 著者 水田宗子、辻和人 発行所 七月堂 発行日 2024年10月20日 A5変形 208ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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サイ【新本】
¥1,870
本多明第2詩集 自らの生きる世界と詩人との対話の記憶 【作品紹介】 馬 いま むこうのほうで光ったでしょ あれは馬のひかりだよ ほら ごらんよ 大きな生きもののこころが 目に力をためているよ こんな夜ふけに ふと遠くを見ていると たまに見えることがあるんだよ ことばを知らない 大きな生きものから あんなふうに あふれてくることがあるんだよ 著者 本多明 発行所 七月堂 発行日 2024年10月19日 A5判 136ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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横断と流動【新本】
¥3,850
偏愛的詩人論 著者20年の詩人論、時評、評論集をまとめたものである。 作品との出会いを率直に受け止め、単に知識、教養のうえに書かれただけの物ではない。 人としての言葉によって書かれ、私たちは著者と見事に向き合うことになる。 目次 Ⅰ 大岡信 ――初期詩論 那珂太郎 宗左近 星野徹 ――均衡と跳躍 古川賢一郎 村木雄一 ――1920年代・小樽 長光太 一―『登高』 和田徹三 松岡繁雄 江原光太 ――『オルガンの響き』 支路遺耕治 ――その残像 Ⅱ 中原中也 ――架空対話 吉本隆明 ――虚無と方法 清水昶 ――清水・黒田論争 Ⅲ マガジン的 余白、あるいは効率性 作品の「声」 不在と往還 〈他者〉化 消費の形態 「闘争」の領域 煙が見えたら 『歴程』という謎 Ⅳ 定点詩書 生滅する、世界の、記述、の私たち 支配の言説と詩のことば Ⅴ 書評集 城戸朱理 ――『千の名前』 支倉隆子 ――『酸素31』 高貝弘也 ――『半世記』 吉増剛造 ――『燃えあがる映画小屋』 尾崎寿一郎 ――『逸見猶吉・ウルトラマリンの世界』 新妻博 ――『回想のフローラ』 上野ちづこ ――『黄金郷』 大道寺将司 ――『友へ』 宗左近 ――『いつも未来である始源』 阿部嘉昭 ――『頬杖のつきかた』 松岡政則 ――『草の人』 田野倉康一 ――『流記』 髙塚謙太郎 ――『カメリアジャポニカ』 阿部嘉昭 ――『換喩詩学』 糸田ともよ ――『水の列車』 橋場仁奈 ――『半球形』 水出みどり ――『泰子』 清水博司 ――『清水博司詩集』 海東セラ ――『ドールハウス』 野沢啓 ――『詩的原理の再構築――萩原朔太郎と吉本隆明を超えて』 著者 笠井嗣夫 発行所 七月堂 発行日 2024年10月10日 B6判 586ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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透明ディライト【新本】
¥1,870
前作『青色とホープ』より5年ぶりとなる新詩集。 窓越しにゆらめく景色に浮かんでみえる人や物の影。 そこにいるのはもう一人の自分なのかもしれない。 もう会えない人のことをゆっくりと思い出すひと時。 ふと立ち止まってみる。 【帯文より】 たったひとつの断片が強烈な印象をもたらす時、それは記憶ではなく、たったいま夢から覚めたような、世界の裂け目が現れる。 著者 一方井亜稀 発行 七月堂 発行日 2024年10月4日 四六判 110ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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神歌 水天に舞ふ――続・古今琉球風物歌集【新本】
¥2,420
湊禎佳歌集 琉球弧(九州南部から台湾まで連なる弧状列島)に眠る魂と語らうようにして生まれる歌は、短歌と琉歌を行き来しながら琉球の自然や習俗、王朝史の幻想、戦中・戦後のできごと、家族や暮らしを描き出してゆく。 琉球を寿ぐ幾筋もの光として私たちの目の前に現れる、『古今琉球風物歌集』の続編。 【作品紹介(3首)】 海原をさすらふ風と潮鳴りにゆくへ問へなきさだめ待ちわぶ 朝明けの磯間の浦を朱に染む珊瑚の卵あまた打ち上ぐ 蒸し暑き市場に日除けの影が舞ふ とろめく夢見 うたた寝の午後 著者 湊禎佳 発行 七月堂 発行日 2024年9月20日 A5判 192ページ 前作『古今琉球風物歌集』 https://shichigatsud.buyshop.jp/items/31554979 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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旅の心を取り戻す【新本】
¥2,090
柊有花 詩画集 このたび柊有花さんによる、「絵」と「言葉」の本を刊行いたします 明け渡してしまった 自分の心を取り戻すには 目的のない旅が必要だ 【作品紹介】 「呼吸」 人が去ったあとの海は 清らかに 打ち上げられた星は 浜一面にまたたく しなやかに編まれた 太陽の光は 海の底を明るく 照らしている 水面はやわらかに逆立ち 一枚の葉を 浜へ運んでゆく 一艘の白い舟が 岸を目指し進み かもめは追いかけ飛んでゆく 白い半月のかなた 昼の まぼろしのように浮かび ひとり 夜を待っているのか 濃い青と ブルーグリーンのあいだ 海は 海はたえまなく 呼吸している 【著者からのメッセージ】 絵と言葉の本を作りたいとずっと思っていました。わたしにとって絵は仕事でもあり、ライフワークでもあります。けれど言葉もまた欠かすことのできない大切なものです。絵と言葉は分かちがたくつねに影響しあっていて、それを自分らしい形で統合していきたいといつも考えてきました。けれど絵本や詩集など、自分の思うものを収めるにはすこし形が違うように思えて、自分が作りたいものはなんなのかさえわかりませんでした。作りたいと思うものを形にできないことは、わたしにとってとてもつらいことです。そのことが恥ずかしく、自分に対して怒りと悲しみを感じていました。 コロナ禍の内省の時間を経て、わたしがものを作ることへの意識はずいぶん変わったように思います。そのなかで2020年に作った画文集『花と言葉』に背中を押され、もっと遠くへ旅に出たいと思うようになっています。けれど同時に不安があります。家にいることに慣れてしまった自分はそんな旅へ出られるのかしら、と思うのです。 今回刊行する本が、そんな自分のなかの葛藤を打破するようなものになっているかはわかりません。けれど、自分の現在地をあらわしたものであることはまちがいないと確信しています。旅の途上の、悩み、怒り、悲しみ、進みたいと願う、未完成で等身大の自分です。 旅は楽しく面倒なもの。わたしたちにはかけがえのない日常があり、コントロールできない環境があり、いつでも旅に出られるわけではありません。けれど旅と日常のあわいに立って自分の心を眺める時間、それもまたひとつの旅なのだと思います。わたしが誰かの本を通じて自分の心をたしかめているように、この本も誰かにとってのちいさな旅への扉となることがあったら。そんな願いをこめながら、力を貸してくださるみなさまとこの本を届けられたらと思っています。 著者・装画・挿絵 柊有花 発行所 七月堂 発行日 2024年10月5日 138×148mm 88ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955