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あおむけの踊り場であおむけ【新本】
¥1,980
【出版社内容紹介】 犬の骨を犬のようにしゃぶりたいと妹の骨にも思うだろう 第4回笹井宏之賞大賞受賞! 自分のからだのなかに未知の窓がいくつも開くような独特の感覚にうろたえる。大胆につかみだされる言葉の弾力と透きとおって不穏な世界に惹きつけられる。 ━━━━大森静佳(栞文より) ここにある歌たちの静かで、人けを離れて、体と身の回りをあらためて見直すような、狭い世界の可能性を追究するような、ひっそりと楽しいあり方に対して私はリアルな共感を覚えずにいられない。 ━━━━永井祐(栞文より) 【収録歌より】 手のひらを水面に重ね吸い付いてくる水 つかめばすり抜ける水 夜の川に映る集合住宅は洗いたての髪の毛のよう 恐竜って熱いんだっけ 夏の夜に麦茶含んで口きもちいい 銀杏の葉踏みしめられて白い道あたまのなかみたいで抱きたいな おなかすいてないのにおなかが鳴っている椿を思い浮かべて落とす 【目次】 切り株の上 食物網 スムージー 身体の動かせるところ 浮石 ノウゼンカズラ 覆土 べにひかり 紙と皮 暗くなる前に日が暮れるだろう あとがき 【著者プロフィール】 椛沢知世(かばさわ・ともよ) 1988年東京都生まれ。「塔」短歌会所属。2016年、作歌を始める。第4回笹井宏之賞大賞受賞。第30回歌壇賞次席。 著者 椛沢知世 発行所 書肆侃侃房 発行日 2024年7月6日 A5判変形 128ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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埃だらけのすももを売ればいい【新本】
¥2,200
【出版社内容紹介】 詩集とはある世界観の具現であった ロシア文学におとずれた興隆期「銀の時代」(1890~1920年代)。ペテルブルクの古書店で偶然見つけた詩集を手がかりに、100年前の忘れられた15人の女性詩人たちのことばを拾い上げる。『女の子たちと公的機関』が増刷を重ねる著者による「web侃づめ」の好評連載が書き下ろしを加えて書籍化! 鮮烈である。もう埋もれさせはしない。忘れ去られ、あるいは神秘化された女性詩人たちの生き様と詩作を掬い出すかのようなこの本は、そんな祈りにも思える。 ━━━━━水上文 2024年2月全国書店にて発売予定です。 【「はじめに」より】 わずか15人しか紹介できないのだが、彼女たちの詩の向こう、言葉の向こう、生の向こうに、その他の無数の女性たちの声を感じ取っていただけたらとても嬉しい。戦争や革命のどよめきのなかで世界のあちこちに散らばっていき、今ではどこに眠っているのかわからない詩人も多い。だからこそ、同じ言語で詩を残した女性たちは、こうして一冊の書物の中に久方ぶりに集うことを喜んでくれるような気がしている。(高柳聡子) 【目次】 まえがき 1 遠い異国を見つめて アデリーナ・アダーリス 2 もっとも忘れられた詩人 マリア・モラフスカヤ 3 戦争と詩を書くこと アンナ・アフマートワ 4 詩は私の祈りである ジナイーダ・ギッピウス 5 二つの魂を生きて チェルビナ・デ・ガブリアック 6 私の身体は私のもの マリア・シカプスカヤ 7 誰も見ぬ涙を詩にして リュボーフィ・コプィローワ 8 風そよぐ音にも世界は宿り エレーナ・グロー 9 「女の言語」を創出せよ ナデージュダ・ブロムレイ 10 昼の太陽と幸福と、そして夜の闇と テフィ 11 すべての詩は啓示となる アデライーダ・ゲルツィク 12 わが歌は私が死んでも朝焼けに響く ガリーナ・ガーリナ 13 テクストの彼岸にいる私 リジヤ・ジノヴィエワ=アンニバル 14 ロシアのサッフォーと呼ばれて ソフィア・パルノーク 15 私は最期のときも詩人である マリーナ・ツヴェターエワ 「銀の時代」主要人物 参考文献 あとがき 【著者プロフィール】 高柳聡子(たかやなぎ・さとこ) 1967年福岡県生まれ。ロシア文学者、翻訳者。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。おもにロシア語圏の女性文学とフェミニズム史を研究中。著書に『ロシアの女性誌━━時代を映す女たち』(群像社、2018年)、訳書にイリヤ・チラーキ『集中治療室の手紙』(群像社、 2019年)、ローラ・ベロイワン「濃縮闇━━コンデンス」(『現代ロシア文学入門』垣内出版、2022年所収)など。2023年にロシアのフェミニスト詩人で反戦活動家のダリア・セレンコ『女の子たちと公的機関 ロシアのフェミニストが目覚めるとき』(エトセトラブックス)の翻訳を刊行。 著者 高柳聡子 発行所 書肆侃侃房 発行日 2024年2月1日 四六判 184ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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花と夜盗【新本】
¥2,090
【出版社内容紹介】 英娘鏖 はなさいてみのらぬむすめみなごろし 現世(うつしよ)のカオスにひそむ言葉の華麗な万華鏡(ミクロコスモス) ────谷川俊太郎 『いつかたこぶねになる日』などエッセイでも活躍する俳人・小津夜景。 田中裕明賞を受賞した『フラワーズ・カンフー』に続く6年ぶりの第二句集。 2022年11月発売予定です。 【収録句より】 漣が笑ふいそぎんちやくの朝 蟬生(あ)れて死んで愛してゐた時間 莨火(たばこび)を消して裸足の身を焦がす 香水のちがふ白河夜船かな パピルスや死後千年の音階図 君の瞳(め)を泳ぐおらんだししがしら かささぎのこぼす涙をおつまみに 露実るメガロポリスよ胸も髪も 逃げ去りし夜ほど匂ふ水はなく 後朝のキリマンジャロの深さかな 【目次】 一 四季の卵 春はまぼろし 駒鳥の隣人 ルネ・マグリット式 カフェとワイン ポータブルな休日 狂風忍者伝 冬の落書き 花と夜盗 胸にフォークを 二 昔日の庭 陳商に贈る 貝殻集 今はなき少年のための AQUA ALLEGORIA 研ぎし日のまま サンチョ・パンサの枯野道 三 言葉と渚 水をわたる夜 夢擬的月花的(ゆめもどきてきつきはなてき) 白百合の船出 【著者プロフィール】 小津夜景(おづ・やけい) 1973年北海道生まれ。2013年「出アバラヤ記」で第2回攝津幸彦賞準賞、2017年句集『フラワーズ・カンフー』で第8回田中裕明賞を受賞。その他、著作に漢詩翻訳つきの随筆集『カモメの日の読書』『いつかたこぶねになる日』、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・須藤岳史との共著『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』などがある。 著者 小津夜景 発行所 書肆侃侃房 発行日 2022年11月24日 四六判 146ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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まぼろしの枇杷の葉陰で 祖母、葛原妙子の思い出【新本】
¥1,760
SOLD OUT
【出版社内容紹介】 「幻視の女王」とも評された、戦後短歌史を代表する歌人、葛原妙子。彼女には家族にしか見せなかった別の姿があった──。チャーミングで愛おしい、「異形の歌人」の横顔。 「おばあちゃんとのことについて、色々な人が色々なことを言っているだろう。あれはみんな違うんだよ」 「あたりかまわず朱と咲きいでよ」と自らを鼓舞し、脇目もふらず作歌にいそしんだ歌人、葛原妙子。 子どもの頃、大森の祖母の家に行く時には何か冒険に出かけるような気持ちになった。かつての病院の敷地内にあった、広い平屋住宅。周囲には枇杷の大樹が緑の葉をさかんに茂らせていた。 孫である著者から見た葛原妙子とは──。戦後短歌史を代表する歌人と、その家族の群像がここにある。 向田邦子、須賀敦子を髣髴とさせる、極上の名エッセイ集。 【本文より】 私は祖母のことを「おばあちゃん」と呼んではいたものの、祖母は世間一般で言う「おばあちゃん」らしさが感じられる人では全くなかった。夫にかしづき、家族を愛し、まめまめしく皆の世話をやいていた父方の祖母とあまりに違いすぎる。そのことに戸惑いを覚えつつも、ある種の諦めの気持ちがあった。 ***** 「おばあちゃんはカジンだから……」 周囲の大人たちがしばしば口にする「カジン」という音に、「歌人」という漢字があてはまることを知ったのはだいぶ後になってからだった。「カジン」にせよ「歌人」にせよ、同年代の子供たちが親しまないこれらの言葉は、大人たちから与えられた玩具のように、幼い私の傍らにいつもあった。 【目次】 ■はじめに ■大森の家 大森の家/祖母の思い出 ■祖母の生い立ち 葛原妙子の生い立ち/二枚の写真 ■軽井沢のこと 軽井沢のこと/眩しき金 ■朱と咲きいでよ ふたつの雛/朱と咲きいでよ/かけす/酒瓶の花/多擵のみづうみ/栗の木はさびしきときに/しずくひとつ、取りさった幸福/切手のこと/素晴らしき人生 ■室生犀星と祖母 イシのようなひと/畳の上の伊勢えび/實となりてぞ殘れる ■まぼろしの枇杷 銀靈/貞香と妙子/祖父の思い出/まぼろしの枇杷 ■あとがき 【著者プロフィール】 金子冬実(かねこ・ふゆみ) 1968年東京生まれ。旧姓勝畑。早稲田大学大学院で中国史を学んだのち、東京外国語大学大学院にて近現代イスラーム改革思想およびアラブ文化を学ぶ。博士(学術)。1995年より2014年まで慶應義塾高等学校教諭。現在、早稲田大学、東京外国語大学、一橋大学等非常勤講師。1996年、論文「北魏の効甸と『畿上塞囲』──胡族政権による長城建設の意義」により、第15回東方学会賞受賞。 著者 金子冬実 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年9月2日 四六判 184ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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現代詩ラ・メールがあった頃 1983.7.1 — 1993.4.1【新本】
¥2,200
【出版社内容紹介】 今から40年前、ふたりの女性詩人が男性主導の文芸シーンに一石を投じるべく立ち上がった。 新川和江・吉原幸子責任編集「現代詩ラ・メール」の創刊である。 女性による女性のための詩誌創刊。 女たちの発表の場を作り出し、また新人たちを発見しはぐくみながら、詩の大海原を航海し続けた10年間。 笑いあり、涙あり、事件あり。ここで語られる数多の出来事は、単なる過去の思い出話ではない。現代にも繫がる熱きシスターフッドの物語である。 【目次】 ラ・メール誕生の夜 闘いのはじまり F氏のジレンマとA子のトラウマ 新しい人々 怒濤のごとく日々は過ぎ ウーマンズ・ライフ 失踪願望 しなやかに生きなさい 「おかえり」 新たなる海へ 魚たちは泳ぐ 名詩発掘 充実のとき 樹の種 こぼれ落ちてよ 顔 ゆがんでいるよ 毀れていく午後 それぞれの空へ 【著者プロフィール】 棚沢永子(たなざわ・えいこ) 1959年東京生まれ。大学卒業と同時に、ちょうど創刊された「現代詩ラ・メール」の編集実務を担当。鈴木ユリイカ責任編集の詩誌「Something」に、田島安江とともに編集人として参加。現在は夫婦で喫茶店を経営しながら、フリーで編集&ライター業。著書に『東京の森のカフェ』(書肆侃侃房)がある。 著者 棚沢永子 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年8月31日 A5判 256ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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寺山修司 彼と私の物語【新本】
¥2,090
SOLD OUT
【出版社内容紹介】 寺山修司没後40年 「青目……寺山のこと、好きだった?」 恋人、元妻、師、同志として、生涯を寺山修司のパートナーであり続けた九條今日子が、晩年に再会した著者にだけ開いて見せた思い出の小箱。誰にも見せることのなかった寺山の素顔に胸打たれる。 元天井桟敷の著者が綴る今は亡き九條今日子と寺山修司の物語。 誰かと話したくなる時がある。ふっと自分の心のうちを吐露したくなる日。九條さんにもそんな逢魔時があって、相手に選ばれたのが青目海だった。 本書で語られる九條さんの心うちは、生々しい。私には知り得なかったことばかりだ。会ったこともない女性像が立ち上がって驚いてしまう。それは青目海にとっても同じ体験だったのかも知れない。だからこそ書き残したかったに違いない。急に、九條さんに逢いたくなった。 ——萩原朔美(前橋文学館館長) 【著者プロフィール】 青目海(あおめ・うみ) 1946年、東京生まれ。劇団「天井桟敷」の創立メンバー。 19歳で構成作家に、以後、テレビドラマの原作、脚本を手がける。 独身時代のパリ、ローマに始まり、結婚後はカナダ、ニューヨーク、メキシコ、モロッコ、スペイン、最後の20年は南ポルトガルの小さな漁師町に暮らした路傍の主婦。2015年に帰国、伊豆在住。 脚本/「親にはナイショで」「東京ローズ」他。 舞台/「アカシヤの雨に打たれて」 著書/『私は指をつめた女』(文春ネスコ)、『南ポルトガルの笑う犬』 『リスボン 坂と花の路地を抜けて』(書肆侃侃房)など。 ********** 九條今日子(くじょう・きょうこ) 本名:寺山映子(てらやま・えいこ) 1935年、東京生まれ。三輪田学園卒業後、松竹音楽舞踊学校を経て、九条映子の名でSKD(松竹歌劇団)の舞台にデビュー。松竹映画に移り青春スターとして活躍し、寺山修司と出会い結婚。1967年「天井桟敷」をともに設立し、制作を担当。離婚後も劇団運営を続け、寺山亡き後もその遺志を継ぎ、精力的に活動に続ける。株式会社テラヤマ・ワールドの共同代表取締役として寺山作品の著作権管理を行い、三沢市寺山修司記念館名誉館長、三沢市観光大使をつとめる。2014年4月30日、肝硬変による食道静脈瘤破裂のため死去、享年78。 著書『ムッシュウ・寺山修司』『回想・寺山修司 百年たったら帰っておいで』。 寺山修司(てらやま・しゅうじ) 1935年、青森生まれ。1954年、「短歌研究」新人賞受賞。早稲田大学在学中より歌人として活躍。1957年、第一作品集『われに五月を』刊行。1967年、演劇実験室「天井桟敷」創立。劇作家・詩人・歌人として数多くの作品を発表し、演出家としても世界的名声を獲得。1983年5月4日、肝硬変と腹膜炎のため敗血症を併発し死去、享年47。 代表作、映画『書を捨てよ町へ出よう』『田園に死す』『草迷宮』『さらば箱舟』、演劇『青森県のせむし男』『毛皮のマリー』『阿呆船』『邪宗門』『青ひげ公の城』『奴婢訓』『レミング―壁抜け男』、歌集『空には本』、詩集『地獄篇』、小説『あゝ、荒野』、エッセイ『家出のすすめ』『誰か故郷を想はざる』、評論集『地平線のパロール』などがある。 著者 青目海 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年8月16日 四六判 280ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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前川佐美雄歌集【新本】
¥2,640
【出版社内容紹介】 生誕120年! いますぐに君はこの街に放火せよその焔の何んとうつくしからむ (『植物祭』) 塚本邦雄、山中智恵子の師であり、「現代短歌の発端」として比類なき歌を紡いだ歌人・前川佐美雄。 代表歌集『植物祭』『大和』を完本で収録、前川佐美雄の短歌世界を見渡せる1600首。編者による詳細な解説、年譜を付す。 『葛原妙子歌集』(川野里子編)、『山中智恵子歌集』(水原紫苑編)に続く新編歌集シリーズの第3弾。 「前川佐美雄という人は、〈白痴〉の自由な境地に憧れを抱き、時には何かに憑かれたように物狂おしく歌いながらも、ついに一つの信念に溺れることのできない人だったのではないか。(中略)私はそのアンビバレントな佇まいと、それでいて〈ごまかしのちつとも利かない性分〉に、非常な魅力を感じるのである」 ─────────石川美南(栞より) 「ひとり野をゆき、萩の群れ咲くなかに自らの「たましひ」を見つめる孤高の歌人の姿が浮かび上ってくる。(中略)彼の歌業に一貫して流れているのは、「人間の歴史の最初」から人を、そして「われ」を捉えて離さない根源的な不安であり孤独であるだろう」 ─────────菅原百合絵(栞より) 「そのスパークの仕方に惹きつけられてすぐ好きになった。それまでに知っていた、たとえば戦後の名歌集にある緊張感やきびしさ、一首の格調、ゆるぎなさとはだいぶ違うもので、驚いたし、一人の思い込みだけれどなんとなくシンパシーを感じたのだった。(中略)前川佐美雄という優れた電波塔が送受信していたものを、わたしたちはその歌から受け取って、上手くいけば肌に感じるように体験することができるだろう」 ─────────永井祐(栞より) 【目次】 『春の日』/『植物祭』(完本)/『白鳳』/『大和』(完本)/『天平雲』/『日本し美し』/『金剛』/『紅梅』/『積日』/『鳥取抄』/『捜神』/『松杉』/『白木黒木』/『天上紅葉』/解説(三枝昻之)/前川佐美雄年譜 【栞】 石川美南「見える人は、見えない場所で」 菅原百合絵「野をゆく人の省察」 永井祐「佐美雄体験」 【収録歌より】 いますぐに君はこの街に放火せよその焔の何んとうつくしからむ(『植物祭』) 春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ(『大和』) 春の夜にわが思ふなりわかき日のからくれなゐや悲しかりける(『大和』) 火の如くなりてわが行く枯野原二月の雲雀身ぬちに入れぬ(『捜神』) 「おつくう」は億劫(おくこふ)にして億年の意としいへればこころ安んず(『白木黒木』) 【著者プロフィール】 前川佐美雄(まえかわ・さみお) 1903(明治36)年奈良県忍海村に代々農林業を営む前川家長男として生まれる。1921年、「心の花」に入会、佐佐木信綱に師事。22年、上京し東洋大学東洋文学科に入学、「心の花」の新井洸、木下利玄、石榑茂から刺激を受け、同年9月の二科展で古賀春江の作品に感銘、関心をモダニズムに広げる。30年に歌集『植物祭』刊行、モダニズム短歌の代表的な存在となる。33年奈良に帰郷、翌年「日本歌人」創刊、モダニズムを大和の歴史風土に根づかせた独行的世界を確立。占領期には戦争歌人の一人として糾弾されたが、『捜神』の乱調含みの美意識が評価され、門下の塚本邦雄、前登志夫、山中智恵子等が活躍、島津忠夫が現代短歌の発端を『植物祭』と見るなど、現代短歌の源流とされる。迢空賞受賞『白木黒木』からの佐美雄の老いの歌は人生的な詠嘆を薄めた融通無碍の世界である。1970年に奈良を離れて神奈川県茅ヶ崎に移り、1990年87歳で死去。 【編者プロフィール】 三枝昻之(さいぐさ・たかゆき) 1944(昭和19)年山梨県甲府市に生まれる。早稲田大学第一政経学部経済学科入学と同時に早稲田短歌会で活動、卒業後同人誌「反措定」創刊に参加。現在は歌誌「りとむ」発行人、宮中歌会始選者、日本経済新聞歌壇選者。歌集に『甲州百目』『農鳥』『天目』『遅速あり』他。近現代短歌研究書に『うたの水脈』『前川佐美雄』『啄木ーふるさとの空遠みかも』『昭和短歌の精神史』他、近刊『佐佐木信綱と短歌の百年』。現代歌人協会賞(1978)、若山牧水賞(2002)、やまなし文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、斎藤茂吉短歌文学賞、角川財団学芸賞(2006)、神奈川文化賞(2010)、現代短歌大賞(2009)、日本歌人クラブ大賞(2022)、紫綬褒章(2011)、迢空賞(2020)、旭日小綬章(2021)他。2013年より山梨県立文学館館長を務める。 著者 前川佐美雄 編者 三枝昻之 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年8月31日 四六判 368ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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koro【新本】
¥2,310
【出版社内容紹介】 眼の奥に錆びた秤が一つあり泣けばわずかに揺れる音する 『悪友』で熱烈な支持を集める著者の、無二の進化を遂げた渾身の第二歌集。 【栞文より】 「救われたくない。ゆるされたくない。そう何度も叫んでいる。(中略)できれば全て脱ぎ捨てたいのだ。そうすればふたたび穢れず生きていける」(江戸雪) 「榊原の美意識は現代短歌において実に独自性が高い。そしてその根底には、神秘への思慕がある」(黒瀬珂瀾) 「この作家の器の大きさに感嘆した。自在な言葉が相応な重さを持って宇宙の謎に拮抗している。人間が人間である悲苦から逃げることなく、現代人の知性によって真っ向から対峙している。(中略)怖るべし・怖るべし・怖るべし」(水原紫苑) 【収録歌より】 銀漢に表裏があれば手触りは違うのだろう 指輪を外す 百合のように俯き帽子脱ぐときに胸に迫りぬ破約の歴史 額縁を焼(く)べてきたかのような貌ゆっくり上げてただいまと言う ボトルシップの底に小さな海がある 語彙がないから恋になるだけ ヘアバームのくらいにおいだ泣くのなら最初の一粒から見ていたい 【栞】 江戸雪「滅びの思考」 黒瀬珂瀾「かずかぎりなきあなたとわたし」 水原紫苑「宝剣の一行」 【著者プロフィール】 榊原紘(さかきばら・ひろ) 1992年愛知県(三河)生まれ、奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞、第31回歌壇賞次席。2020年、第一歌集『悪友』刊行。短詩集団「砕氷船」の一員。 著者 榊原紘 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年8月31日 四六判変形 208ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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初恋【新本】
¥2,420
【出版社内容紹介】 悲しみはひかりのやうに降(ふ)りをれど会ひたし夏を生きるあなたに 恋の悲しみも苦しみも嫉妬も ただひたすらに 会いたい 伝えたい 狂おしい胸の裡に吞み込んで、ただ歌を 2023年6月下旬発売 【収録歌より】 ああなんでこんなに傷つけたいのだらうしじみ汁ずずずと啜りたり 恋のやうに沈みつつある太陽が喉をふさいでなほ赤いんだ しあはせのきみにかかはることできず冬が去る雨のすくなかつた冬 四月二日物干し竿を光ごとぬぐつてぼくは布団を干した 嫉妬を投げつけてほしかつた茶碗とか花瓶とか小銭のごとく 【著者プロフィール】 染野太朗(そめの・たろう) 1977年茨城県生まれ、埼玉県に育つ。 歌集に『あの日の海』(本阿弥書店、2011年)、『人魚』(角川書店、2016年)、現代短歌クラシックス『あの日の海』(書肆侃侃房、2021年)がある。 短歌同人誌「外出」「西瓜」同人。短歌結社「まひる野」編集委員。 著者 染野太朗 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年7月11日 四六判 160ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ニューヨークの唇【新本】
¥2,200
SOLD OUT
【出版社内容紹介】 月を追う途中の子どもにあいさつをさよならみたいな青いハローを 流星のように去っていった蝦名泰洋の 最後の短歌とメッセージ 闘病のすえ、両吟『クアドラプル プレイ』の友・野樹かずみに託した遺稿をもとに、多くの声援を受けて編まれた歌集。 歌集『イーハトーブ喪失』も収録 【収録歌より】 落ちている海かと思うあおむけの君がまぶたをひらいた瞳 抱きあげるするとわたしも何者かに抱きあげられていることを知る 夕焼けがより濃い席で答えなき答え合わせを待つ女の子 この鍵はどこのドアにも合わないが永久があるから失くしたくない 全校の運動会に人が消えひとりで踊るオクラホマミキサー 【著者プロフィール】 蝦名泰洋(えびな・やすひろ) 1956年青森県生まれ。 あるとき吉岡実の『詩を書きたい人は短歌を勉強してみるといい』という言葉に触れ、短歌を書くようになる。 1993年沖積舎より歌集「イーハトーブ喪失」出版。1994年伊丹イタリアの筆名による私家版で詩集「カール ハインツ ベルナルト」出版。 2021年7月26日 永眠 著者 蝦名泰洋 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年6月11日 四六判 192ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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『女人短歌』 小さなるものの芽生えを、女性から奪うことなかれ【新本】
¥2,420
【出版社内容紹介】 わたしたちの短歌誌をつくろう! 女性のために女性自身の手によって編まれた歌誌『女人短歌』。第二次大戦の敗戦直後に創刊され、48年にわたって刊行された。 男性中心の歌壇のなかで結社を超えて女性たちが結束し、相互研鑽に努めた。女性歌人が活躍できる地平を切り拓いた功績は大きい。 五島美代子、長沢美津、生方たつゑ、阿部静枝、山田あき、葛原妙子、中城ふみ子、森岡貞香ら、『女人短歌』に集った歌人たちの熱き魂のリレーを追う。 歌誌『女人短歌』について初めての総合的研究書。 著者 濱田美枝子 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年6月26日 四六判 320ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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そこまでして覚えるようなコトバだっただろうか?【新本】
¥2,090
【出版社内容紹介】 ────コトバとも分かり合えない著者真骨頂の四篇 たった一音が発音できずに自国から疎外された〝クィ〟が望む真の「故郷」 サッカーからヒトの起源にまで自国をとび出し還っていく「イベリア半島に生息する生物」 ひらがな、カタカナ、漢字……アトラクションさながら文字を乗り越えていく「あカ佐タな」 〝お金を払ってまで覚えないといけないようなモノだっただろうか?〟著者デビュー作「廃車」「LIFE」に登場した猫木豊が子の国語習得の前で立ちつくす「王国の行方――二代目の手腕」 【書評より】 「故郷」 日本語の音声体系を問い、音自体の微細な異なりに集中させる手腕が見事。自分が生まれたのではない言語の中に故郷を見出そうとするクィの姿は母語の外に出る旅はこのような形でもはじまるということを鮮烈に示した。言語をめぐる確かな手応えのある手腕が素晴らしい (岩川ありさ「文學界」) その試みが最良かつ最善の姿で昇華されたのが「故郷」と題された一作だろう。冒頭の数ページのぎこちないやりとりの理由も含め、タイトルの意味を理解したときには思わず立ち上がって声をあげてしまった (倉本さおり「文藝」) 松波さんは、最初にも言いましたけど、どんどんおかしな方向に向かっていることは間違いない。「クィ」が登場するときに、謎の生き物誕生みたいな話になっているところも面白い。それがだんだん人間の形をとっていくわけだけど、最初はもっと不定形の、よくわからない生き物みたいなのに、いつの間にか語り手の分身のようになって展開していきます (佐々木敦「群像」) 最後、滑舌の悪い者たちによる、輪郭がぼやけたままの、身体感覚をともなった言葉の応酬に感動する。とても好き (矢野利裕「文學界」) 「イベリア半島に生息する生物」 松波氏は言葉によってエロス的な身体性を表象にするのに成功しているんだよね。しかも、自分の身体がリビドーに乗っ取られている感じも、かなりキテいる。「頭部はもちあがりたがる。頸部がのびたがる。」なんて書かれているところはまさにそうでしょう (池田雄一「図書新聞」) 「あカ佐タな」 かな、カナ、漢字、画数、部首、音、アルファベットに記号。人の体の内外で言葉が形を変えていく、目にも楽しい奇妙な短篇は特集「ことばとからだ」のための書き下ろし。これが手書きなのか! という驚きが、この作家の作品を読むたびにずっとついてくる (鳥澤光「文學界」) 「王国の行方――二代目の手腕」 もっと複雑で豊かな「先」がある。それを想像=創造する自由がある。前作(「カルチャーセンター」)につづき、よい小説を読んだ (川口好美「週刊読書人」) 【著者プロフィール】 松波太郎(まつなみ・たろう) 1982年三重県生まれ。文學界新人賞、野間文芸新人賞受賞。著書に『よもぎ学園高等学校蹴球部』、『LIFE』、『ホモサピエンスの瞬間』、『月刊「小説」』、『自由小説集』、『本を気持ちよく読めるからだになるための本』、近著に『カルチャーセンター』。 著者 松波太郎 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年5月20日 四六判 320ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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乱反射 / 現代短歌クラシックス12【新本】
¥1,540
【出版社内容紹介】 〔収録歌より〕 こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空 もう二度とこんなに多くのダンボールを切ることはない最後の文化祭 講堂で賛美歌うたう友達のピアスの穴を後ろから見る 噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし なにもないこともないけどなにもない或る水彩画のような一日 【著者プロフィール】 小島なお(こじま・なお) 1986年、東京生まれ。青山学院高等部在学中に短歌を作り始める。2004年、角川短歌賞受賞。歌集に『乱反射』(現代短歌新人賞、駿河梅花文学賞)、『サリンジャーは死んでしまった』、『展開図』。千葉聡との共著『短歌部、ただいま部員募集中!』(岩波書店)。日本女子大学講師。信濃毎日新聞歌壇選者。 著者 小島なお 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年4月28日 四六判変形 128ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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現代短歌パスポート1 シュガーしらしら号【新本】
¥1,100
SOLD OUT
【出版社内容紹介】 新シリーズ創刊! 最注目の歌人10名による書き下ろしの新作短歌アンソロジー歌集。 【収録作品】 榊原紘「Classic」 伊藤紺「雪の匂い」 千種創一「White Train」 柴田葵「おさしみ」 堂園昌彦「春は水さえとろけさせる」 谷川電話「夢を縫う、たき火を保つ」 吉田恭大「フェイルセーフ」 菊竹胡乃美「火のぬいぐるみ」 宇都宮敦「羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール)」 初谷むい「天国紀行」 【執筆者プロフィール】 榊原紘(さかきばら・ひろ) 1992年愛知県生まれ。奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞。2020年、第一歌集『悪友』刊行。ゆにここオンラインカルチャースクールで「推しと短歌」の講師を務める。短詩集団「砕氷船」の一員。 伊藤紺(いとう・こん) 歌人。1993年生まれ。横浜在住。著書に歌集『肌に流れる透明な気持ち』『満ちる腕』(いずれも短歌研究社)、ミニ歌集『hologram』(CPcenter)。 千種創一(ちぐさ・そういち) 1988年愛知県生まれ。2015年、『砂丘律』。2016年、日本歌人クラブ新人賞、日本一行詩大賞新人賞。2020年、『千夜曳獏』。2021年、現代詩「ユリイカの新人」に選出。2022年、『イギ』、ちくま文庫版『砂丘律』。 柴田葵(しばた・あおい) 歌人、ライター。第2回石井僚一短歌賞次席。第1回笹井宏之賞大賞受賞により、第一歌集『母の愛、僕のラブ』(書肆侃侃房)を出版。東京都在住。身長164センチ。 堂園昌彦(どうぞの・まさひこ) 1983年東京都生まれ。早稲田短歌会を経て、現在、短歌同人誌「pool」所属。2013年、第一歌集『やがて秋茄子へと到る』(港の人)刊行。ブログに歌書紹介サイト「短歌のピーナツ」。 谷川電話(たにかわ・でんわ) 1986年愛知県生まれ。2014年、角川短歌賞を受賞。歌集に『恋人不死身説』(2017年、書肆侃侃房)、『深呼吸広場』(2022年、書肆侃侃房)。 吉田恭大(よしだ・やすひろ) 1989年鳥取県生まれ。「塔短歌会」「早稲田短歌会」で短歌を学ぶ。2019年第一歌集『光と私語』(いぬのせなか座)を刊行。同年より詩歌の一箱書店「うたとポルスカ」を運営。 菊竹胡乃美(きくたけ・このみ) 1995年福岡県生まれ。2015年から短歌を始める。第一歌集『心は胸のふくらみの中』(書肆侃侃房、2023年)。 宇都宮敦(うつのみや・あつし) 1974年千葉県生まれ。歌集『ピクニック』(2018年、現代短歌社)。ブログ「Waiting for Tuesday」(https://blog.goo.ne.jp/utsuno)。 初谷むい(はつたに・むい) 1996年生まれ、札幌市在住。第一歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』(書肆侃侃房、2018年)、第二歌集『わたしの嫌いな桃源郷』(書肆侃侃房、2022年)。 著者 榊原紘、伊藤紺、千種創一、柴田葵、堂園昌彦、谷川電話、吉田恭大、菊竹胡乃美、宇都宮敦、初谷むい デザイン 藤田裕美 装画 楢崎萌々恵 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年5月12日 四六判 112ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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カメラは光ることをやめて触った【新本】
¥2,090
SOLD OUT
【出版社内容紹介】 夏の井戸(それから彼と彼女にはしあわせな日はあまりなかった) 我妻俊樹の短歌を初めて集成する待望の第一歌集。 誌上歌集「足の踏み場、象の墓場」から現在までの歌を含んだ唯一無二の686首。 わたしがポストニューウェーブ世代でもっとも影響を受けた歌人は我妻俊樹だ。 この歌集を前にして、可能な限り無力な読者として存在してみたかった、と思った。 ──────瀬戸夏子 心がないものにこそ心があると思うから、こういう歌だけを信じられる。 我妻さんの歌は、無数の蛍が放たれた小さな暗がりのようで、一首の歌がいくつもの呼吸をしている。 ──────平岡直子 【作品紹介】 名刺だよ 髪の毛を切って渡すと私のことに気づいてくれる 秋が済んだら押すボタン ポケットの中で押しっぱなしの静かな神社 渦巻きは一つ一つが薔薇なのに吸い込まれるのはいちどだけ ガムを噛む私にガムの立場からできるのは味が薄れてゆくこと 橋が川にあらわれるリズム 友達のしている恋の中の喫茶店 【著者プロフィール】 我妻俊樹(あがつま・としき) 1968年神奈川県生まれ。2002年頃より短歌をはじめる。2003年から4年連続で歌葉新人賞候補。2008年、同人誌「風通し」に参加。平岡直子とネットプリント「ウマとヒマワリ」を不定期発行。2016年、同人誌「率」10号誌上歌集として「足の踏み場、象の墓場」発表。2005年に「歌舞伎」で第3回ビーケーワン怪談大賞を受賞し、怪談作家としても活動する。著書に『奇談百物語 蠢記』、〈奇々耳草紙〉シリーズ、〈忌印恐怖譚〉シリーズ(いずれも竹書房文庫)など。その他共著に『kaze no tanbun 特別ではない一日』『同 移動図書館の子供たち』(柏書房)、『平成怪奇小説傑作集2』(創元推理文庫)、『ショートショートの宝箱』(光文社文庫)、『てのひら怪談』(ポプラ文庫)など。 著者 我妻俊樹 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年3月29日 四六判 224ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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詩と散策【新本】
¥1,760
SOLD OUT
【出版社内容紹介】 散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ 雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編 オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス…… 『詩と散策』は、著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集だ。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。 【目次】 宇宙よりもっと大きな 寒い季節の始まりを信じてみよう 散歩が詩になるとき 幸福を信じますか? 11月のフーガ 悲しみ、咳をする存在 果物がまるいのは 夏に似た愛 心のかぎりを尽くして来たから 永遠のなかの一日 海から海のあいだに なにも知りません よく歩き、よく転びます 国境を越えること みんなきれいなのに、わたしだけカンガルー ひと晩のうちにも冬はやってくる 夢とおなじ材料でできている 夕暮れただけ 窓が一つあれば十分 灰色の力 真実はゆっくりとまぶしくなければ 猫は花の中に いくつかの丘と、一点の雲 今日はわたしに、明日はあなたに 彼女の歩く姿は美しい(送らない手紙) 日本の読者のみなさんへ 訳者あとがき 【著者プロフィール】 ハン・ジョンウォン 한정원 大学で詩と映画を学んだ。 修道者としての人生を歩みたかったが叶わず、今は老いた猫と静かに暮らしている。 エッセイ集『詩と散策』と詩集『愛する少年が氷の下で暮らしているから』(近刊)を書き、いくつかの絵本と詩集を翻訳した。 【訳者プロフィール】 橋本智保(はしもと・ちほ) 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)ユン・ソンヒほか『私のおばあちゃんへ』(同)など多数。 著者 ハン・ジョンウォン 訳者 橋本智保 装幀 成原亜美(成原デザイン事務所) 装画 日下明 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年2月6日 四六判変形 152ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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たましひの薄衣【新本】
¥2,200
【出版社内容紹介】 ほぐれつつ咲く水中花――ゆつくりと死をひらきゆく水の手の見ゆ 満を持して刊行される、菅原百合絵待望の第一歌集。 人間が荒れ狂う今世紀にこのような美しい歌集が生まれたことをことほぎたい。 ────水原紫苑 静謐で深い歌の探求が続けられていたことに胸を打たれる。 ────野崎歓 【収録歌より】 ネロ帝の若き晩年を思ふとき孤独とは火の燃えつくす芯 たましひのまとふ薄衣(うすぎぬ)ほの白し天を舞ふときはつかたなびく 水差し(カラフ)より水注(つ)ぐ刹那なだれゆくたましひたちの歓びを見き 一生は長き風葬 夕光(ゆふかげ)を曳きてあかるき樹下帰りきぬ 「わたしの夫(モン・マリ)」と呼ぶときはつか胸に満つる木々みな芽ぐむ森のしづけさ 【著者プロフィール】 菅原百合絵(すがわら・ゆりえ) 1990年生まれ。東京出身。「東京大学本郷短歌会」「パリ短歌クラブ」元会員(現在いずれも解散)。「心の花」会員。パリ・シテ大学(旧パリ第七大学)博士課程修了。専門は18世紀フランス文学。 著者 菅原百合絵 装丁 須山悠里 表紙写真 アンダース・エドストローム 栞 水原紫苑、野崎歓、星野太 発行所 書肆侃侃房 発行日 20223年2月20日 四六判 144ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ねむらない樹 vol.10【新本】
¥1,650
【出版社内容紹介】 ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす(笹井宏之) 特集=第5回笹井宏之賞発表/15年目の笹井宏之 【目次】 ■特集1 第5回笹井宏之賞発表 ◎大賞 左沢森「似た気持ち」、瀬口真司「パーチ」 ◎大森静佳賞 中村育「風は吹く、無数の朝」 ◎染野太朗賞 手取川由紀「羽化のメソッド」 ◎永井祐賞 野川りく「遡上 あるいは三人の女」 ◎野口あや子賞 八重樫拓也「晩年」 ◎Moment Joon賞 橙田千尋「Liminal」 ◎選考座談会 大森静佳×染野太朗×永井祐×野口あや子×Moment Joon 最終選考候補作 ■特集2 15年目の笹井宏之 ◎座談会「笹井宏之という歌人の自由さとは何だったのか」 穂村弘×東直子×土岐友浩 ◎インタビュー 筒井孝司・和子「音楽と短歌、そして仲間に支えられた日々」 ◎論考 瀬戸夏子「名づけられないままに象徴となってしまうこと」 山田航「ゼロ年代文化の中の笹井宏之」 江戸雪「はっさくになりなさい──『ひとさらい』再読」 ◎エッセイ 宇都宮敦「「ちかく」の〈やかん〉と「とおく」の〈公務〉」 伊藤一彦「笹井さんと言葉」 荻原裕幸「ひろゆきの名を」 吉川宏志「『ひとさらい』評釈の試み」 斉藤斎藤「俺の勝手」 しんくわ「碗琴」 生田亜々子「純粋ファンです」 今泉洋子「笹井宏之さんとの思い出を辿って」 森戸孝子「あなたへ伝えたいこと、そしてつないでほしいこと」 平原奈央子「内なる宇宙と現実の汽水域」 須藤歩実「笹井宏之と彼を支えた仲間たち」 森山希代子「ふるさと、家族の懐に育まれて」 ◎アンケート 私の好きな三首 笹公人「40歳の笹井宏之」 戸田響子「渇望の記憶」 伊舎堂仁「むだづかい」 橋爪志保「ぜいたくな力」 水野葵以「雨と月とワームホール」 笹川諒「言葉の世界による救済」 ◎未発表作品 短歌50首(加藤治郎選) 詩12篇(「ぽろぽろ」「どこかの交差点で」「オレンジ」「眠れない夜」「祈り」「夢見る雨上がり」「しるし」「こんな世界でも」「言葉を書こう」「まぶた」「夢」「羽化」) 俳句/川柳20句(編集部選) エッセイ「ことばは雨のようだ」「夏の匂い」 小説「水葬の街」 ◎詩 筒井孝徳「長い沈黙―兄宏之へ―」 ■特集3 2022年の収穫アンケート 水原紫苑 枡野浩一 千葉聡 藪内亮輔 石川美南 尾崎まゆみ 松村正直 ■作品20首 toron*「エンドユーザー」 木下侑介「ヘッドホン・トラックス」 佐々木朔「Rain rader」 帷子つらね「cue (all about a fiction)」 田村穂隆「玉眼」 佐藤弓生「ささがにの」 魚村晋太郎「天職」 奥田亡羊「俗武者」 石井僚一「○」 【巻頭表現】 大白小蟹 【特別掲載】 涌田悠「生まれ続ける未知のよろこび──『千年とハッ』創作レポート」 金子冬実「しずくひとつ、取りさった幸福──葛原妙子の文箱から」 【書評】 山下翔「変われないもの」……『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』(山田航) 山崎聡子「恍惚として、うたを」……『山中智恵子歌集』(水原紫苑編) 渡辺松男「カテゴライズからの自由」……『ヘクタール』(大森静佳) 奥村知世「美と不穏」……『ゴダールの悪夢』(尾崎まゆみ) 千葉聡「驚かされました」……『海辺のローラーコースター』(加藤治郎) 井上法子「わたしたちのまわりは、」……『オールアラウンドユー』(木下龍也) 小野田光「言葉にする静かな楽しさ」……『うすがみの銀河』(鈴木加成太) 久石ソナ「映画のような日常を暮らす」……『永遠よりも少し短い日常』(荻原裕幸) 黒瀬珂瀾「忘れものというたまもの。」……『岡井隆の忘れもの』(岡井隆) 西村曜「適当な距離」……『アップライト』(鯨井可菜子) 大井学「謎と問い」……『memorabilia/drift』(中島裕介) 虫武一俊「人生という瞬間」……『weathercocks』(廣野翔一) ■歌人の一週間 伊豆みつ 手塚美楽 廣野翔一 谷川電話 ■忘れがたい歌人・歌書 林和清「四倍(クアドラプル)になる世界」 ■文鳥は一本脚で夢をみる⑩ 梅﨑実奈「いにしえを背負う者」 ■ねむらない短歌時評⑩ 寺井龍哉「時にはむかしの話を」 ■短歌に近づく⑤ 細馬宏通「ひらかなの激情」 ■読者投稿欄 選者=内山晶太、花山周子 (テーマ:「電」もしくは自由) 発行所 書肆侃侃房 発行日 2023年2月20日 A5判 272ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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ねむらない樹 vol.9【新本】
¥1,650
SOLD OUT
【出版社内容紹介】 ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす(笹井宏之) 【目次】 特集=詩歌のモダニズム ■巻頭エッセイ 永井玲衣「枕辺の足」 ■巻頭リレー共作 上坂あゆ美×岡本真帆「はじまりの合図」 ■特集 詩歌のモダニズム 1922年にジョイスの『ユリシーズ』、エリオットの『荒地』、ウルフの『ジェイコブの部屋』が刊行された。それからちょうど100年。詩歌にとってモダニズムとはいったい何だったのか? 短歌、詩、小説、俳句、川柳のジャンルを横断しながら考えてみたい。 ◎導入 中井亜佐子「モダニズムの時空間」 ◎モダニズム短歌 三枝昂之「自転車屋にかうもり傘を修繕にやる━━前川佐美雄のモダニズム」 佐藤弓生「通い路にて━━モダニズムと短歌」 石原深予「いわゆるモダニズム短歌とは何か?━━自由律短歌とポピュラーソングの歌詞を補助線として」 松澤俊二「モダン都市の歌人たち━━デパートをめぐる短歌と想像力」 寺井龍哉「生まれてはみたけれど…」 髙良真実「モダン・モダニズム・モデルニスム?」 (前川佐美雄) 石原深予「前川佐美雄━━明るくておちついている「西洋的な新しさと日本的な古典の匂ひ」との結びつき」 濱田美枝子「「尖端」と前川佐美雄」 黒岩康「かくして今も由緒ただしき━━前川佐美雄&山中智恵子・師弟のこと」 瀬口真司「『植物祭』の戦後改訂」 (石川信雄) 黒瀬珂瀾「石川信雄━━都市という抒情」 (斎藤史) 川本千栄「異人さんにつれられて」 (加藤克巳) 吉川宏志「加藤克巳論 人間不在のまなざし」 ◎モダニズム詩 水田宗子「モダニズム文学の女性詩人・作家たち」 藤井貞和「モダニズム 左川ちか全集 いまここで」 北川透「モダニズム詩について」 大川内夏樹「モダニズム詩とは何だったか━━北園克衛の北原白秋受容に触れながら」 菊地利奈「伊藤整と左川ちか━━翻訳と創作についての一考」 佐藤雄一「技術的なあまりに技術的な」 ◎小特集 左川ちか ・座談会「左川ちかとモダニズム詩」島田龍×蜂飼耳×鳥居万由実 ・エッセイ 川野芽生「刺繡の裏」 マーサ・ナカムラ「生きること、書いて遊ぶこと━━『左川ちか全集』」 小津夜景「雲の影のあわいに」 酉島伝法「幻の鏡」 中保佐和子「左川ちかを英語に訳して」 小澤京子「小さな部屋のポエティーク」 西崎憲「左川ちかとヴァージニア・ウルフ」 高原英理「触角の上に空がある」 高遠弘美「机辺から離したくない一冊━━編者の情熱に敬意を」 木村朗子「硝子ごしの風景」 内堀弘「地図にない町」 田中綾「左川ちかの高等女学校時代━━教員・本間重と小樽歌壇」 ホルカ・イリナ「翻訳と創作と読書の連鎖━━サワコ・ナカヤスと左川ちかのコラボから連想すること」 中村多文子「スペインでも左川ちか」 ◎モダニズム文学の諸相 (小説) 戸塚学「モダニズム小説━━言葉という媒体」 (俳句) 大塚凱「虚子と虚子の子」 (川柳) 小池正博「現代川柳におけるモダニズム」 ■座談会 「いま山中智恵子を読むということ」水原紫苑×川野里子×大森静佳 ■作品 ◎30首 谷崎由依「この世のすべての言葉が」 櫻木みわ「みずうみ、または私小説」 ◎20首 染野太朗「愛について」 仲田有里「ライト」 千種創一「いくつもの四月をしないために」 大口玲子「カンガルーの母」 上篠翔「Dr.Martens の偽物を履いた男」 兵庫ユカ「時差」 木下こう「ミュゲ」 望月裕二郎「かえりたかった」 山崎聡子「家族旅行」 笠木拓「カピバラまんじゅう/地魚十貫」 我妻俊樹「偶然はあれから善悪をおぼえた」 ■第4回笹井宏之賞受賞者 新作 椛沢知世「べにひかり」 涌田悠「うごかなくなるまでうごく」 佐原キオ「川と傾く」 上牧晏奈「いい出汁」 手取川由紀「アイスストーム」 安田茜「鉱石」 ■特別寄稿 金子冬実「栗の木はさびしきときに━━葛原妙子の歌をめぐって」 ■書評 中山俊一「1マスすすむ」……『ショート・ショート・ヘアー』(水野葵以) 土岐友浩「カラフルな矛盾」……『老人ホームで死ぬほどモテたい』(上坂あゆ美) 藤原龍一郎「想像力の凄み」……『イマジナシオン』(toron*) 大松達知「しばし見ていた」……『羽と風鈴』(嶋稟太郎) 田丸まひる「医師として母として」……『メビウスの鎖』(桜木幹) 中家菜津子「時空を読む」……『青き時雨のなかを』(加藤孝男) 石川美南「しあわせ輪廻の外で私(ら)」……『柴犬二匹でサイクロン』(大前粟生) 谷川電話「終わらない白昼夢の世界」……『わたしの嫌いな桃源郷』(初谷むい) 江戸雪「笑って笑って笑えない」……『感電しかけた話』(伊舎堂仁) 前田康子「医療と言葉」……『救命』(犬養楓) 竹中優子「一枚の写真」……『水上バス浅草行き』(岡本真帆) 大平千賀「肉体を産む肉体」……『湖とファルセット』(田村穂隆) 今橋愛「理知的なゆうれい」……『深呼吸広場』(谷川電話) 加藤治郎「意識の旅人」……『牧野植物園』(渡辺松男) ■歌人の一週間 鈴木晴香 藤宮若菜 伊舎堂仁 伊波真人 ■忘れがたい歌人・歌書 大辻隆弘「田井安曇『父、信濃』」 ■文鳥は一本脚で夢をみる⑨ 梅﨑実奈「いいことばっか言ってんじゃないよ」 ■ねむらない短歌時評⑨ 寺井龍哉「定型にもあったんだ」 ■短歌に近づく④ 細馬宏通「大阪弁の距離」 ■読者投稿欄 選者=永井祐、野口あや子 (テーマ:「許す」もしくは自由) 発行所 書肆侃侃房 発行日 年月日 A5判 240ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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羽と風鈴【新本】
¥2,200
SOLD OUT
【出版社内容紹介】 それぞれの羽を揺らして風鈴はひとつの風に音を合わせる 第三回笹井宏之賞染野太朗賞を受賞した著者の第一歌集。 眼差しはあくまで低く、しかし深く、表現は抑制的に。嶋さんの歌はそんな風にして作られている。それがチェーホフと似ているのだ。 ────大辻隆弘 拡散と収斂が進行形で同時に発生しているようなこの日々のありようを、まるでひとりきりの測量士のように見つめる歌集。 ────小島なお 歌集のどの歌についても、言葉を尽くして誰かと語り合いたくなる。一首の静謐で理性的な質感や調べに、むしろ心をあたためられたような気がした。 ────染野太朗 【作品紹介】 地上までまだ少しある踊り場に桜の花が散らばっていた 乗り過ごして何駅目だろう菱形のひかりの中につま先を置く 開かれて窓の格子に吊り下がるビニール傘が通路に光る 白球がいま打ち上がる公園のヒマラヤスギの背丈を越えて 屋久島の森に置かれたマイクから配信される雨音を聞く 自動車の赤いランプの連なりが橋の終わりでほどけ始める 【著者プロフィール】 嶋稟太郎(しま・りんたろう) 1988年 宮城県石巻市生まれ。 2014年 短歌に触れる。「未来短歌会」入会。桜井登世子氏、大辻隆弘氏に師事。 2017年 未来年間賞(2016年度)受賞。 2020年 第3回笹井宏之賞個人賞染野太朗賞受賞(「羽と風鈴」50首)。 2021年 第64回短歌研究新人賞次席(「大きな窓のある部屋に」30首)。 著者 嶋稟太郎 発行所 書肆侃侃房 発行日 年月日 四六判 160ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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緑の祠 / 現代短歌クラシックス12【新本】
¥1,650
【出版社内容紹介】 海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海をみている 「新鋭短歌シリーズ」での初版刊行からちょうど10年。『緑の祠』以後の作品を増補し、五島諭の全短歌作品を集成した一冊。 「『緑の祠』に、高校の教員になったばかりのころの作品を加えた今回の改訂をもって、短歌の近くに身を置いた時代に、一区切りついたと感じている」(新装版のあとがきより) 【作品紹介】 ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった 物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋 怪物もきれいなほうがいいなあと夕陽に向かってかざす羽箒 身の丈に合わない品はかなしむに足る身の丈に合わない品は 栗の花蹴散らしながら行く道のどこかに君はいないだろうか 【著者プロフィール】 五島諭(ごとう・さとし) 1981年生まれ。2000年早稲田短歌会入会。 同人誌「pool」、ガルマン歌会で活動。 著者 五島諭 装幀 加藤賢策 発行所 書肆侃侃房 発行日 年月日 四六判変形 144ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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窓、その他【新本】
¥1,760
【出版社内容紹介】 思い出よ、という感情のふくらみを大切に夜の坂道のぼる 日々の労働と都市で生きる者の日常。他人からすればどうでもよいかもしれない、ただ、見過ごせないことやもの。 静かな内省を基底におきながら、希望と祈りが自然とわきあがる。 現代歌人協会賞を受賞した第一歌集、待望の新装版! 【作品紹介】 たんぽぽの河原を胸にうつしとりしずかなる夜の自室をひらく 口内炎は夜はなひらきはつあきの鏡のなかのくちびるめくる 少しひらきてポテトチップを食べている手の甲にやがて塩は乗りたり 湯船ふかくに身をしずめおりこのからだハバロフスクにゆくこともなし わが胸に残りていたる幼稚園ながれいでたりろうそくの香に 【著者プロフィール】 内山晶太(うちやま・しょうた) 1977年、千葉県生まれ。1998年、第13回短歌現代新人賞。2012年、第一歌集『窓、その他』(六花書林)を刊行。翌年同歌集にて第57回現代歌人協会賞。「短歌人」編集委員。「外出」「pool」同人。現代歌人協会理事。 著者 内山晶太 装幀 加藤賢策 発行所 書肆侃侃房 発行日 年月日 四六判変形 168ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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月面文字翻刻一例【新本】
¥1,870
【出版社内容紹介】 誰もが探していたのに見つからなかったお話たちが、 こうして本に育っていたのをみつけたのは、あなた。 ────────円城塔 第65回現代歌人協会賞を受賞した歌集『Lilith』など、 そのみずみずしい才能でいま最も注目される歌人・作家、川野芽生。 『無垢なる花たちのためのユートピア』以前の初期作品を中心に、 「ねむらない樹」川野芽生特集で話題となった「蟲科病院」、 書き下ろしの「天屍節」など全51編を収録した待望の初掌編集。 【著者プロフィール】 川野芽生(かわの・めぐみ) 1991年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科在籍中。2017年、「海神虜囚抄」(間際眠子名義)で第3回創元ファンタジイ新人賞の最終候補に選出される。2018年、「Lilith」30首で第29回歌壇賞を受賞し、2020年に第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房)を上梓。同書は2021年に第65回現代歌人協会賞を受賞。2022年、短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社)を刊行した。 著者 川野芽生 装丁 ミルキィ・イソベ+安倍晴美(ステュディオ・パラボリカ) 発行所 書肆侃侃房 発行日 年月日 四六判 224ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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永遠よりも少し短い日常【新本】
¥2,200
【出版社内容紹介】 わたくしをすべてひろげて丁寧に折りなほす青い鶴となるまで 『リリカル・アンドロイド』に続く第七歌集。 日常の中に隠されているきらりきらりと輝くひかりを、そっと集めては両手で包み込んで微笑んでいる姿が目に浮かぶよう。なんでもない一日こそがきっといつか大切な日になる、荻原さんの歌にはそんな日々が詰まっています。 ―熊谷由佳(丸善ヒルズウォーク 徳重店 名古屋市) 荻原裕幸との出会いは『青年霊歌』発表、ニューウェーブ前夜と記憶は朧。その時の新星は本作では見事に輝度を放ち、オールドスクール的存在は次世代をも鼓舞する。私はモートン・フェルドマンBGMに読み確信。 ―古田一晴(ちくさ正文館書店 名古屋市) 【作品紹介】 三十三間堂あらたまのああこれは市川春子の線だとおもふ 元は天使なのかも知れぬ亡き父の冬天だけを撮つたアルバム 暁美ほむらが眼鏡をやめた経緯ほど寂しくもなく咲く桐の花 ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である 【著者プロフィール】 荻原裕幸(おぎはら・ひろゆき) 1962年生まれ。名古屋市在住。愛知県立大学卒。90年代のはじめ、朝日新聞に掲載された歌論の反響をきっかけに、ニューウェーブと呼ばれる。第30回短歌研究新人賞受賞。名古屋市芸術奨励賞受賞。第11回中日短歌大賞受賞。歌集出版企画「歌葉」プロデュース、総合誌「短歌ヴァーサス」責任編集、等、フリーな立場を活かした活動を続けている。歌集に『青年霊歌』『甘藍派宣言』『あるまじろん』『世紀末くん!』『永遠青天症』『リリカル・アンドロイド』がある。「東桜歌会」主宰。同人誌「短歌ホリック」発行人。 著者 荻原裕幸 装画 久保田寛子 発行所 書肆侃侃房 発行日 2022年8月24日 四六判変形 144ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955