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不知火【新本】
¥3,300
【内容紹介】 「不知火」に導かれて幻想的世界へと誘われる短編小説集 子供のころ世界の七不思議という題の本が家にあった。そこには昔ある天皇が九州を旅していた時に不思議な光が海に湧き出るのを見てあれは何かと漁師に尋ね、漁師が知らぬと答えた故にその火を不知火と名付けられたという話が載っていた。その火がどのようなものかついぞわからぬままに、むしろその響きの持つ玄妙な美しさに魅かれて、それがいつの間にか不思議なイメージとなって心に残った。真っ暗な海、彼方に光のようなものが浮かび上がる。いや、この世の光なのか、眼の裏側にしかないものなのか、いぶかしんでいるうちにそれが次第に広がり始める。沖合全体が輝き始めたと思う間もなくもうそれは思い出のようにふっと消え去ってしまい、そこにそんな光があったと思うのもまたうつつか夢かわからぬあえかなほのめく匂いのようににじんで行ってしまう……横浜に移り住んだ五歳のころから海は日常のものとなり、目にも、体にも親しいものとなり、昼の美しさにも夜の星空にもいつに変わらぬ甘やかな薫りを含んでいて、それに懐かしさを覚え、自分にとって、懐かしいという言葉は聞けば直ちに海の匂いを思い浮かべるものとすらなってしまった。(前書きより) 著者 知火 発行所 七月堂 発行日 2023年2月10日 A5判 379ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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夢と人生 上巻【新本】
¥3,300
ジェラール・ド・ネルヴァル33歳までの物語 ジェラール・ド・ネルヴァルは1808年に生まれ1855年に亡くなった19世紀前半の作家である。 ヴィクトル・ユゴーの演劇の革命と言える『エルナニ』の戦いに参加したことから分かるようにロマン派の作家として出発したが、人生の後期においては町を歩きながらルポとフィクションを織り交ぜていくようなロードムービー的な志向や、内面的な時間の記述、シュールレアリスムを先取りしたような夢、それも壮大な宇宙的なイメージを伴った夢の記述など現代に直接つながるような作品を集中的に発表して短い人生を自殺によって終わらせた。 その転回点となったのが1841年、33歳の時に起きた狂気の発作である。 この伝記小説上巻ではこの時点までが扱われている。 彼の作品中大きなカギとなる女性の存在であるが、女優・歌手のジェニー・コロンとピアニストのマリー・プレイエルの二人であることははっきりしている。 ただ現実の人生に彼女たちとどこまで関係があったのかは分からない。(藤田 衆) 【目次】 一. モルトフォンテーヌ(一八一四年) 二. エリーズ 三. 夢 四. ベレジナ(一八一二年) 五. オウム 六. 老詩人の嘆き(一八七二年) 七. シャルルマーニュ中等学校(一八二四年) 八. ラブリュニー医師 九. 小さな人のいる不思議な部屋 十. ずる休み 十一. タンプル大通り 十二. 木組み回廊 十三. 雨宿り 十四. 留守に届いた手紙 十五. 初出版 十六. 手紙 十七. 帰還(一八五四年) 十八. デュブラン(一八二七年) 十九. ソフィー 二十. 影を失くした男 二十一.森 二十二.ロージュの市 二十三.狩り 二十四.『ファウスト』(一八二七 —— 一八五四年) 二十五.交霊術(一八五五年) 二十六.サゲの女将の店(一八二九年) 二十七.アシール・ドヴェリア 二十八.アトリエ 二十九.若きカリスマ 三十. 『エルナニ』(一八三〇年) 三十一.嵐の前 三十二.栄光の三日間(一八三十年七月二十七日) 三十三.同窓会(一八六八年) 三十四.アルスナル(一八三〇年) 三十五.小セナークル 三十六.伏魔殿 三十七.社会勉強 三十八.タタールの野営地 三十九.コレラ(一八三二年) 四十. 舞踏会(一八三三年) 四十一.祖父の死(一八三四年) 四十二.イタリア旅行 四十三.ナポリ 四十四.ヴェスビオ 四十五.マルセイユ 四十六.ドワイヤネ小路 四十七.「演劇界」(一八三五年) 四十八.乱痴気騒ぎ 四十九.シダリーズ 五十. 破綻(一八三六年) 五十一.ベルギー旅行 五十二.再出発 五十三.『ピキヨ』(一八三七年) 五十四.ドイツへ(一八三八年) 五十五.バーデンバーデン 五十六.フランクフルト 五十七.アレクサンドル・ヴェイユ 五十八.亡命者の村 五十九.発覚 六十. 『レオ・ビュルカール』 六十一.共作者 六十二.ウィーンへ 六十三.ラウール・スピファム 六十四.スイス(一八三九年) 六十五.ドイツ、バヴァリア 六十六.ウィーン 六十七.グリルパルツァー 六十八.大使館 六十九.ウィーンの恋、ローザ 七十. 夜会 七十一.アルバイト 七十二.マリー 七十三.大晦日 七十四.ベッドの中の年明け(一八四〇年) 七十五.帰る 七十六.借金 七十七.ハイネ 七十八.不運の連鎖 七十九.ベルギーミッション 八十. 冬のベルギー 八十一.アントヴェルペン 八十二.三人の美女 八十三.交霊術 八十四.現実生活への夢の侵入(パリ一八四一年) 八十五.ジェラール 八十六.病院 八十七.ジャナンの記事 八十八.ブランシュ医師 八十九.退院 著者 知火 発行所 七月堂 発行日 2023年5月25日 A5判 675ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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白衛軍【新本】
¥3,850
SOLD OUT
【内容紹介】 第一次世界大戦とロシア革命につづくロシア内戦。ボリシェヴィキの赤軍と反革命軍の白衛軍との戦いに巻き込まれていくトゥルビン家の人々の物語。自伝的要素も強いブルガーコフ最初の長編作品。 著者 ミハイル・ブルガーコフ 訳者 石原公道 発行所 七月堂 発行日 2021年7月31日 四六判 423ページ _______________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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虚の栖【新本】
¥2,750
「人は死者という存在になる」 『LEIDEN 雷電』に書き継がれたものが集結した。 終結ではないことを記したい。 幸いな人間は生まれて家族と共にある。 育ってゆく中で「自分はなぜこの家族といるのか、本当の親はどこかにいるのではないか」と考える子供がいる。 その一人が日下部正哉だ、と思うのは勝手なのだが、父親と祖父の関わりの描写などは冷静かつ暖かい。 実生活の体験記でもあるように感じる小説なのだが、描写の卓越した言葉には思わず引き込まれてしまう。 時間に余裕が有る時に頁を開くことを勧める。 ついめくってしまうと風呂も入らずに朝を迎えてしまう。 著者 日下部正哉 発行所 七月堂 発行日 2019年11月1日 四六判 405ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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チャイナ・カシミア【新本】
¥1,650
SOLD OUT
その編み目に狂いはなく欺瞞はなく、そこにはいきなり生の、真実の「小さい」感触が入ってくる。(笙野頼子) 上亜紀の言葉で編まれたケープは軽やかで美しい。 灰色猫が登場し私たちの前を尻尾を揺らしながらちゃぶ台の下を潜ってゆく。その尻尾を目で追いながら「私には尻尾が無い」と羨ましがっているのは誰なのか。 おしゃべりな灰色猫は阿佐ヶ谷のカフェの黒猫の噂話を始めるのだ。陳さんと魏さん、劉氷の噂は凍死寸前の山羊たちから聞いたかどうかは分からない。 笙野頼子の解説は笙野頼子の小説かもしれない、と灰色猫は七月堂に喋ってくれた。 次は北原6丁目、とアナウンスが響いて、背広の山羊が降りていった。続いて牛のような動物が降りていったのだが、牛にしては小さすぎて後ろ姿はロバのようにも見えた。牧民でもないくせによけいなことを、という声が頭の上で響いた。顔を上げるとマンションの掃除人が共有廊下を掃除するときに着る赤と緑のジャンパーを着て立っていて、あれは遺伝子操作に失敗したんだよとにやりと笑い、モップの先でその牛のような動物の後ろ姿を指した。私はこの男を何回か見かけたことがあった。いつも息を切らしてマンションの玄関や郵便受けを掃除しているのだが、あの掃除人はそうやっていつも一心不乱に掃除するふりをしながら何かよからぬことを考えているのだというふうにマンションの住人たちは思っているらしいと母は言っていた。掃除しながら何を考えようとそんなことは勝手だが、現在バスにモップを持って乗っている掃除人の目つきは乗客を監視しながら隙あらばモップで小突いてやろうと確かにそう考えているようだ。野辺山動物病院前で、私はこの男と一緒に降りることになるのだろう。そしてモップで追われながら、角から三つ目のオートロックマンションの自動ドアの前に立たされるのだ。 (「チャイナ・カシミア」より抜粋) 著者 川上亜紀 発行所 七月堂 発行日 2019年1月23日 四六判変形 165ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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父のこけし【新本】
¥1,650
優しさの文学 数奇な工人佐藤誠とその家族。父は芸術の魂をひろい、子はその魂を分析する。工人と物書きとの心の再会ともいうべき小説の一つの典型を示した秀作短編集、復刊。 ―こけし職人の名工だった父、その父と離ればなれで暮らさなければならなかった家族。父の生きた途と自分とのかかわりあいをとおして、貧しさは自分のなかの何を傷つけたか。自分はその痛みのなかで、何を超えて生きてきたのか、また生きていこうとしているのか。この作者はその「論理」をつかみだそうと手さぐっているように私には思われる。―山根献(文化評論) 著者 佐藤光良 発行所 七月堂 発行日 2018年3月1日 文庫判変形 221ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955