詩集

  • ¥ 1,870
  • 身構える必要はなく、 呼び出される光景に、浸ればいい。 ――暁方ミセイ ここには、具体としての 「生」の過去と現在があり…… ――田野倉康一 歴程新鋭賞を受賞した『遠葬』の発行より4年。 萩野なつみの第二詩集。 萩野さんの織りなす詩に身をまかせると、頭のなかがシンと静まり言葉や景色が反響しはじめます。 うっとりしたり。 心がしびれたり。 泣きたくなったり。 さまざまな音色を奏で、自分のなかにこんな気持ちや感情があったのかと、新たな出会いを導いてくれるような一冊だと感じます。 ゆびを見ていた 缶コーヒーをしずかに振り かしり と開ける いちれんのしぐさ 落ち葉をふむ鳩のあしおと わたしは 顔をあげられない かすかな汽笛 港まで歩いて行ける場所で うみ、という たった二文字の 遠さを思った (本書「横顔」より抜粋) 著者 萩野なつみ 発行所 七月堂 発行日 2020年10月21日 四六判 111ページ

  • ¥ 1,650
  • 2009年頃から猫の絵物語を描き始められた内藤利恵子さんの作品を、たっぷり収録した一冊です。 詩? 漫画? それとも‥? 内藤さんの作品は、どんな風とジャンルにとらわれることなく、自由気ままにページをめくっていただきたい、そんな風に思います。 手をのばしてクルリと回った手の先が描く線のなかに大事なもののほととんどがあって、それはいつだって、手元に引き寄せることができるかもしれない。 そんな風に気持ちを優しくしてくれる、ある猫とその仲間たちの詩物語です。 【内藤 利恵子】 絵と詩と猫で、物語をつむいでいます。 本と音楽に夢中な思春期をすごす。 95年頃より、演劇制作者として、演劇界を中心に数々の舞台公演で活躍。 2009年6月、すべて引退。 その夏の、ある日より、猫の絵物語を描きはじめる。 【著書など】​ 2017年 絵本「ねこかげ」 2017年 詩「おひさままち」(世田谷文学賞佳作) 2018年 作品展「ドリーミン」 2018年 マンガ絵本「COFFEE CAT!」 ほか、リトルプレス多数 著者 内藤利恵子 発行所 七月堂 発行日 2020年11月1日 A5判変形 96ページ

  • ¥ 1,650
  • 21世紀のカオスを生きる〈わたし〉の 魂に乱反射する〈ひかり〉を捉えて 〈ことば〉に磨きあげる感性 〈覆された宝石〉はすでに鏤められている ー高橋 次夫ー 音の聞こえない夕暮れは近い 一筋の雲が 揺らぐように 寝息を立てて 夜空が煌めくのを待っている (本書「午睡」より抜粋) ゆるぎないものは何もなかった。いつでも揺らめいていて、突如消えていくような怖さを持っている。 手放したものは、手放したのか捨てたのか捨てられたのかもよく分からない。分かっていることは、今ここにないということだけだ。底流からの表出、外界と接したのちの外界にも流れうる底流、そういったものを探しあぐねていくうちに、何度私は見失ったり手放したりしてきたのだろう。 (本書「あとがき」より抜粋) 著者 原島里枝 発行所 七月堂 発行日 2020年10月15日 A5判 93ページ

  • ¥ 990
  • 【作品紹介】 とっくの昔に発送された報せが 突然わたしのもとに届く日があって きまってわたしは手を使っている 今日のは不慣れな仕事 勢いあまって クロスをはみ出したクリームが 冷たい 後悔を載せきれない ちいさな手のまま わたしは大きくなってしまった (本書「報せ」より抜粋) 著者 大島静流 発行所 七月堂 発行日 2020年10月10日 四六判 91ページ 【関連本】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576

  • ¥ 1,760
  • 宿久理花子詩集 洗い髪のまますり寄った むぼうびな春はいい匂いがした おろしたての風 の濃度 まなじり 明るくなったねと言いあう午後五時が 馴染んでくる 肌へ 新月へ (本書「春めく」より抜粋) 著者 宿久理花子 発行所 七月堂 発行日 2020年9月22日 A5判変形 114ページ

  • ¥ 2,750
  • 髙塚謙太郎詩集 「詩」と「歌」が一体となって届けられる時、その「ことば」には新鮮な美しさが宿る。 髙塚謙太郎3年ぶり5冊目となる新詩集!! 書き下ろし、私家版詩集、ネット上で公開された「〈末の松山〉考」などを収録。 広い紙面のうえ、新しい構図で詩篇の解体と展開を試みた。 限りなく無意識にちかい意識のなかで、自由に飛躍する詩のことば。 読むほどに広がってゆく髙塚謙太郎の織りなすことばの美しさに、何度でも出会えるだろう。 「目次」 七竅 Blue Hour HANNAH 花嫁Ⅰ 〈末の松山〉考 あ文字のいた夏(マイ・サマー・ガール) Memories 花嫁Ⅱ 「背のすらりと、 抜けていく気がしたから。 思えばテレビの明るさ、静かさ、 暗さがこんなに女のひとのほつれて、 立ち姿が聞こえてくる。 水の溜まった視細胞はわたしは深く、 深さは、ひとかきで闇をやぶって、 映りこんでしまった手の白かった。 文面のまま、 春を待って 会いにくるとは。」 ─本文より抜粋 著者 髙塚謙太郎 発行所 七月堂 発行日 2019年7月15日 A4判 253ページ 【送料ご選択時にご注意ください】 *1冊 →「クリックポスト」 *2冊以上 →「ヤマト宅急便」

  • ¥ 1,320
  • やすらいはなや やすらいはなや 文字をつかって言葉をつらねるとして、愉楽をもたらすものが果たして何なのか、とかんがえてみますと、それはまちがいなく韻律の仕掛けによっているということがわかります。流麗さもさることながら、摩擦の多い韻律であってもそれは変わりません。むろん黙読をするときに幽かに脳の舌先で転がされる韻律のことです。もちろん言葉ですから、そこに意味と名指される何かは付着するわけですが、意味が愉楽をもたらすわけではありませんので、いうなれば添えものに過ぎないのかもしれません。ただし、言葉がもつ幾重もの意味の層が常に揺れつづけることで色がひろがり、私たちの脳である種のリズムが生まれてくることも確かで、韻律といった場合、単なる音韻上のリズムをさすわけではなさそうです。――髙塚謙太郎 髙塚謙太郎 著 詩集 2016/07/15発行 130×205 A5判変形 並製 第二刷 発行 七月堂

  • ¥ 900
  • 様々な大学の学生が参加している学生詩集の第3号です。 【編集】 朝吹亮二 新井高子 伊藤比呂美 笠井裕之 川口晴美 北川朱実 城戸朱理 小池昌代 小沼純一 管啓次郎 瀬尾育生 永方佑樹 中村純 野村喜和夫 蜂飼耳 樋口良澄 発行 インカレポエトリ 印刷 七月堂 発行日 2020年10月1日 A5判 372ページ 【送料ご選択時にご注意ください】 *1冊→「クリックポスト」 *2冊→「レターパックライト」 *3~4冊→「レターパックプラス520」 *5〜8冊→「クロネコヤマト80サイズ」 *9〜10冊→「クロネコヤマト100サイズ」 【関連本】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576

  • ¥ 990
  • 内堀みさき詩集 神様は僕にこの坂を与えました 【作品紹介】 アトランティスめがけて 追い越し車線 斜めに抜け駆け くぐり抜けるジャングル 繰り返される既視感覚 眩しさの対価は睡眠不足に拍車をかける 泥で汚れたジーンズと黄ばんだ地図を 自慢するように 案内標識に異世界を確認して 皮肉のため息をついた 新聞のおくやみに私の名前はなくて 代わりに桜の満開の便りを受け取る その足で渡った吊り橋 枝毛までも輝かせて 雨上がりの匂いを嗜む 群青の湖の底に私を確認して 浮き上がる泡に天命を待つ 著者 内堀みさき 発行所 七月堂 発行日 2020年9月1日 四六判 91ページ 【関連本】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576

  • ¥ 990
  • 川上雨季詩集 「いまにも光を呑まんとする、だれかの水平線」 【作品紹介】 都市のスケッチ くぐもった灰色に染まったふわふわの犬 昨日と同じ角で抱えられている わずかな期待を抱えて前を通るが 彼/彼女の瞳は他者を決して認めない 光のささない深い黒さをたたえて 上半身が前に倒れないように ガラスに写る 足を動かす 回転運動を伴う我々の移動は 動力を他に依存せずとも運転と呼ぶ 身体の自覚はごく限られている 両眉の裏から生え際にかけては 長方形の水面に守られていて わたしの意識は揺蕩する たしかに接地しているはずであるのに プレートの小さな揺れを認識できない どころか まれに水面が傾くと 身体自体の一部もあわせて傾く 大きな段差を伴って 眠りから醒めた深夜の渇き 二杯目の味噌汁の器が傾いて 左手の甲に熱湯が注がれた 細く揺らぐ痛みは炎のゆらめきを肌に植えたようで 白く生気のない石の上に散った海藻と味噌の 非日常らしいあざやかさを前に わたしだけが当事者だという自覚を提示した 電話をする男から離れ 床の上に自覚的に寝そべる皮の鞄 意思を持たされた物体に目を奪われながら 改札をくぐり抜ける 著者 川上雨季 発行所 七月堂 発行日 2020年7月1日 四六判 92ページ 【関連本】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576

  • ¥ 990
  • 小島日和詩集 「薬指をおかえしに上がりました、女は下げていた巾着袋を差し出した。」 【作品紹介】 エスカレーター 底のない穴のなかを エスカレーターが動いている 上っているのか 下りているのか とにかく、逆向きに乗ってしまい 遠い国のデパートのように 段差がなく平らになっているので ベルトコンベアで運ばれているようでもあり ほうれん草の束が滑り下りてきて そちらが上かと知るのだが 反対側からも転がってくる鶏肉を 腕に抱えこもうとするなら降りねばならない どこかからやってきた子どもが 扉の前に座りこみ 一本ずつ指をしゃぶっている かれは得意になって 私よりずっと とおくへはなす ポケットから取り出した 抜け殻も 壊れて落ちていくままにはしない 手の平に残ったかけらまで すっかり なめ終えてしまい よくまわる舌から ほつれた糸が引きだされていく しわが寄り ひだが生まれ とおくは ちかくへ絞られていく 踊り場から坪庭を見下ろす 排出される空気に巻かれながら洗濯物が落下していく 忘れ物をたしかめているとき、 わたしの背後では断層が広がっている いつまでも搬出口が見つからない 喉の奥にはりついて離れない 灰汁をかき消すように いきおいよく注いだ牛乳で飲みくだす 著者 小島日和 発行所 七月堂 発行日 2020年7月1日 四六判 89ページ 【関連本】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576

  • ¥ 500
  • 様々な大学の学生が参加している学生詩集です。 編集 朝吹亮二 新井高子 伊藤比呂美 笠井裕之 川口晴美 小池昌代 管啓次郎 瀬尾育生 樋口良澄(2号より) 発行 インカレポエトリ 印刷 七月堂 A5判 並製 210ページ 【送料ご選択時にご注意ください】 *1~3冊 →「クリックポスト」 *4冊 →「レターパックライト370」 *5、6冊 →「レターパック520」 *7冊以上 →「クロネコヤマト宅急便」 【関連本】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576

  • ¥ 1,320
  • 峯澤典子、第三詩集。 ぬくもりはじめた 祈りのかたちに 冬が 訪れる この〈旅〉は、通り過ぎていく景色の印象を残しながらも、別の空間、時間を移動しているようだ。ふとした気配が記憶を呼び覚ますように、うす暗い空の下、それでも光を求めて彷徨う。 マッチを擦っても 新年の雪みちには犬の影もない ひと足ごとに 夜の音が消えてゆく 冷気を炎と感じられるほど ひとを憎むことも 許すことも できなかった せめて てのひらで雪を受ければ いつまでも溶けない冬が ふたたび訪れることはない病室へ流れていった それを流星と呼んでいらい わたしの願いはどこにも届かない それでも星は 清潔な包帯のように流れつづけた(「流星」) 第二詩集『ひかりの途上で』(七月堂)で、第64回H氏賞を受賞した峯澤典子さんの最新詩集です。 峯澤典子個人誌「glass」https://shichigatsud.buyshop.jp/items/32434618 第一詩集 H氏賞受賞作『ひかりの途上で』https://shichigatsud.buyshop.jp/items/6048424 峯澤典子 2017/02/01発行 発行所 七月堂 四六版 並製カバー付 カバー・表紙デザイン:吉岡寿子

  • ¥ 1,320
  • 第64回H氏賞受賞 詩とは美しい言葉 静かな映画の場面がゆっくりと移り変わるような感覚。 思い浮かぶ情景は人それぞれかもしれないが、この独特の淡い美しさを味わう感覚は共通ではないだろうか。過去でも未来でもなく、現在とも少し違う場所から俯瞰して見たような世界。そこで描かれるのは鎮魂の時代から新しい命の時代へとシフトしつつある私たちの姿だ。 何度いのちが絶たれても ひとの手はなお 花びらを模して どうしても やさしく生まれようとする (「途上」より) 峯澤典子個人誌「glass」https://shichigatsud.buyshop.jp/items/32434618 第二詩集『あのとき冬の子どもたち』https://shichigatsud.buyshop.jp/items/5876871 峯澤典子 著 詩集 2013/08/06 四六判 並製 第三刷 発行 七月堂

  • ¥ 1,650
  • ブルトン、ピカソ、シャネル、アポリネールら縁のパリ黄金時代の詩人ピエール・ルヴェルディ。日本初個人訳詩集。 ピエール・ルヴェルディは、初期ランボーからルネ・シャールやイブ・ボヌフォワにいたるフランス詩の、静かな、しかしもっとも美しい稜線にいる。それは象徴派のように言葉に寄りかかることをせず、シュールレアリスムのようにイメージに寄りかかることをしない。言葉とイメージが形をとらない場所に、まっすぐ手を伸ばそうとする詩人たちだ。おそらく長い時間をルヴェルディとともに過ごした佐々木洋氏の訳業は、端正で美しく、ルヴェルディの呼吸を見事につたえている。 ――兼子正勝 著者 ピエール・ルヴェルディ 訳者 佐々木洋 発行所 七月堂 発行日 2020年7月20日 小B6判変型 218ページ

  • ¥ 2,200
  • 夭折した画学生の作品などを展示する「無言館」や、閉館した「キッド・アイラック・アート・ホール」、「信濃デッサン館」の館主として尽力し、また実の父親である水上勉氏や実母、養父母や妻との暮らしのなかで、ただひとりの人として、窪島誠一郎が抱えつづけた孤独の軌跡。 宿題を忘れた子のように 私はもう 何年も前から 波間にうかぶ小さな机に かじりついている 机の上には 使い古した万年筆 ちびた消しゴム 何本ものカートレッヂが 港に停泊する小舟みたいに 所在なげに ちらばっている なのに 私は私宛の手紙を 一行も書けないまま もう何年も 白い便箋をみつめているのだ この机から 身体を離したら 私はきっと 海に沈んでしまう 鋭いキバの魚たちに 食われてしまう 机の上の 使い古した万年筆 ちびた消しゴム 何本ものカートレッヂが 港にうかぶ浮標(ブイ)のように ゆらりゆらり ゆれている なのに 私は私宛の手紙を 一行も書けないまま もう何年も 白い便箋をみつめているばかり (「港」) 窪島誠一郎(くぼしま・せいいちろう) 略歴 1941年、東京生まれ。 美術館館主・作家。 長野県上田市在住。 著書 『信濃デッサン館』(平凡社) 『詩人たちの絵』(平凡社) 『わが愛する夭折画家たち』(講談社現代新書) 『無言館 - 戦没画学生「祈りの絵」』(講談社) 『無言館ものがたり』(第四六回産経児童出版文化賞受賞・講談社) 『「明大前」物語』(筑摩書房) 『父・水上勉』(白水社) 『「無言館」にいらっしゃい』 (ちくまプリマー新書) 『くちづける 窪島誠一郎詩集』(アーツアンドクラフツ) 『日暮れの記 ―「信濃デッサン館」「無言館」拾遺 』(三月書房) 他多数 著者 窪島誠一郎 発行所 七月堂 発行日 2019年3月11日 四六判 103ページ 【関連本】 窪島誠一郎著書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2661151

  • ¥ 2,200
  • 生き物たちの安全で安心な楽園はどこだ みーんなこの地球の仲間たち おはようございます 小笠原鳥類の入門書ともいえる一冊。 編集や装丁は、詩人の榎本櫻湖によるものです。 現代詩手帖やフリーペーパー、ブログなどに発表された詩に書き下ろしの作品を収録。 よいことがあると、いい。あの、ええ、 それが、とても、いい。 とても、穏やかに、うれしい、ことが、いい。 あの川に、いろいろな、種類の歌が 魚が(魚の図鑑は歌の図鑑だ)楽譜が…… 泳いでいて、魚の背中が見える。 魚は透明なので、内臓も見えるだろう健康な。 健康な健康だ、 魚のウロコがたくさんあって、それらの 輪郭の線が黒くなって、見える。 黒い絵、というものが、あった。魚を描いたんだろう 魚の図鑑が、画集で、あって 版画、だった。版画の群れ。 ─中略─ 魚の、とても、光る、部分である。版画で描くなら 金色を少しだけ使うだろう。よいことが 光っているのが、よい。いい。 よいことがあると、いい。 おそろしい未来が来ないのがよい。魚の 版画を集めた本を、ギギギギギーと開くと、 「明るい未来もある」と、書いてあった。 どうなんだろうなあ、よいことが、 あれば、とても、よい。いい。歌うだろう それから魚を描くだろう、魚の ウロコたちの線をたくさん描くだろう。 背中にウロコがたくさん描かれるだろう。背中を 濃い灰色で塗った。水彩で描いた。 とてもよいことになればよい。よいことが、 あれば、いい。おはようございます (「魚の歌」より抜粋) 著者 小笠原鳥類 発行所 七月堂 発行日 2018年6月10日 四六判変形 113ページ

  • ¥ 1,100
  • 小沼純一第五詩集 手のひらにおさまってしまうような小さな詩集。 音符のように、つま弾かれた言葉が散りばめられる。 意味をつかみそうになるとそれから逃げるようにして、詩の声がそっと歌い出す。 […] sotto そ っと そ っ と とめ くる めくる めく そっと そっと よむ よ よんで よみ よみ かえす み かえす み かえし み ゆれて ゆ っくり ゆれ て ゆみ は ずれて や はずれ よみ はずれ て […] 小沼純一 KONUMA Junichi 「し あわせ」思潮社 1989 「アルベルティーヌ・コンプレックス」七月堂 1992 「いと、はじまりの」思潮社 1994 「サイゴンのシド・チャリシー」書肆山田 2006 著者 小沼純一 発行所 七月堂 発行日 2020年4月15日 100㎝×110㎝ 144ページ

  • ¥ 2,200
  • 西尾勝彦詩集『歩きながらはじまること』 言葉の「森」がここにある 奈良の山で暮らす詩人、西尾勝彦のポケットには、どんぐり、石ころ、いろいろな形の葉っぱや木の実。たくさんの宝物がつまっているに違いない。 『朝のはじまり』、『フタを開ける』、『言の森』、『耳の人』に加え、私家版『耳の人のつづき』を収録。 いつからか 素朴に 暮らしていきたいと 思うようになりました 飾らず あるがままを 大切にしたいと 思うようになりました そうすると 雲を眺めるようになりました 猫がなつくようになりました 静けさを好むようになりました 鳥の声は森に響くことを知りました けもの道が分かるようになりました 野草の名前を覚えるようになりました 朝の光は祝福であることを知りました 人から道を尋ねられるようになりました 月の満ち欠けを気にするようになりました 遅さの価値を知る人たちに出会いました 一日いちにちが違うことを知りました ゆっくり生きていくようになりました 鹿の言葉が分かるようになりました 雨音が優しいことを知りました 損得では動かなくなりました わたしはわたしになりました (『言の森』より「そぼく」) 著者 西尾勝彦 発行所 七月堂 発行日 2018年3月7日 四六判変形 並製 112×155 本文 344頁

  • ¥ 1,731
  • タケイ・リエ第三詩集 あっ、晴れた。 手さぐりでたよりない闇のなかをすすんでいくと、 見慣れた風景がまあたらしくうまれかわっている。 なつかしい景色がまばゆい光につつまれて、 はだかの街路樹もかがやいている。 (帯文より) 図鑑を眺める。眠るまえのせかいはやさしい。だから、気がとおくなるほどたくさんのいきものが食べて食べられる世界を眺める。まよなかの、まんてんの星の下に無数の国。赤いろ。青いろ。緑いろ。夥しいかずの屋根の下で。多様なにんげんの図鑑もひろがる。 (中略) うまれてくるひとよりもしんでゆくひとのほうが多くなってきて、ようやくさしせまったと感じるなんて身がすくむような思いがする。わたしたちはいったいだれから、救われればいいのだろう? いまこのことについてだれかとはなしあいたいのに、だれとはなしあったらいいのだろう。あなたの考えている本当のことがわからない。悩んでいたらみえない動物が近づいてきて、はなしが通じる言語を習えって言うの。それが愛情だろうって言うの。おかしいよね。いまからでもまだ遅くないんだって。本当に、覚えられるのかな。せかいはとても広くてプールみたいになってしまった。大きな水溜まり。あるいは、砂漠のようなもの。だけど、はだし、はだかでも、大丈夫なんだって。本当かな。本当なら、服を着ているのがじゃまになるかもしれないね。あなた、いっしょにぬいでくれる? あなたがいっしょならわたしだってもう、こわくないんだよ。 (「ミーアキャットの子は年上の兄弟からサソリの狩りを学ぶ」より抜粋) タケイ・リエ 岡山県生まれ 詩誌「どぅるかまら」「ウルトラ」「Aa」同人 詩集『コンパス』(ブロス) 詩集『まひるにおよぐふたつの背骨』(思潮社) 詩集 著者 タケイ・リエ 装幀:伊勢功治 発行所 七月堂 発行日 2018年9月30日 A5判変形 92ページ

  • ¥ 2,970
  • ネット詩へのオマージュ 国立博物館に安置 ではなく 陳列 されているテーベ出土のミイラは 生きていた期間よりも そうとう長く死んでいる 生誕 そうだな推定三千年を祝して ポケットウイスキーを すばやく飲んだ (「国立博物館」) 経験値がマックスになると 大人という称号をもらえます そこで成長は とまってしまうけれど イベントはおわらず そのあと如何に がんばるかが 見どころのゲームです (「新作ソフト」) 著者 みつべえ 発行所 七月堂 発行日 2019年9月29日 A5判変形 484ページ

  • ¥ 1,760
  • 世代を超えた同胞への留別としたい 、と南川隆雄は呟く。 南川隆雄の幼年時代、戦中戦後の体験が記されている。 空襲と被災、疎開、敗戦、食糧難など戦中戦後の生活の実態を54篇の「詩」と15篇「文章」で書き遺す、と著者は言う。 もう過去の事はたくさんだ、という人も多い。 しかし、歴史の真実は言葉によって語らずして、未来の誰に伝えられるのだろうか。 著者 南川隆雄 発行所 七月堂 発行日 2019年10月31日 四六判 149ページ

  • ¥ 1,320
  • 注目の詩人、櫻井周太の『明るい浜辺』につづく第二詩集。 からりとした 洗濯日和の朝に 君のかなしみから 電話があって 待ち合わせてると 僕の影から 生えてきた きのこ さもしい きのこ 増えてくるので はやく来てほしい 君のかなしみ (「朝のきのこ」より) 【著者プロフィール】 1989年 和歌山生まれ大阪育ち 私家版『明るい浜辺』2017年11月20日発行 2017年 第1回日本現代詩人会現代詩投稿欄新人賞 著者 櫻井周太 発行所 七月堂 発行日 2018年9月3日 四六判 84ページ

  • ¥ 1,430 SOLD OUT
  • 詩の言葉によって再生される、都市の捨てられた風物、名指されぬ人びと、止まった時間。 煙草の吸い殻みたいに褪色して、それでも揺るぎなくそこに在る「不在」を、私たちは確かに目撃するだろう。 (小林坩堝) 駐車場の隅に置き去りにされたカートがあり 人類最後の日にもおそらくそれはあり続けるだろう やがて土に還っていくひふを前に 逸脱を許さない骨だけが 垂直に空をさし 発語の手段は持たない これが文字なのだとすれば 耳元で響く母語はなつかしかった 錆び付いていく鉄骨が 時の経過を告げる 二車線の道を挟んで 向かいのバス停は傾いてあり 歩道の落ち窪んだ辺り かつてリュックを背負った男はいて 名も知らない その男はどこへいったか バスが来ても乗らず 時折ひとに話しかけては 何を考えているのかは分からなかった 発語される文字は文字の形のままに たちまち空へ吸われていき ビルの屋上 SOSのフラッグが揚がったこともあったその柵の辺り 今は赤い風船が浮かんでいる それを手放した 幼子の 行方も知れず 薄闇に反応した 外灯がともる 駐車場に 草のなびく音だけが立ち 解析されない監視カメラ 回る (「誰も知らない」) 著者 一方井亜稀 発行所 七月堂 発行日 2019年11月1日 四六判 85ページ