koro【新本】
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【出版社内容紹介】
眼の奥に錆びた秤が一つあり泣けばわずかに揺れる音する
『悪友』で熱烈な支持を集める著者の、無二の進化を遂げた渾身の第二歌集。
【栞文より】
「救われたくない。ゆるされたくない。そう何度も叫んでいる。(中略)できれば全て脱ぎ捨てたいのだ。そうすればふたたび穢れず生きていける」(江戸雪)
「榊原の美意識は現代短歌において実に独自性が高い。そしてその根底には、神秘への思慕がある」(黒瀬珂瀾)
「この作家の器の大きさに感嘆した。自在な言葉が相応な重さを持って宇宙の謎に拮抗している。人間が人間である悲苦から逃げることなく、現代人の知性によって真っ向から対峙している。(中略)怖るべし・怖るべし・怖るべし」(水原紫苑)
【収録歌より】
銀漢に表裏があれば手触りは違うのだろう 指輪を外す
百合のように俯き帽子脱ぐときに胸に迫りぬ破約の歴史
額縁を焼(く)べてきたかのような貌ゆっくり上げてただいまと言う
ボトルシップの底に小さな海がある 語彙がないから恋になるだけ
ヘアバームのくらいにおいだ泣くのなら最初の一粒から見ていたい
【栞】
江戸雪「滅びの思考」
黒瀬珂瀾「かずかぎりなきあなたとわたし」
水原紫苑「宝剣の一行」
【著者プロフィール】
榊原紘(さかきばら・ひろ)
1992年愛知県(三河)生まれ、奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞、第31回歌壇賞次席。2020年、第一歌集『悪友』刊行。短詩集団「砕氷船」の一員。
著者 榊原紘
発行所 書肆侃侃房
発行日 2023年8月31日
四六判変形 208ページ
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