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デュラスのいた風景【新本】

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この世の空白とは何か。28歳で人生に区切りをつけた笠井美希入魂の文学、映画、写真論が繰り広げられる。


マルグリット・デュラスの名で映画『愛人/ラマン』『ヒロシマ、私の恋人』を思い浮かべる人は多い。デュラスの初期作品『太平洋の防波堤』に於いて笠井美希の研究がはじまる。いや、研究というよりも自分の存在を確かめるかのよう自由自在ににのめり込んでゆく。その背景にはバッハウ収容所が、ヒロシマが、マリー・サンローランが、寺山修二が次々と現れてくる。
生と死を見つめ続けた28年の人生を記す。


詩は告白なのだろうか。表面上は理論的ではないけれど、詩を生み出そうとしている者の内面を確実に表現し、暴露する。内面の感情、言葉による一定の形式をとらずに沈殿する「何か」を外へ引きずり出そうと、格闘する。そこに生み出す者対「何か」だけでなく、生み出す者対言葉という対立関係も存在している。生み出す者は一度に二つの怪物を相手にしなければならない。(「クァジーモドとタブッキ」より抜粋)1997年20歳


著者 笠井美希
発行所 七月堂
発行日 2018年7月26日
四六判 411ページ

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