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黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える【新本】

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【出版社内容紹介】
闘病の不安のなか、専門書や生々しい体験記を読むのが辛いとき、短歌は「31字のお守り」としてそっと心に寄り添ってくれる。
がん当事者の「闘病の不安に寄り添う、女性がんサバイバーによる短歌集を出版したい」という思いから生まれた「あの風プロジェクト」。短歌集を出版し、完成した本をサバイバーや団体、病院へ無料で届けるためのクラウドファンディングはたちまち話題となり、開始から12時間で100%達成、その3日後にネクストゴールも達成した。
本書では、26人の女性サバイバーが歌人・岡野大嗣の特別レッスンを経てつくった300首から厳選された26の短歌に、人気イラストレーター・西淑による描き下ろしカラーイラスト、4つの連作、15人の体験談「サバイバーストーリー」を収録。
サバイバーにはそれぞれ、辛い思いだけでなく、「サバイバーだからこそ感じられたいつまでも忘れたくない想いや情景」がある。ふたりにひとりはがんになる時代、当事者はもちろん、「第二の患者」と言われる家族や友人、がん以外で闘病中の方や不安を抱えている方すべてに「ひとりじゃないよ」と伝える一冊。
いま、同じ時代を生きている、 女性がんサバイバーたちがつくった「口ずさめるお守り」。

一つひとつに異なる祈りが込められて、 そのまなざしはそれぞれに美しい。 ──岡野大嗣


【収録歌より】

またがんと生きる私に十字架を差し込むごとく天窓の陽は
蝉の声まぶしく耳をつんざいて歪んだ脳に「生きろ」と響く
髪の毛と眉毛と睫毛それとそれと目には見えない鼻毛ください
鍵もたず朝の玄関でるように母と別れた手術室前
生まれたての傷をいたわる初めての沐浴に似た戸惑いの手で
学生のはしゃいで歩く群れにまだ病気知らずのわたしが見える
風が吹くにおいがちょっとつめたくて秋の帽子を買いに行かなきゃ


【目次】
Ⅰ 26首の短歌
Ⅱ 連作
  猫は連れて行けない
  祈りの儀式
  ミナオダヤカニスゴセマスヨウ
  秋の帽子
Ⅲ サバイバーストーリー
  「まさか私が…」の、そのまさか/はろさん
  十七歳 失った最後の青春によって得たもの/炭酸水子
  揺れる思いと向き合う日々/金塚敬子
  嫌な待ち時間も優しい時間に/猫由
  空っぽの心に響いた応援歌/佐々木千津
  ゴールは先生の診察室/rina
  においの記憶/中川裕子
  ねむりスイッチがみつからなくて/石原裕子
  友とわたしの苺一会/ひびの祈り
  残したものはたくさんあるのに/yossy
  未来よりこの瞬間を生ききる人生/マツイアヤコ
  がんのせいにしないで私らしく/moe
  チームと私、いつも一緒に/加藤那津
  がんで出会えた仲間が生きる希望に/ヒダノマナミ
  今もこれからもこのときを/植田ゆり

忘れても大丈夫 岡野大嗣
あとがき
あの風プロジェクト 執筆者プロフィール
支援者一覧


【著者プロフィール】
26人のがんサバイバー あの風プロジェクト (ニジュウロクニンノガンサバイバー・アノカゼプロジェクト)


著者 26人のがんサバイバー あの風プロジェクト
監修 岡野大嗣
発行所 左右社
発行日 2021年2月25日
四六判 108ページ



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