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【内容紹介】
さあ、広いところへ出る。
さりげない瞬間に、人間の感情を、不思議を、人生の奥深さを端整に描く。著者がふと気付いたように、この詩集を読むと今の自分を少し離れた場所から見ることができる。菅原克己から受けた大いなる遺産であるかもしれない。
起き抜けに、朝の冷たい風になぶられて/赤児に戻ったように、ぼんやりしていると/ふと、忘れていた/なんでもない光景がよみがえった/三年前の夏、田舎道をどこまでも歩き/数本の丈高い向日葵を見たことを
そのとき、私は幸せだったわけではない/不幸せだったわけでもない/ただ何も考えずに歩いていた/またあの道を歩きたいのでもない/ただ向日葵の見える道を歩いた
そのことを思い出しただけで/今、生きていることの不思議な幸福感が湧いてきた/冷たい風に当たった/肌は、私を違う季節に追いやったけれど/今しばらくは、ここに座っていよう
それにしても/あの数本の向日葵は/三年前の私を知っていたのだろうか/私も気がつかなかった私のことを(「秋の向日葵」)
著者 松原立子
発行所 七月堂
発行日 2017年12月10日
A5判 80ページ
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