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三年九か月三日 那覇市第一牧志公設市場を待ちながら【新本】

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【著者内容紹介】
 2019年6月19日、牧志公設市場が建替えのために一時閉場した日から、2023年3月4日、仮設市場が営業を終えた日までの個人的な記録をまとめました。写真も30点、カラーで入っています。

 装丁は未明編集室の外間隆史さんに、レイアウトなどは同じく未明編集室の松本孝一さんにお願いしました。


【目次】
はじめに
 
序 公設市場と水上店舗
一 公設市場が閉まる 二〇一九年六月十六日
二 仮設市場に行く 二〇一九年六月十七日~七月十一日
三 市場のそばに残る 二〇一九年七月八日~十二月二十七日
四 首里城が燃えた 二〇一九年十月三十一日~十一月七日
五 解体を眺める その一 二〇一九年十二月二十日~二〇二〇年一月六日
六 解体を眺める その二 二〇二〇年一月八日~二月七日
七 シャッターが閉まる 二〇二〇年一月十九日~六月十九日
八 槌音が響く 二〇二〇年六月三十日~十一月十四日
九 地盤が揺らぐ 二〇二〇年九月七日~二〇二二年五月六日
十 空が見える 二〇二二年六月十二日~十一月二十五日
十一 公設市場が現れる 二〇二二年十一月二十六日~十二月三十日
十二 まもなく戻ってくる 二〇二三年一月五日~三月四日

 おわりに


【「はじめに」より】
 二〇二三年三月十九日、私の目のまえに那覇市第一牧志公設市場が帰ってくる。二〇一九年六月十六日に市場が閉まってから、三年九か月三日、待っていた。

 公設市場の建替を見届けて記録したいと、閉場前から口にしていた。本当に見ていたか、と聞かれたら自信はない。工事の終盤まで、公設市場の建物は灰色のシートに覆われていた。アーケードの撤去や屋根の設置は夜間に行われたので、朝、店に来ると風景が変わっていた。だから実際の工事はほとんど見ていない。自分の店の帳場に座っていても、うつむいて本や画面に目を落としている。

 そして、風景が一番派手に変わっていった時期、つまり公設市場が更地になってまた建ちはじめる時期に新型コロナウイルスが流行しだして長く店を休んだから、帳場からその様子を見ることもできなかった。

 記録したか、と聞かれたらもっと困ってしまう。日記には市場の話題もほかのことも一緒くたに書いていてムラがあり、あれこれ起きて忙しかった日ほど空白になっている。とにかく写真だけ撮っていたり、気まぐれにツイートしたり、たまに雑誌に文章を書いたり、だれかへのメールで近況報告をしてみたり、バラバラに散らばっている。

 この三年九か月間、市場のみならず世界が大きく変わっていった。自分の気持ちも考えもどんどん上書きされて思いだせなくなった。書いたものを読みかえしても、そのときのとまどいや悲しみや怒りはもうよみがえってこない。せめてバラバラな文章を切り貼りして、ほんの気分だけでも記録しておこうと思う。

・・・



著者 宇田智子
発行社 市場の古本屋ウララ
発行日 2023年3月19日
B6判 112ページ


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