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杉中昌樹詩論集 野村喜和夫の詩【新本】

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野村喜和夫を究める


1987年の第一詩集『川萎え』から2016年『よろこべ 午後も 脳だ』まで野村喜和夫の作品を詳細に読み解く。

また野村喜和夫本人の監修による「全詩集解題」「略年譜」も収録。野村喜和夫研究の先駆けとなる一冊である。


野村喜和夫の詩を読むことは、楽しい体験である。私にとって、野村の詩を読むことは、良質な音楽を聞くのに似ている。良い音楽を聞くとき、私たちは、音楽を聞くという行為そのものを味わっている。音楽を聞いて、何かを考えたり、何かを感じたりするのではなく、音楽を聞くという行為そのもの、聞くことそのものに私たちは没頭している。同様に、野村の詩を読むことは、読むことをそのものが快楽であり、快感である。読めば意味は取れるし、感じるところもあるが、読むという行為そのもの、字を目で追うという行為そのものが快楽であり、快感である。なぜだろう。私は他の詩人にはこのような読むことそのものの快楽や快感を感じることはない。なぜ、野村の詩に私はそれを感じるのだろうか。(「序」より)



著者 杉中昌樹
詩論集
2017/07/01発行
発行所 七月堂
A5 並製 本文232ページ

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