あのとき冬の子どもたち【新本】

峯澤典子、第三詩集。


ぬくもりはじめた 祈りのかたちに 冬が 訪れる


この〈旅〉は、通り過ぎていく景色の印象を残しながらも、別の空間、時間を移動しているようだ。ふとした気配が記憶を呼び覚ますように、うす暗い空の下、それでも光を求めて彷徨う。


マッチを擦っても
新年の雪みちには犬の影もない
ひと足ごとに
夜の音が消えてゆく
冷気を炎と感じられるほど
ひとを憎むことも
許すことも できなかった

せめて
てのひらで雪を受ければ
いつまでも溶けない冬が
ふたたび訪れることはない病室へ流れていった
それを流星と呼んでいらい
わたしの願いはどこにも届かない
それでも星は
清潔な包帯のように流れつづけた(「流星」)


第二詩集『ひかりの途上で』(七月堂)で、第64回H氏賞を受賞した峯澤典子さんの最新詩集です。



峯澤典子
2017/02/01発行
発行所 七月堂
四六版 並製カバー付
カバー・表紙デザイン:吉岡寿子

¥ 1,320

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