ロックンロールは死んだらしいよ【新本】

山崎修平詩集


未明のぬるい春ばかり愛した
とてつもない逃走を企てながら
フィルムのほうが質感は良く
それが僕らのきっかけとなった

もう一度来てくれるときのため空けておく席に
ビートを(正直に)刻みながらも首を傾げた
確かに、ペーパードライバーみたいなへっぴり腰だ
ポテトチップスを口に運びながら言う
街じゃない自転車で通う街じゃない映画を観に行った帰りみたいだ

笑っている
最悪なバンドサウンドだろ来てくれた御礼に一曲かました
最後までユウは戻ってこなくてオレンジジュースが半分
立ち退きのオーナーが可哀想だ
君たち、君たちはさ若くて。

小雨だ
僕は相変わらず逆回転の言葉を探している
ここにいてはならない
汚れたバス停に置いてある籐の椅子、ビリヤードの帰りにすこしだけ話せた
やっぱり僕のほうが悪かったなと思う明日謝ろう

ずいぶんと反抗的な優しさ八百屋のキャベツの瑞々しさ
だらしなくていつも優しくてずるい
それでも信じられない悲しい踊りでしたね
彼女にとってホームから見えるビールの広告から貰う勇気について
僕はタワーレコードで買ったCDや死や公園やにわか雨やキャラメルについて
それは必要のない着飾ってもいないぬるい春の日
ばらばらに歩いても結局出逢ってしまったときのような顔をして
抗って捧げてしずかに
世界は、と大きく構えたあとの肥大化する僕の手のひらにある
誰しも真実であると垂れ流している
透明な傘や波止場へ
拡散していくひかりをそれでも信じていたい

つまり僕や君のすべてを台無しにしてしまうような
甘ったれた覚悟のことだ
僕はここに立つことに決めた最後までここに立つよ
守る者や守られる者というバカげた話を捨てて
君は弓なりに硬球を投げているその軌跡を見た
Lは良いやつだった、それは誰しも感じていた
力について大きく蛇行する川の岸に立って
あぶく銭で食べる炭水化物
でも、やっぱり好きなのだと思う
(「ぬるい春」より)


著者 山崎修平
発行所 思潮社
発行日 2016年10月31日
四六判 93ページ

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