一年に一日【古本】

現代文学のテーマと
それに適応した表現方法を求める、
散文作家クリスタ・ヴォルフの
たたかいの記録
(帯文より)


 〔……〕彼女はなぜ一年に一日の記録を残しつづけたのだろうか。それは、何よりも、忘却とそれによってもたらされる存在の喪失に対する恐怖であり、日記をつづけることは、常時われわれを脅かすこの存在喪失に対して選択された彼女の対抗手段であった。記録を残さずにいると、われわれの日常はやがてわれわれから奪われてゆく。日常は忘れられ、消え去り、無となってゆく。クリスタ・ヴォルフは、〔……〕この「とどまるところのない存在喪失」に対抗するために、毎年の特定の一日を記録し、信頼に足る記憶の支柱にしようと考えたわけである。
 それは、同時に、日々を意識的に生きる訓練であった。一年の一日について残す記録は、広い海に点在する島のようなものである。しかし、毎年一回特定の一日に関して一定の判断を下してゆけば、点はやがて線になり、面になって、それを記す彼女の自己確認と自己表現を定着させ、そうして得られた主観の客観化を通じて時代の証言になってゆくだろう。クリスタ・ヴォルフは、この希望を心の支えに、四十年間、家族を中心とする私的なテーマだけでなく、そのときどきの時事的事件、政治的事件に関しても感想や判断を書きつづけた。かくして本書は、作家に成長してゆくクリスタ・ヴォルフの個人史に加えて、東西対立からプラハの春を経て崩壊にいたる東ドイツの、そして九〇年以降の統一ドイツの、歴史を証言する貴重なドキュメントとして読者の前に出現することとなった。
(訳者「あとがき」より抜粋)


著者 クリスタ・ヴォルフ
訳者 保坂一夫、川尻竜彰、杉田芳樹
発行所 同学社
発行日 2013年7月10日
四六判 641ページ

帯付き
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